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災害備蓄について(大阪市防災研修その2)

大阪北部地震から今日で3年。

発生から数日、大阪の多くのスーパーで営業取り止めや開店遅延が発生し、カップラーメン・水・パンなどが売り切れる店舗が相次いだ。ガスの供給が停止した地域もあり、カセットコンロ・ボンベがよく売れた。

昨年、災害発生時に備蓄物資の供給と救援物資の集配の拠点となる大阪府中部広域防災拠点を見学させてもらったので、この紹介とともに災害備蓄について書くことにした。

大阪市では、大規模災害で市民が避難所に避難しなければならなくなった場合に備え、53万人(南海トラフ巨大地震の想定避難所生活者)の3日分の飲食料や生活関連品等を備蓄している(ちなみに大阪市の人口は275万人(令和2年6月1日現在))。

飲食料は、市内の約550か所の災害時避難所や区役所、8ヵ所の備蓄倉庫(阿倍野・生野・西・旭・西淀川・中央・鶴見・東淀川)に53万人の1日分が備蓄されているが、これ以外に大阪府の3ヵ所の広域防災拠点(北部:万博公園東地区(吹田市)・中部:八尾空港隣接地(八尾市)・南部:りんくうタウン南地区(泉南市))の備蓄品のうち53万人の2日分の数量が割り当てられる。

対象地域は、中部が大和川以北・淀川以南、北部が淀川以北、南部が大和川以南の地域となっている。

広域防災拠点は、以下のチラシに記載のとおり、救援物資等の備蓄と集配、トラックやヘリコプターを活用した物資輸送、防災関係機関の活動拠点としての機能を持っている。

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①は臨時ヘリポートで約42,000㎡。離着陸1機分、駐機スペース13機分の規模。

②は多目的広場で消防・警察・自衛隊等の参集機関待機場所である。

③は大阪府広域医療搬送拠点で、重症患者をヘリコプター等で被災地外へ搬送するための救護所として運用されている。

見学させてもらったのは②の下にある建物(中部広域防災拠点)の備蓄倉庫部分。

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1階にはアルファ米80万食、簡易トイレ850基などが入った段ボール箱がびっしり並び、2階には毛布が62万8000枚となかなかの備蓄量である。

中部広域防災拠点では災害に備えた訓練を定期的に行っており、昨年はトラック協会と連携して中部拠点から北部拠点に災害物資を送る訓練を実施している。

大規模災害が発生し、市民が避難所に避難しなければならなくなった場合に、発災1日目は市からの物資が、2日目・3日目は府からの物資が届くことになっている。

一方、災害時避難所に指定されている小学校には、1人当たり1食分のアルファ米と3リットルの水が300人分の備蓄のみ。

市内の備蓄倉庫や広域防災拠点にも飲食料の備蓄があるが、道路が使えない場合、トラックなどでの被災地への物資の輸送は難しいだろう。

大規模災害が発生し、幸い大きな被害がなく自宅に留まる場合でも、ライフラインが停止し商店も開いていない、小学校には避難者用の食料が少し備蓄されているだけ…

自分で飲食料の備蓄をしていないと、たちまち食うに困り路頭に迷うことになる。

大阪北部地震で、当地域は避難所に行ってアルファ米を食べるような事態にはならなかったが、カップラーメンなどが一時的に品切れになる店舗が多かった。災害が発生するとよく見られる事象だ。

昨年の1回目の緊急事態宣言時には外出自粛が徹底され、買い物に頻繁に行けないことから、普段備蓄をしない人も自然と食料を買い置く機会が増えたように思う。

日常使いの食品や日持ちのする食品を少し多めに買って、「1つ食べたら、1つ買い足す」ローリングストックが習慣となれば、大災害が発生しても食い逸れることはないだろう。

T.T

大阪市 災害への備え(大阪市の備蓄体制)
https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000388272.html

大阪市 災害時の食の備えhttps://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000248454.html

#大阪北部地震 #防災 #ローリングストック #災害備蓄 #広域防災拠点 #みんなの防災ガイド

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