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国境の町メーサイ、タチレク

 「国境」を日本人はあまりイメージできないかもしれない。離島に住んでる方は、国境離島新法などで国境を意識する機会があるかもしれないが、大半の日本人にとって、日本にいれば日本だし、外に出ればそこは外国。関門トンネル(人道)内で、福岡県と山口県の境界線をまたいだりなんてことは日本の国境の場合、できなかったりする。

 しかし、世界の大半の国は隣国に陸路で行ける。今回、higumax adventures のモニターツアーを開催したタイ北部も、ミャンマーとラオスと繋がっている。そして、そこは「黄金の三角地帯」ゴールデントライアングル、と言われ、昔は麻薬の密売地帯としても有名だった。
今は比較的安全にサイクリングを楽しめる治安が保たれている。そして、三国が交わるその地域は、魅力が多く、最初のツアーを開催するならここにしようと考えていた。そんなモニターツアーの様子に合わせ、それぞれの国の空気感を書いていこうと思う。

 まずは、タイとミャンマーの国境であるメーサイとタチレク。
タイ側がメーサイでミャンマー側がタチレク。
大きな違いは、タイ側が左側通行なのに対して、ミャンマー側は右側通行。国境は片側一車線の小さな橋で結ばれており、タイ出国手続きをした人間は左側を通り、中間で右側へ、右手にあるミャンマー入国審査を受けてミャンマー側へ。以前は24時間の滞在で、20ドル近く手数料を取られ、パスポートも預けないといけなかったのに、昨年から一年間の特別処置で、日本人と韓国人はVISA無しで30日間滞在、おまけに手数料も無しになった。

 ↑タイ側からミャンマーとの国境の門をバックに、伝統的な日焼け止め「タナカ」を塗って。

ミャンマー側に入国すると、すぐに市場が広がる。アウンサン将軍(アウン=サン=スーチーさんの父)の像や寺院などがあり、タイ側とは雰囲気が違う。一通りサイクリングで案内した後、市場内を見学してもらった。

 市場内の商品を見ている傍、会社帰りで制服のミャンマー人社員と思われる女性2名が、仕事帰りに一杯やっていた。飲んでいたのはベルギー製のビールで、制服姿なのもあり、所得水準が高めなのだろうなと思っていた。

 その日はタイ側のホテルを予約してるので、夕方にはミャンマーを出国、そしてタイに入国した。

 そこで驚いたのは、先ほどのミャンマー人女性(と思われる)がタイ側へ歩いてることだった。
目が合うと、「さっきの日本人ね」的なことをタイ語で言っていた。

 ここからは、自分の憶測だが、彼女らはタイで働く、タイ人女性で、仕事後にミャンマーに入国、そしてお酒を飲んでいたのではないかと考える。
理由は先ほどのベルギービール、ミャンマー側のタチレク市場、DUTY FREEと書いてあった酒屋では20バーツ(70円ぐらい)で買えるが、タイ側だと159バーツ(545円ぐらい)なのだ。日本風に例えると、丸の内で働いた後に安い酒を求め、上野のガード下に行くような感じなのか?私はサラリーマンをしたことがないので、よく分からない。

 国境から徒歩1分のタイ側のホテルにチェックインし、本日のサイクリング終了。国境を眺めながらのビールも美味しい。

おまけ:ここからは、今回の珍道中を。最近のスマホは自分の位置情報で時間も変わる。タイとミャンマーの時差は30分。ホテルも国境沿いなので、人によっては位置情報次第でミャンマー時間のままだったりします。集合は悪気なく、30分ズレます。分刻みの遅刻でピリピリする人は、全員分のアナログ時計を配った方がいいかもね(笑)


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