わからないは可能性
和食を求めて、高円寺にやってきた。
相も変わらず、この街へ来るとキョロキョロしてしまう。コピーされたような街並みではなく、ここにしかない街並みがそこにはあるからだ。
目的の「西京漬け 魚き食堂」は、新高円寺駅から徒歩3分。青梅街道沿いにある。
お昼どきではあったが、運よく空いていた。ランチは「ひらす西京漬け」、「銀しゃけ西京漬け」、「銀じゃけ昆布醤油漬け」、あと「三点盛り定食」があった。ぼくは、銀しゃけ西京漬けを頼む。
カウンターから見えるグリルには魚の切り身が並べられ、両面をじっくり焼かれている。お弁当もやっているらしく、何人か注文していく。比較的あたたかな天候もあいまって、おだやかな昼の時間が流れる。そうこうしているうちに、到着。
THE和食といういで立ち。シンプルだけど、いいなぁ。日本人の血が騒ぐ。西京漬け、いつぶりかわからないくらいに食べたけど、身が柔らかくて、ほのかなみその香りもとてもいい。
小鉢のトマトとツナと水菜?の和え物も、なめこの味噌汁も、漬物も卵焼きもぜんぶおいしくて、なんだかほっとした。
好き嫌いが激しかった10代の頃だったら、しゃけとご飯と卵焼き以外はすべて残していただろうに、人間は成長するものですね。漬物を食べておいしいと感じた自分にびっくりする。そんな感慨に浸りながらも、完食。
高円寺駅の方へと向かう。
高円寺の駅前にある本屋「文禄堂」
大きくはないけど、選書のセンスや空間の作り方、本の並べ方・・・。とても好みの本屋だった。高円寺に来た際はかならず寄りたい場所。
駅の北口にある純情通り商店街進むと、2年前くらいに来た「てんてこ」といううどん屋がたこ焼き屋になっていた。なくなったのかと思って、家に帰って調べたら「東奔西走/トーホーセーソー」と名前を変え、南阿佐ヶ谷に移転していた。一安心。
いまの御時世、いつか行きたいと思っていたお店が急になくなることがある。応援の意味を込めて、自分ができる範囲で、お金を落としていきたいものだ。
商店街の終わりにある「古書サンカクヤマ」にて本を物色。ここは本だけでなく、キャラクターものの雑貨も充実していた。雑貨屋や置物の買い取りもしているらしく、おじさんがオカピの人形を売りに来ていた。
高円寺駅に戻り、「Yonchome Cafe」にて休憩。アールグレイをいただく。
おいしかった。話しやすいお店。
まだまだこの街には知らないところがある。数回来ただけではわからない、懐の深さがある。そんな可能性を感じながら帰る帰り道は、なんだか心が軽かった。わからないは可能性だ。
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