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ふるさと納税、山村が稼ぐ 「黒字」自治体3倍

皆さんは、ふるさと納税を利用していますか?

2022年度、ふるさと納税が全国の自治体にとって大きな財源となりました。
寄付総額は9654億円で、3年連続で過去最高を記録しました。
都市部では税収の流出が問題となり、返礼品競争も一部で批判されていますが、財政基盤の脆弱な自治体にとってはかけがえのない資金源です。
興味深いことに、住民1人当たりの収支を見ると、小さな山村が「黒字」を出していることが判明しました。

総務省の「ふるさと納税に関する現況調査」から2022年度の市区町村ごとの実質収支を算出しました。
これにより、受け入れた寄付額から他の自治体への寄付控除と、寄付を得るためにかかった経費を差し引いた結果、人口1人当たりで1万円以上の「黒字」だった自治体が449もあり、16年度と比べて3倍に増えました。
そのうち9割が人口5万人以下の自治体でした。

最も収支が大きかったのは和歌山県北山村で、1人当たり122万2838円に達しました。
この村は紀伊半島の山中に位置し、県とは接しておらず、奈良県と三重県に囲まれた、全国唯一の飛び地です。
この村のふるさと納税の収益を大きくした背後には、村内で育つ絶滅危惧種のかんきつ「じゃばら」の復活がありました。

「じゃばら」が売れた理由を分かりやすく説明します。

1. 希少性と独自性

「じゃばら」は山村にしか自生しない珍しいかんきつ類です。
その希少性と独自性が、ふるさと納税の返礼品として注目されました。
多くのふるさと納税品が同じような商品を提供する中で、地域特産の「じゃばら」は他にはない魅力を持っていました。

2. インターネット通販の活用

山村は異例の方法で「じゃばら」を販売しました。
2001年に楽天市場で果実や加工品のネット通販を始めたことが大きな転機でした。
これにより、地域特産品が全国の消費者に簡単に届けられるようになり、多くの人々が「じゃばら」に興味を持つようになりました。

3. 顧客志向の返礼品提供

山村は顧客志向を大切にし、ふるさと納税の寄付を受けた際に、翌日には返礼品を発送するなど、迅速で親切なサービスを提供しました。
これにより、寄付者は山村の返礼品に対する信頼度が高まり、継続的な支援を行うようになりました。

4. 地域振興と教育への活用

山村はふるさと納税の収益を地域振興や教育に活用する計画を立てました。
英語教育の強化や海外の語学研修への支援など、地域全体の発展に役立てる方針を採りました。
これは寄付者にとって、寄付金が地域社会に貢献する手段として認識され、支援意欲を高めました。

まとめ

「じゃばら」が売れた理由は、その希少性と独自性、インターネット通販の活用、顧客志向の返礼品提供、地域振興と教育への活用の組み合わせにあります。
これはふるさと納税が、地方の特産品を全国に広め、地域振興に貢献する素晴らしい仕組みであることを示しています。

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