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第1863回 夏鳥のツバメのこと

①-1.https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/hiroko_furuya/2017/09/18/25811.htmlより引用のツバメ(体長約17㌢)の印象は飛ぶ姿

①-2.https://www.google.co.jp/amp/s/nlab.itmedia.co.jp/nl/amp/1603/13/news027.htmlより引用のツバメの営巣

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   『ツバメ』も色んな種類がいまして、日本にやってくるのは、スズメ目に属するツバメイワツバメコシアカツバメショウドウツバメリュウキュウツバメの五種類で、他にはアマツバメ目に分類されるヒメアマツバメがいます。この頃で紹介させて頂く『ツバメ』は一般的なツバメのことです。①-1.のようにツバメのイメージとする姿はネットの写真はやはりグライダーのような容姿で飛翔する写真のような姿でした。私はその飛翔する姿も魅力ながら、①-2.の写真の様に民家の軒先に営巣して、子育てする姿が印象的な光景です。

②-1.https://www.j-muse.or.jp/rika09/summer/pr04/index.htmlより引用のつがいのツバメ(左がメス、右がオス)

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   ②-1.の写真のように、ツバメは雌雄ともに同じ大きさとなっていますが、オスの尾羽の方がメスよりも長いのがわかります。ツバメにとって紫外線は羽毛からの紫外線反射の強さが雌雄で異なり、②-2.の写真のようにオスの方が頭頂部で10%明るいといいます。ツバメは紫外線を感知できるので、ツバメには色で雌雄が判別できます。背中の金属光沢が輝くのがモテるオスの要素です。

③-1.https://www.google.co.jp/amp/s/sdknz610.exblog.jp/amp/19804598/より引用のツバメの眼と喉

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   ③-1.のツバメの眼は、ツバメという鳥は、空を飛びながら、やはり飛んでいる虫を見つけて、捕獲する大変動体視力の良い生き物です。中心窩(ちゅうしんか)という最も鮮明に見える所が一つの眼に二つ、計四つあり、眼球が奥に長く、両眼視できる範囲が狭いので、視野全体も狭いです。そんな特徴において同じスズメ目よりもタカやハヤブサに近い構造を持ちます。同じく③-1.の写真に見える喉はオスの方がメスより赤いです。喉の赤が大きく濃いオスほど数多く繁殖を行い、多くのヒナを育てます。また下顎の骨は普通の鳥は三角だが、口幅が広くなるよう五角形になっています。 

③-2.https://www.j-muse.or.jp/rika09/summer/pr04/index.htmlより引用のツバメの翼と尾羽

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 ③-2.のツバメの翼は体長約17㌢に対して、翼開長は約32㌢と、高アスペクト比で、翼の割に軽いので、普通の小鳥より60%程少ないエネルギーで飛翔できます。また同じ写真の尾羽は方向舵として働きます。長い尾は急旋回が可能です。扇形の尾羽では空気抵抗が大きすぎますので、表面積の小さい燕尾は空気抵抗を減らすのに最適です。外側尾羽が長いと急旋回に有利です。しかし、外側尾羽が長いほど速度や加速度といった別の飛翔性能が失われます。寄生虫の多いオスは尾羽の成長が悪くて、左右対称になりません。寄生虫が多いとヒナの成長が悪いから、メスは尾羽の長い、左右対称のオスを好みます。②-1.のようにオスのほうが尾羽が約16%長いそうです。羽は大事です。

④-1.https://blog.goo.ne.jp/tek-tek930/e/4903808f10060cd5b12898617a5fbae3より引用のツバメの巣造りの巣材集め

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④-2.https://happy-teacher-singing.com/archives/3053より引用のツバメの巣作り

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④-3.https://life-ikiki.com/14654.htmlより引用のツバメの巣作り

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   ツバメは3~7月にかけて子育てをします。巣作りは雌雄で行いますが、内巣はメスのみが一週間位かけます。また三日位かけて古巣を利用する時もあります。オスは古巣を利用したがりますが、決定権はメスにあります。④-1.のように雌雄は泥とワラを交互に口に咥えて運びます。④-2.のように営巣の際に唾腺から膠着物質を分泌し、④-3.のように産卵の二日前に羽根を巣に入れます。最終段階で、お椀型の巣を作ります。日本のツバメは抱卵時間の6%はオスが抱卵します。低密度で繁殖しますので、婚外子が3%と少ないです。羽色が鮮やかなのは栄養状態がよい健康的な身体です。メスの浮気が少なく、省エネで交尾の回数も少ないです。抱卵により、尾羽が折れたり、擦り切れたりするので、尾羽の長さより、喉の赤の濃さや太っているかどうかが重要となってきます。喉の赤い部分は欧州のオスツバメの二倍以上の面積です。尾羽の白斑が大きいオス程もてるようです。

⑤https://blog.goo.ne.jp/hasegoo555/e/c9721fffbb2bc1a11aa9c03a24a26207より引用の赤い顔の模様が広い程もてるオスのツバメ

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   ツバメが故郷に帰ってくる一番乗りはオスです。それも前年に子育てを終えたオスが営巣した地に戻って来て、前年のつがい相手のメスを待つようです。もし戻ればつがい再開で、戻らないならまた新たなつがい相手を見つけます。オスがもてるのは⑤の写真のように顔の赤い模様の面積が広い個体だそうです。子育てのつがいは仲睦まじくみえ、雌雄揃って郁雛しますが、それは実はつがい相手のメスを他のオスに気が向かないように、メスが交尾を受け入れて卵を産むことができる期間、オスはメスに付きまとうみたいです。それが私たちにはそう見えるという事です。そのメスの浮気はDNAを調べると、ヒナの15%がその巣のオスとは違うという、浮気の事実があるそうです。

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