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選んだその先に

選択とは不思議なものだ。

ひとつの選択がまったく未知のモノを見せてくれることがある。ひとつの選択がのちの選択に大きく関わることがある。また、合理的にたどり着いた選択肢がその場の思い付きで覆されることもある。

と、北小金でカツサンドを食べながら、そう思った。

しかし、本来なら、今回はカツはカツでもトンカツのはず・・・だった。時を戻そう。

遡ること2週間ほど前。都内にあるトンカツ・カツ丼を提供してくれるお店をリストアップした。が、しかし、どれも美味しそうではあるのだけど、決め手がなく、なかなか結論がでなかった。

どうしようかと、友だちとすっかり冷えた夕方の道を歩いていたときに、ふと友の口から漏れた「カツサンド」という言葉。

それだ!腑に落ちるとはこのことか。そこからは話は早く、すぐにお店は決まった。


北小金に行くのは2か月ぶり。1回しか行ったことはないが、帰ってきた感がある。まさかこんな短期間で2度も訪れるとは。

改札を抜け、「zopf(ツオップ)」というパン屋さんに向かう。駅からは徒歩で25分くらい。歩けば、おなかも空く。

1階はパン屋で、店の横にある急な階段を上ると、2階はカフェになっている(要予約)。店内は、薄暗くまるで隠れ家のよう。

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頼んだのはもちろんカツサンド。

注文してから揚げるらしく少々時間はかかる。しかし、この待つ時間もワクワクがあれば短く感じる。

現代に慣れ切った身体だと、注文してすぐというのを求めがちだけど、本来、料理というのは時間がかかるものだ。

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来ました、カツサンド。

分厚い。カリカリに焼かれたパンと肉厚なカツを口に運べば、自然とほほが緩む。マスタードもいいアクセントになっていて、十二分なボリューム。

久しぶりにお腹がパンパンになる感覚を味わいながら、完食(一切れは友だちに食べてもらいました)。

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それにしても、ひとつの選択で「1日」というのはまるで変わる。北小金にトンカツサンドを食べに行こうと決めていなかったら、この日はまったく違った「1日」になっていたのだ。

トンカツサンドの分厚さに驚くことも、北小金の知らない通りを歩くことも、すこし肌寒いけどあたたかな陽射しを感じることも、どれもなかったのだ。

ふと、トンカツ食べたいなと思ってから、いくつもの選択肢に迷いながら、ひとつのお店にたどり着く。これって奇跡のようなものだなぁと。

そしてこの選択がまたちがった分岐を生みだす。なにかを選択することはまたあらたな可能性を増やすことだ。

この北小金の1日を経験した上での「次なる選択」は、普段の1日を過ごした場合とはまるで違うものになるはず。カツサンドを食べた経験が、次なる「選択」に影響を及ぼす・・・なんてことを思いました。

それにしても、カツサンド、分厚かったな。




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