小金井市議会議員選挙_性別投票率

性別投票率からみる自治体選挙

 もうすぐ、市長選挙のある小金井市ですが、性別の投票率を見てみましょう。市長選挙ではなく、候補者が誰かによる市議選挙のデータを使います。

 1997年が欠けているのは、市立図書館でデータが見つけられなかったからです。

小金井市議会議員選挙・性別投票率

近隣自治体も見てみましょう。(武蔵野市・三鷹市・国分寺市は投票率データをネット公開している数少ない自治体です)

武蔵野市議会議員選挙・性別投票率

三鷹市議会議員選挙・性別投票率

国分寺市議会議員選挙・性別投票率

 まず、言えることは、男女間の投票率差がかつては明確にあり、この20年ぐらいで差がなくなりつつあるということです。8%前後の投票率差がありました。これは、国政選挙にはない特徴です。

 雇用均等法以前の性的役割分業の中、地元に残り子育て・育児・介護の担い手であった専業主婦達は地域社会と密接につながっており、また、雇用の機会に恵まれなかった女性達にとって政治は重要な政治参加の機会であったのではないか、と思われます。他方、図書館で40年ぐらい前に書かれた議会史の資料を読んでいて気付いたのですが、女性の投票率が高かったのにもかかわらず、当時の議員は男性ばかりでした。そこから日本一女性議員の多い議会になるまでには、並大抵ではない闘いがあったのかなと想像します。

 投票率差が減少していくのは、雇用機会均等法により、女性もまた都心部で男性と同じように働くようになったこと、転出入によって、新しい政治志向の住民が入ってきたことが影響しているのかな、と思います。先日の武蔵野市議選挙では、伝統的な市民派の主張である「福祉」「教育」「平和」などを訴える市民派新人(男性×2)が落選する一方、「新しい働き方」を主張する新人のキャリア女性が当選しました。武蔵野市の松下市長が過渡期の象徴のような気もします。

 もう一つ、わかることは投票率の低下ということが叫ばれる一方、近隣自治体では下げ止まっていることです。残念ながら、小金井市の投票率低下は拍車がかかっているように見えます。国分寺市では早くから男性の投票率が安定し、むしろ三鷹市では男性の投票率が著しい伸びを見せています。武蔵野市でも前回・前々回で底を打ったのかなという気がします。

 政治参加には意識というよりは、構造的な問題も大きく影響します。例えば、国政選挙と自治体選挙の投票率差は所得に比例するようです。小金井市政は陳情者数も多く、選挙の立候補者も多いです。他方、なぜ、投票率は著しく低下していくのか、もっと研究してみたいです。

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