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求人応募受付の仕事で思う事。

私は、会社の総務部門で、求人応募者の受付をしている。
応募者からメールでご連絡いただいたら、書類選考のご案内、面接のご案内、といった風に、会社の採用担当者と求人応募者の間に立って、さまざまなメールをする係だ。

たとえば、「未経験者ですが大丈夫ですか?」といった問い合わせには
「当社(弊社ではなく、当社と書くように指示があった)では・・丁寧に指導いたします。」とか、
「パート希望ですが、仕事はどんな内容ですか?」には、「xxxの業務などに従事していただいております。つきましては一度会社をご見学になりませんか?」など、多種多様な問い合わせに返信する。
ひとつひとつ、新しい問い合わせが増えるたびに、作ったすべての文面をテンプレート化して、次、似た問い合わせが来た時に使えるようにしている。
テンプレートはかなりの数になる。

問い合わせのステップを踏むことなく、いきなり「面接希望です。」とご連絡される方も比較的多い。
会社ではいきなり面接はしない方針なので、そういった方には「書類選考のご案内」を差し上げる。応募書類の持参・郵送不可、選考用ファイルをメール添付、がルールだ。
ここで、半分以上の方は、その後のご連絡が途絶える。

メール添付のハードルを越えて、書類選考へ。
書類選考で不採用、という方は少ないが、やはり時にはある。
その場合は、丁重にお見送りのメールを差し上げる。
無事、面接に進んでも、同様。大半の方が不採用となるので、私はやはり丁重にお見送りのメールをその方に差し上げる。

応募者対応の業務が始まった頃、会社の受付窓口担当者がたまたま離席していて、代わりに面接に来られた方の応対をしたことがあった。
その後、その方は不採用になってしまったのだが、緊張し、幾分恐縮していたその方と窓口で顔を合わせ、互いに笑顔で挨拶をしたために、不採用のメールを出すのが辛かった。
初めて出すことになった、その方へのお見送りメールには「申し訳ございません」と記した。本当に申し訳ない気持ちだったからだ。
が、上司から「採用する側と応募する側は対等だから、謝る必要はない」と言われ、次から「申し訳ございません」は文面から外すようになった。
その代わり、次からは、面接の方が来られても、絶対に顔を合わせないようにした。

応募される方の、メールの冒頭はだいたい「採用ご担当者様」だ。
その内容を採用担当者ではない私が読むのだが、なかにはものすごく真心がこもった文面を書かれる方がいる。
文章としても上手だし、なにより応募の熱量がすごい。
お金の面で、というのはもちろんあるのだろうけど、心から「働きたい」「働くのがすき」「役に立ちたい」という想いが、行間からひしひしと伝わってくる。
そういうメールをいただいた時は、採用担当者への連絡に、その文面を抜粋して掲載し、(こんなにきちんとした方ですよ)と地味なアピールをしてみる。
そして(採用されますように・・・)とひそかに願う。
が、その願いが叶ったことはない。

なぜか?
選考の事情を私が知ることはないので憶測になるが、多分、年齢によるところが大きいのだろうと思う。
「働くのがすき」「役に立ちたい」としっかり書かれる方は、50代以上の方に比較的多い。そして、非常に残念なのだけれど、今、会社で求めている人材と、マッチしないのだ・・・。

そういう私がまさに50代で、だから、求人対応をしていて他人ごとではないし、世知辛い思いに駆られることもしばしばだ。
今、一年でもっとも求人が動く時だと思うけど、「いっこだめでも落ち込まないで」と言いたい。
ずっと求人受付をしていて思うのだけど、それは、本当に「たまたま」なのだ。私の会社とは、たまたまマッチしなかっただけで、その方が活躍される場所は「きっとある」。そう思う。

私は、採用担当から言われた内容をメールで連絡するだけの者だけど、応募される方にこっそりエールを送っている。
「〇〇 様の今後のより一層のご活躍を心よりお祈り申し上げます。」と、本当に思っている。
新しい場所を探している方、ご自身が「咲ける場所」を見つけられることを、心から願っています。

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