98 デューク・エイセス ☆ わんわん行進曲

【MY FAVORITE SONGS 98(私は音楽でできている)】

 東映動画『わんわん忠臣蔵』(1963年)の主題歌です。同じく前作の『わんぱく王子の大蛇(おろち)退治』は劇場で見た記憶がありますが、『わんわん忠臣蔵』は、おそらくテレビ放映を見たのだと思います。その代わり何度か見たと思います。

 私(小学2年)は「すす~め、すす~めや、しっぽをあ~げて」と歌いだす主題歌がとても好きでした。お母さんを殺された子犬のロックが、仲間と力を合わせて立ち上がっていくストーリーはオーソドックスで、悲しみや苦しみを乗り越えて、勇気がもらえるものでした。

 忠臣蔵は古典的な復讐譚ですし、大蛇(おろち)退治は古事記神話です。このころの日本の社会がどんな文化的な教養をベースにしていたのか、子どもに何を伝えようとしていたのか、が推し量れる気がします。因みに1960年代の東映動画の作品には、『西遊記』『安寿と厨子王丸』『アラビアンナイト・シンドバッドの冒険』『ガリバーの宇宙旅行』『少年ジャックと魔法使い』『アンデルセン物語』『長靴をはいた猫』等々、国内外の名作に材をとっています。

 1980年代にジブリが登場して、アニメ映画が子ども向けから、子ども+大人向けに転換したと言われています。一つは団塊ジュニア以降少子化が進んで、コミックも少年誌、ヤングアダルトから大人向けのものが出版されるようになっていきますが、この頃は、まだまだ純粋に子ども向けとしてアニメ映画が作られていました。『鬼滅の刃』と並べてみると、隔世の感があります。

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