第6章 たましいの共鳴✴︎物語 『トキのフィルム』
6.
ショートカットの毛先を パチパチと切っていく
目にかかる 髪の毛と 窓から漏れる光
少しあいた口が綺麗
毒が溢れ出す
昨日食べたプリンのことを思い出して
痛い言葉は甘いカラメルの味になる
だから大丈夫 ぼくはこの子が好きだ
頭の体操をしよう ちゃんと考えれば
ぼくときみは幸せでいられる
人生なんて大きなことを言う気は無いんだけど
今 この時 きみはぼくのすべて
消えてしまうなんて 想像できないよ
明日にはいなくなるなんてさ
小さかったきみはすっかり大人になって
美しく