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トヨタ、中国事業で新車販売不振により1000人の削減を実施


 トヨタ自動車が中国事業において1000人の従業員を削減したことが報じられています。この削減は、中国市場での電気自動車(EV)への市場シフトや景気減速による新車販売の振るわない状況が影響しているとされています。

 具体的には、中国の自動車大手である広州汽車集団との合弁会社である「広汽トヨタ」が約1000人の従業員について、満了前に契約を終了しました。広汽トヨタの2023年6月時点での従業員数は1万9000人であり、今回の削減は約5%に相当します。

 契約打ち切りの対象者には、新たな派遣先のサポートと法律で定められた経済補償金が支払われる予定です。

 トヨタの中国での2023年1~6月の累計販売台数は、前年同期比2.8%減の87万9400台にとどまりました。さらに、2022年6月から12月末にかけて自動車取得税を半減させる措置が一部取られた時期であり、その影響も出始めているようです。

 中国では国策によってEV需要が急拡大しており、比亜迪(BYD)や米テスラといった国内外の新興大手メーカーとの競争が激化しています。日系メーカーはEV対応に出遅れており、製品ラインアップの刷新やコスト構造の改革が必要になっています。

 トヨタが中国市場での競争力を維持するためには、より迅速なEV対応と市場の変化に対応する柔軟性が求められている。

 トヨタは中国市場での販売戦略において、以下のような取り組みを行っています。

1. 電動車(EV)市場への参入と拡大
 中国ではEV市場が急速に成長しており、政府のサポートを受けて電動車の需要が増加しています。トヨタもこの市場の成長に対応するため、電動車の投入を強化しています。EV需要の高まりに応じ、トヨタは電動車の製造と販売を拡大することで市場シェアを確保しようとしています。

2. 地域に合った車種の提供
 中国市場は地域ごとにニーズや好みが異なります。トヨタは地域に合った車種を提供し、消費者の要望に応えることで販売を促進しています。例えば、燃費の良さやコンパクトなサイズが重視される地域にはハイブリッド車を、EV需要が高まる地域には電動車を重点的に展開しています。

3. 技術力とブランド価値の向上
 中国市場は激しい競争が繰り広げられる場所であり、トヨタは優れた技術力とブランド価値を持つことで競合他社と差別化を図っています。品質や信頼性に対する消費者の信頼を築くことで、長期的なブランド価値の向上を目指しています。

4. デジタルマーケティングと顧客接点の強化
 インターネットの普及により、中国市場ではデジタルマーケティングの重要性が高まっています。トヨタはデジタル広告やSNSを活用してブランド認知を高め、顧客とのコミュニケーションを強化しています。また、オンライン販売やモバイルアプリを活用した新しい販売チャネルの開拓にも力を入れています。

5. 地域パートナーシップの構築
 中国市場においては地域のパートナーとの協力が重要です。トヨタは中国の自動車メーカーや地域の自動車ディーラーなどと提携し、現地のネットワークやリソースを活用して市場の理解と拡大に努めています。

 トヨタは中国市場の競争力を高めるために、上記のような戦略を総合的に展開しています。時折発生する市場変動に対応しながら、持続的な成長と地域の消費者に対する価値提供を目指しています。

 トヨタの中国における戦略は、日本人らしいきめ細やかな戦略が見え隠れしています。

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