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令和6年度に向けて… 私たちの研修を改善したい

 明日から新年度が始まる。2週間ほど前に、今年度を振り返り来年度はここが改善されたらいいなと思い所長に提案したことがある。それは月に1回程度実施される私たちの研修について。
 年度末の慌ただしい時期なので十分な説明はできないと思い、文書(提案書)を作成して提出した。簡単に説明したあと、「都合のいいときに呼んでもらえば説明します」と「来週の係長会議で話題にしてもらっても…」を伝えた。

 さて提案内容は、研修の各回に「研修観の転換」や「探究的に学ぶ講座展開の在り方とは」などのテーマについて、職に関係なく安心・安全な環境のもとで自由に意見が出し合える時間を設ける。いわゆる対話を導入すること。
 例えば、初回(4月)は、話題提供として、当自治体内公立高校の探究学習を支援している一般社団法人から「探究学習の現状」の、あるいは外部組織で発表した当所研究員からその内容「探究的な教員研修へのチャレンジ」の報告を受けることも考えられる。
 ただし、報告時間はできるだけ絞って所員間の意見交換(対話)の時間を十分に確保する。

 このように考えるに至ったきっかけは二つ。
 一つ目は、先にも記載した当自治体の公立高校等の探究学習を支援している一般社団法人の代表理事との出会いがあったこと。
 令和5年11月下旬の新聞に掲載された記事に感心をもち、代表理事と個人的に二度(1月27日:オンラインと3月1日:対面)意見交換する機会を設定した。支援者が感じた高校に実情(総合的な探究の時間主任はどこも熱く、全校体制で取り組んでいる学校もあるが、教員の理解が得られず孤軍奮闘の学校もある)を聞き、学校の状況改善に教員研修施設としての役割を果たす必要があると感じた。
 二つ目は、2月29日に独立行政法人教職員支援機構(NITS)のマネジメント力育成プログラム研修に傍聴参加したこと。
 その研修で、参加者の発言(「学習者を主語にするとは」について所属所内で議論した)や傍聴参加者へのイントロダクションスライドにあったNITS職員も「問いをたて、資料の読み込みや対話を重ね、試行錯誤を繰り返している」から、NITSの研究開発事業を受けている当所においても全所員が意見や思いを出し合う機会(対話)が継続的に必要だと感じた。

 そして、私自身が認識している現在の研修の現状は次のとおり。
 上述の一つ目に関して初任者研修教科教育(地理歴史科・公民科)講座から、初任者は例えば地理探究科目において探究(地理総合科目との違い)を意識した授業展開を構想できていない。おそらくこの傾向は同教科だけでも初任者だけでもないと想像される。法人代表理事から聞きとった状況から、校長を含む教員の意識改革(社会の変化を自分ごととして捉える)が急務であり、それこそが教員研修施設の役割だと考える。
 私たちがその役割を果たすためには、まず私たち自身が社会の変化に関する理解状況を問い直す必要がある。ところがNITSの研究開発事業を受託したことで現状認識を問い直す機会があるにもかかわらず、プロジェクトメンバーだけの閉じた議論になっている。というか十分に議論されていない。

 私たちの研修を改善することでどのような効果があるか、二つ考えてみた。
 一つ目は、NITS研究開発事業が全所員の研究になり、担当する講座が探究的にブラッシュアップされるとともに、積極的な試行錯誤が繰り返される(すぐに完璧なものができる訳ないし、社会はどんどん変化していくからエラー&ラーンする)。
 二つ目は、所員間の対話が促進され相互理解や意思疎通が深まるとともに、部間の協働による新たな発想による講座企画等が提案される(当自治体が児童生徒に求めている新たな価値の生み出す力を私たち自身が身に付ける)。

 私たちの業界では、児童生徒の学びと教員の学びは相似形と言われている。教員に学びを提供する私たちの学び(研修)もそれらと相似形であるはず。授業で求められている「個別最適な学び」や「協働的な学び」、「主体的・対話的で深い学び」を私たち自身が実践しなければ。
 ということで、私たちの研修を改善することを提案した。この提案が少しでも実現させられるように、明日からの1週間、集中的に頑張る。

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