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学生と現場の学びをつなぐ

「おせっかいワーカーになろう㉔」

 おせっかい講座が始まりました。今年は新聞や地域情報誌が記事にしてくれなかったので、受講生の集まりはいま一つですが、大学生が2人参加してくれています。幼児教育科と福祉科の学生で、もっと実践的なことが学びたいとわざわざ会費を払って学びにきてくれたのです。いろいろ聞いていくと、福祉系の学校なのに、現場の実情が分かったり、現在の課題の具体的な解決に向けた取り組みが実感できる講義が少なくて、やる気のある学生は物足りないらしいのです。というか、このまま卒業して現場に出て大丈夫だろうかと不安や焦りを感じているようです。

 第一回講座は映画『みんなの学校』で、観終わった後の学生2人の感想は、障がいなど様々な事情のある子どもをクラスの友達がしっかり受けとめている力が凄い、というものでした。映画では、クラスのみんなに、どんな仲間も受けとめようという気持ちがあって、受け入れるスキルや経験が培われていて、頑なに閉じてまわりを試そうとする転入生が、少しずつ心を開いていく姿がよく捉えられていました。こんなに子どもには力があるし、変われるのだと、口々に驚きを語りました。

 そこから、こんな子どもたちを育める先生たちの力は何だろう、という議論になって、やっぱり思ったことを、忌憚なく語り合える場がたくさんあることが大切だとなりました。そして経験の浅い先生も、校長先生を中心にした先生たちの仲間集団に、受けとめ鍛えられてぐんぐん成長していく姿を見て、学生たちは、こんな現場で働きたい、と切実な気持ちを訴えていました。

 昨年のおせっかい講座にも福祉専門学校の学生が来て、学校の協力を得て子ども食堂を始め、近くの小学生との交流を深めています。きっと学校だけの学びでは、現実社会の大きな変化に対応できる力が身につかないことを、感度の良い学生は感じているのかもしれません。実習で現場にも行くのでしょうが、もっと日常的に子どもと触れあうと、体感すること感じることの質量が全然違うし、その実体験があると、講義を受けたりニュースを見たりしても、学ぶ厚みや深みが増して、働く自信が得られるのではないかと思います。いま流行りのアクティブラーニングですが、ワーカーズは、学生と現場の学びを橋渡しする機会を色々作っていけるように思いました。

         【労協新聞2018年「おせっかいワーカーになろう㉔」】

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