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消えた車 ちぎれたハンドル 上半身裸の男女

事故った。違う。事故った夢を見た。

 気がついたら車は姿カタチが残されていなく、ちぎれたハンドルだけを握りしめていた。助手席に女が乗っていたらしく、女も俺も二人とも上半身裸である。さてどうしたものか消えた車。衝突した対象物はなんなのか。。幸いにも無傷である。

 そういえば昨日母親から100枚以上の自分の写真が送られて来ていた。なんとなく死を察していたのかもしれない。だが大丈夫だ。死んでない。無傷だ、その上、上半身裸だ。さてどうするか。

 女はなぜか着替え持っていたのですぐに服を着て、俺は服を持っていなかったが、バスタオルを持っていた?ので(夢なので理由などない、深く突っ込まないでそのまま読み進めてもらいたい)顔から上半身がなるべく隠れるようにタオルをかけた。

 まず服買うために近くの古びたショッピングモールに行った。ちぎれたハンドルはもう持ってなかったから現場に捨ててきたのだろう。モールの入り口で女子高生4人組とすれ違った。「臭い」女子高生の一人が言った。


こちらは上半身が裸なだけだ。問題ない。かつ、バスタオルをかぶっているだけだ(見た目としてはじゅうぶんに問題だ)臭い、とはなんだと思ったが仕方あるまい。ただでさえ裸である。余計な騒ぎを起こしたくない、と自分を落ち着かせた。

 気になるところで目が覚めた。よかった、夢だったのかと思い、そういえば夢ではどうやら黒い車に乗っていたけど、実際に現実で所有している車は白系の車である。もうその時点でまずおかしい。夢あるあるだ、”よくよく考えると設定がおかしすぎるから気づくだろ案件”である。


上半身裸も、運転席の謎の女も、母からの写真も、ちぎれたハンドルも、古びたショッピングモールも、女子高生4人組も、全部夢だ。よくできた夢だなと思い全裸で寝ていた隣の女に「こんな夢があってさ、設定からおかしんだけど気づかなかって、最後高校生に臭いって言われちゃったよ、なんでだろ」などと言いながら話した。女は笑っていた。そこで目が覚めた。

夢から覚めたという夢だった。つまり夢の中で夢を見ていたのである。事故った夢を面白おかしく全裸の女に喋っていたのはそれすらも夢だったのである。そしてこんなことがあるのだろうかと、嬉々として声を上ずらせながら隣で寝ていた、やはり全裸の女に、「さっき事故った話ってした?」と聞くと「寝言ならいってたけど、、」とつぶやく。やはり夢の中で夢を見ていたのである。

そしてはじめから話し始める。事故、ちぎれたハンドル、上半身肌の女と自分、母からの写真も、ちぎれたハンドルも、古びたショッピングモール、女子高生4人組の話、そしてそれからの起きて、その夢を全裸で寝ていた隣の女に話したのも夢だった、という話をした。

 こんなことあるかい。夢がどこまで続いているかわからなくなった。


びっくりはしたけど、リビングの窓から見ると自分の車(白系)は確かに庭にあったし、夢だったんだなと確信した。

そのタイミングで目が覚めた。そして隣で全裸で寝ている女を揺り起こして話だす。さっき夢の話したっけ?


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