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MGC、男子のガチ勝負がすごかった!

午前中、テレビの前に陣取り、TBSとNHKでザッピングを繰り返しながら、MGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ)を観戦していた。

「MGC」ってひとことで言ってしまうと、来年の東京オリンピックの内定者2名を「一発勝負※」で決める大会のことだ。コースも、出発とゴール地点が違うだけで、東京オリンピックとほぼ同じ。これだけの内容なら、話題性だけとっても見ないわけにはいかないと思う。
※一発勝負と書きましたが、選考を重ねての一発勝負とのことです。詳しくはネットで調べてみてください。。

…と、あたかもプロっぽく書いてしまった。が、わたしはマラソンのことはまったく詳しくなく、箱根駅伝を楽しみに観ている程度だけど、ボディワーカー森拓郎さんのVoicyでMGCを知り、今日を楽しみにしていたのだ。

男子30名。序盤から設楽悠太選手の、圧倒的な独走。
もしかして、まさかの、このままぶっちぎり…?と思えるくらい、2位グループを大きく引き離して、調子よく淡々と走る。
序盤は大きく時間差をつけていたが、2位集団は辛抱強く、じりじりと時間差を縮めていく。

22キロあたりの折り返し地点。
8名前後いた選手たちの多くが右前方に視線を移す。折り返した設楽選手を対向車線から鋭い視線で追い、距離の差や1位走者の状態をはかるその姿は、獲物(ターゲット)をとらえた豹のようだった。
どのくらいの走り?力はどれだけ残ってそう?どのあたりで捕まえる?いつ仕掛ける?どこで追い抜く?
周りのランナーの様子もうかがいながら、そんなことを瞬時に計算していたのだろうと思う。
あの場面は、今大会のひとつめの山場だったと思う。

後半、ペースが明らかに落ちた設楽選手が捕まる。みるみる距離が縮まり、あっという間に2位集団に吸い込まれる。引き離される。本当に短い時間での出来事だった。(実際の時間はわからないが、あっという間に感じた)
気づくとテレビカメラが写せないくらい、設楽選手ははるか後方にいた。
マラソンのすごくてこわいところだ。

その後は数名の選手のデッドヒート。抜きつ抜かれつ、入れ替わりがめまぐるしい。しかも後半から終盤にかけては急な坂の連続だ。
テレビの画面からも傾斜の様子がわかり、こんな坂を、あの暑さのなかで走ってるんだ…と、自分も胸が苦しくなるような映像だった。
しかもテレビ画面で見た感じだと、行きはビルが太陽の光をさえぎり比較的日陰が多いように見えたが、折り返し後は逆。曇らなければ、直射日光を体中にもろに浴びながら走ることになる。

終盤、中村匠吾選手が飛び出した。負けじと服部勇馬選手と大迫傑選手が追いかける。中村選手が少し前を行き、服部選手と大迫選手の抜きあい。
意地とプライドのガチンコ勝負に、胸の鼓動が高まった。思わず「がんばれ!」と大声で叫んだ。
最終近く、服部選手が大迫選手を抜く。歯をくいしばって懸命に追いかける大迫選手。服部選手は抜かせない。必死で逃げる。2位ゴール、大迫選手は数秒差で3位。設楽選手は14位だった。

上位2名内定。3人目の決定は、規定の残り3大会(MGCファイナルチャレンジ)の結果次第。
ファイナルチャレンジでは、日本最速タイムより1秒早い、2時間5分49秒を出さないと3人目に選ばれない。その3大会は今より涼しい(寒い)季節に開催されるそうだから、タイムもいいのかもしれないが、日本記録より早く走ることが要求されるので、その壁は相当厚いと思う。

MGCでは、記録ではなく、とにかく2位以内だったらいいわけで、スローペースなレース展開も予想されていたらしい。でもふたを開けてみたら、設楽選手の、そんな周りのぬるい予想をくつがえす、大胆で挑戦的な走り。その勇気や戦略はすごい!と思った。残りの試合の健闘、応援したいと思います。
終盤は、1位の中村選手から少しだけ離れて、大迫・服部選手の内定残り1枠を賭けた勝負だった。もちろんそれも頭にあったはずだと思うけど、純粋に「勝ちたい!負けない!」という競技者の気迫が伝わってきて、算段や計算なんか吹っ飛ぶ迫力だった。

解説も良かった。高橋尚子さんの、低めの落ち着いた声。選手の走りのフォームや表情から、コンディションや心の中まで、見事に解説してくれた。おかげさまで、2時間少々、まったく飽きることなくドキドキしながら観戦できた。(正直なことを書くと、NHKの解説より断然良かった。女子の解説は…真剣勝負しているんだから笑い声はやめてほしかったなぁ…)

最後の1名を決める「MGCファイナルチャレンジ」、次の男子の大会は12月の福岡国際マラソンだそうだ。
どうか、怪我や故障なく、悔いのない戦いをしてほしいと思う。

※上記記載の実況部分は、私が見た時の印象が含まれているので正確でない場合があります。どうぞご了承ください。。

追伸:ひとつ気になったのが、2位集団のほとんどの走者がショッキングピンクの同じようなシューズを履いていたこと。あれは、もしかして、森さんも持っていると言っていたナイキのヴェイパーフライ?

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