見出し画像

三角形の面積の公式を証明してみよう

今週末は共通テスト!
受験生のみなさんに置かれましてはおそらくこんなところまできてこんな記事などをご覧になってはいないでしょうが、それでも受験生を応援したい気持ちがあるのです。

昨今の共通テストでは「思考力重視」といった風潮が見られます。
知識偏重の覚える勉強から思考力重視の考える勉強へ。
(その結果処理能力重視の問題が生まれてしまったことへの批判は、ここではおいておきましょう。言いたいことは山ほどあるけどな)

例えば数学では定義や定理を問い直すような問題が増えてきたような気がします。
丸暗記で覚えた公式、さてその公式はどうして成り立つのだったか。
一度原点に立ち返って考えることが求められているのです。

というわけで三角形の面積を求める公式とその証明をおさらいしておきましょう。

1 小学生編

最初に習う三角形の面積の公式と言えば
底辺×高さ÷2
でしょう。

この公式はなぜ成り立つのか。
以前こちらの記事で解説しましたのでどうぞ。

ザックリというならば、「三角形を二つ組み合わせると平行四辺形になる」といったことを用いて証明するというものでした。

2 三角比を用いた方法

三角比を用いる
S=1/2bcsin∠
という式がございます。

さて、この公式はなぜ成り立つのでしょうか。
丸暗記してしまった人や、証明の手順を忘れてしまった人もいるかもしれません。ここでちょっと頭を使ってみるのも良いと思いますよ。

では、証明です。
そもそもですが三角比とは「直角三角形において一つの鋭角の値によって三辺の長さの比が決定する」というものです。

「受験のミカタ」より引用

さて下図をご覧ください。

「マストラ」より引用

この図において、三角形の面積を小学校で習った公式で解くとすれば
S=c×CH÷2 ……①
となるはずです。(Sは面積です。)
さて、CHについてですが、三角形ACHは直角三角形なので三角比が成り立ちます。
sinA=CH/b
となるので、これを式変形すると
CH=b・sin∠A ……②
が得られます。
②を①に代入すると
S=cbsina÷2
となり、÷を×に直したり順番を整理したりすると
S=1/2bcsin∠A
望む式が得られました。

3 内接円の半径を用いた方法

三角形に内接する円の半径を用いて
S=1/2r(a+b+c)
という公式もあります。

Yahoo知恵袋より引用

これも意外と簡単です。
三角形に内接する円の中心から三角形の各辺に垂線を下ろしますとそれらは円の半径rと等しい長さになります。
ここで三角形を三つに分割します。内接円の中心をOとしましょう。
すると
⊿ABC=⊿OAB+⊿OBC+⊿OCA
になります。
これらの三角形の高さはどれもrです。
⊿OABの面積は1/2ar
⊿OBCの面積は1/2br
⊿OCAの面積は1/2cr
これらをまとめてくくりだすと
S=1/2r(a+b+c)
という望む式が得られました。

他にもいろいろ

三角形の面積ひとつとってもいろいろな公式や定理があります。
他にもヘロンの公式やベクトルを用いるものなど、思った以上に数があります。
それだけ証明問題は考えることの宝庫なのかもしれません。
今一度定義や公式の理由を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。
受験生の皆様や、学びたいと思う人々を応援しています。

この記事が参加している募集

数学がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?