【小説】宛先不明の愛「第五話」
雪が止まない。真っ白な花びらみたいだ。わたしは、部屋の中で、明かりもつけずに机に突っ伏していた。机の上には、造花の百合と、落ち葉と、彼からの手紙だ。気分が悪い。胃の中が洗濯機みたいにぐるぐるしている。
手紙は、カッターナイフみたいな言葉で埋め尽くされていた。この刃の先が、わたしだったり、彼自身だったりして、血だらけになっている。手紙の中の彼は、混乱していた。当たり前だ。自分の彼女だと思っていたのに、赤の他人が受け取っていたのだ。それどころか、返信まで書いている。手紙には