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読書記録

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2018年10月の記事一覧

稲垣えみ子さんの本から

昨日に引き続き、稲垣えみ子さんの『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』のなかから、特に自分の心に響いた部分について書きたいと思う。 稲垣さんは『毎日が投票日かもしれない』(2015年1月3日)というコラムの中で、このように書いている。 ~「選挙=民主主義」だとすれば、我々が力を行使できるのはせいぜい数年に一度です。主権者とおだてられながら、なんと空しい存在でしょう。 そんなある日、近所のおしゃれな雑貨店でこんな貼り紙を見たのです。 「お買い

稲垣えみ子著『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』

稲垣えみ子さんと言えば、最近はその節電生活などで有名だけれど、朝日新聞記者だった頃のコラムや、フリーのジャーナリストになってからの記事などを改めて読むと、やはり圧倒される。 ジャーナリストとして「伝えたい」という強い気持ちと、難しいこともシンプルに分かりやすく、かつ強く興味が惹かれるように描かれる言葉には溜息が出る。 昨日自分が書いた「書く意味」という文章を思い出すと死にたくなる。(すぐ回復するけど。) 我が家はずっと朝日新聞をとっているので、当時は稲垣さんの社説やコラ

箕輪厚介著『死ぬこと以外かすり傷』

この本の感想を一言で言うと、好きでやっている人には絶対に叶わないということだ。 尋常じゃない好きという気持ちだけで突っ走っている人が、更に走りやすくなれるツールとしての本だとも思う。 でも、そこまで狂人的・圧倒的なレベルの「好き」ではなくても、「好き」をどうにかしたいなあと思っている人に役立つ部分も大いにあると思う。 たとえば編集者になりたいのであれば、「今やる」しかない。編集者なんて資格も何もないのだから、今すぐホリエモンにツイッターで「今までの名言をまとめて電子書籍

魚乃目三太 著『戦争めし』

面白くない料理漫画って読んだことがない気がする。 美味しい食べ物は誰だって好きだ。その美味しい食べ物を、実物でもない写真でもない”漫画”という手段で伝えたいと思う人の凄まじいエネルギーは、だからほぼ100%の人に対して直球で届く。 むしろ、写真よりもずっとリアルに味を想像できる。 今の社会に生きて、多少のお金で食べたいものは何でも食べることができる。 より美味しいものを求めて、1度の外食を失敗しないために、誰かが積み上げてきた膨大なデータの中から、いつだって自由に好き

ユペチカ著『サトコとナダ』1~3巻

佐々木典士さんのこのツイートを見て、読んでみました。 サウジアラビア出身のナダと、日本出身のサトコが、アメリカでルームシェアをしながら大学に通うという話なのですが、自分のイスラム教徒に対する偏った見方がたくさん打ち砕かれました! ムスリム(イスラム教徒)の女性はムスリマと言うのですが、最近は東京に行くと、ヒジャブ(ムスリマの最も一般的なかぶりもの)を巻いている女性ってよく見かけるようになりましたね。 色もデザインも巻き方もいろいろあるということで、ちょっと検索してみたら