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【2022年頭】今オススメしたい書籍10選

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

前回は年の瀬に【2021年版】今オススメしたい漫画9選と題して9つの漫画を紹介させていただきましたが、今回は書籍を紹介していきたいと思います。

大体年間50冊程度を読んでおり、今回はその中から10冊をご紹介します。2021年はビジネス書を読むことが多かったので、ご紹介する本の殆どがそういった類になりましたが、「次点」の所にはビジネス書以外も紹介しておりますので、是非最後までご覧ください。

1.NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX

2021年頭にこの本を読んだことが、昨年一年間の私の行動を決定づけたかもしれません。

当時は、12年間勤めた「大企業」に多様な「違和感」を感じながらも、出向先の企業価値向上に全力を尽くしていた時期でした。しかしこの本には、その「違和感」に対する処方箋が列挙されていました。そして、NETFLIXはそれをやり切っていることも大きく私の心を揺さぶってくれました。。

例えば、タイトルにもなっている「ルール・規則」。私は常々

「水も漏らさぬ様に作られた、綿密かつ大量の細則に沿わない行動を取ると怒られる。だから全部頭に入れないといけない。そんなことに頭の容量・時間・エネルギーを使ってたらいつ営業するんだよ。そもそも例外なんて幾らでもあるでしょ。社員を信頼してよ。」

と思っていました。私は比較的自由に行動していた方だと思いますが、それでも都度足を引っ張られる「不要にしか思えないルール」「社員を信じてないとしか思えない規則」に嫌気が差していました。

しかし、NETFLIXでの合言葉は「社員を大人として扱え」。その通り!!と膝を叩きました。そして最も大事にされている言葉の一つである「Freedom & Responsibility」にも強く感銘し、それ以来私も「自分の人生におけるF&Rの担保」をテーマにしています。

そして、2021年の「企業文化改革」に向けた私の長い旅路が始まりました。
大企業在勤の方には、全員読んで貰いたい一冊です。

2.学問のすすめ 現代語訳

「大企業への処方箋」という意味でもう一冊。今度は古典とまでは行きませんが、名著「学問のすすめ」です。こちらは福澤諭吉先生の同書を齋藤孝氏が現代語訳してくださった現代語訳版です。

本書については私の note(リンク埋込)で詳述しているのでそちらに譲りますが、「個人の独立があって初めて国家(組織)が独立する」「法は絶対に守れ。だからこそ、簡単なものにしろ」、、、現代社会に通じる金言が溢れています。

「次点」に記載した「失敗の本質」もそうですが、今もなお読み継がれている本には、現代とのアナロジーが大量に記されています。古典・名著も継続的に読んでいくことの必要性を強く感じさせられた一冊です。

齋藤氏によってかなり読みやすくなってますので、未読の方は是非。

3.三位一体の経営

この13年間で経営指南書は相応に読んできたので、「これ以上頭でっかちになってもしょうがない。あとは実践あるのみ」と思って、そういった書籍とは少し距離を置いていました。今ウクライナでは一応経営に携わっていることもあり。

しかし、本書を後輩から薦められて読んでみたところ、著者である中神氏の独特な経営原則、そして「コーポレートガバナンス」への独自の見解が述べられていて、非常に面白い。

そこに記されていた「Board 3.0」は総合商社による投資とかなり親和性が高いと判断し、早速社内での啓蒙活動を行いました。そして、私の次の案件で是非実現させたいと思っています(今の案件は、来週で任期満了のため)。

「経営者目線での経営」ではなく、「投資家目線での経営」に重点置いた本書、大企業でM&Aに携わる方にこそオススメの一冊です。

4.社員の力で最高のチームをつくる――1分間エンパワーメント

NO RULESを読むも、こんな疑問が頭をもたげました。

「ルール無く、社員全員がビジョンに沿って独自に判断し、独自に成果を残してくれたらそりゃ理想だけど、そうなるのって難しくない?」

何かピースが抜けているような印象を受けました。そんな中で出会った言葉が「エンパワーメント」。色々な定義がありますが、「組織を構成する一人ひとりが力をつけ、自らの意思決定により自発的に行動を起こしていこうとする状態」を指すもので、まさにNETFLIXを始めとした「爆速で成長している企業」の多くが実現しています。

この書籍は「そうでない組織がエンパワーメントを高めるのは一朝一夕では不可能である」ことを繰り返し述べ、それを実現するための「3つの鍵」を紹介してくれます。

その鍵が情報開示や権限委譲、そしてルール撤廃。つまり、NO RULESは結果ではなく過程だったのです(そしてその継続)。

本書は星野リゾート代表星野佳路氏が徹底的に実践したことでも知られております。星野リゾート関連で私が好きな書籍も合わせてリンクを貼っておきます。

5.世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

「思考法」という点で私の違和感を解消してくれたのが、本書。会社においてもあたかも「正解がある」かの様な指導をされ、実際の社内の議論や審査、検討も全て「どこかにある答え」を探しているように感じてきた13年。

私もそれにだいぶ染まっていたが、本書はその思考法を「サイエンス思考」と表現し、過度なサイエンス思考に陥っていることこそが、日本企業の競争力を削いでいると喝破します。もう納得感しかありません。

恐らく私が人生で読んできた中で、最もマーカーを引いた書籍でしょう。非常に理路整然と、多くの我々の思考を否定してくれます。2018年の書籍ですが、今からでも読んでいただきたいです。

6.独学の技法

山口周氏からもう一冊。私は学生の頃から、自分の興味のない授業は全部寝てしまうタイプで、正直「講義スタイルの授業」の必要性にずっと疑問を持っていました。

「好きなことは自分で勝手に勉強するし、分からないことがある時だけ質問させてくれればいいのに」、そう思っていました。そして、そんな考えを全肯定してくれた書籍がこちら。

「独学でいいじゃん」とはいえ、闇雲に独学しても何も得られません。それなら体系化された人の話を聞いた方がマシです。本書は「現代社会人が行うべき独学のやり方」について山口氏の考えを教えてくれるものであり、私は大いに取り入れました。

まだまだ100%には程遠いですが、これを始めたことで「知識と知識が繋がっていく感覚」を得れる頻度が高まったように思います。

7.マーケターのように生きろ

私は2014年に森岡毅さんの本を読んで「このマーケティングの発想はセルフプロデュースに使える」と確信し、それ以来セルフマーケティングを続けてきました。そしてやってきたことが「間違いじゃなかった」と確信させてくれたのが本書でした。

「自分という商品を生涯掛けて作り上げる」、「自分の価値は自分が決めるものではなく他人が認めるもの、ということを忘れがち」、などマーケティングの視点を生き方に転用したもので、個の重要性が高まり続けている現代において非常に重要な考え方だと思います。

また、「一貫性を持たせてブランディングする」という本書の記載は「自分をプロデュースするつもりで独学するテーマを決める」という「独学の技法」の表現に非常に通じるものがあります。

つまり、学ぶにもプロデュースするにも「自分」が無ければ前に進まない、ということだと理解しました。

8.妄想する頭 思考する手

著者である暦本さんは、ピンチングの元となる技術を発明された方。

「イノベーションやアイデアの創出」をテーマにした本はたくさんありますが、史上最もしっくり来た本でした。

特に「ブレスト」というものに強い違和感を感じていた私、そして「みんなが自由にプレゼンし合う時間」をやりたかった私にとり、本書第三章は叩きすぎて膝が腫れるほど完璧な章でした。

そして本書で出てくる、「キョトンを大事に。選択と集中で未来が拓けると思っている人は、未来が予測可能であると驕っているだけ」という表現は、上で紹介した「美意識」でもほぼ全く同じものが出てきます。

連続的に書籍を読んでいると、定期的に結節点が生まれ、繋がっていく感じが好きです。

9.たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

「N1」つまり「顧客一人」の声を大事にしろというのはここ数年で聞く所でしたが、本書でその意味、そして重要性を芯から理解することができました。

🇧🇷・🇺🇦で見様見真似で顧客分析をやってきた中で感じていた疑問などが、こちらの書籍で氷解。これまで見てきた顧客アンケートに「絶対これ意味ない」と直感した理由を言語化することができました。

そしてこの手法、マーケティング以外にも転用可能であり、今年から本格的に携わる人事分野に早速使っていこうと思います。「本書✖️戦略人事」のnote、来週公開予定です。

2019年発行の本であり、ベンチャーやマーケ界隈では既に有名な書籍との由。実例も豊富に含まれており、強くお勧めします。

10.最強の成功哲学書 世界史

私は一度も世界史の授業を受けずに社会人になってしまったこともあり、そういった基本知識が一切ありません。案件担当となった地域の歴史は勉強しますが、極めて断片的ですし、急場凌ぎなので血肉にもなっていません。

そういった中、過去いくつか手に取った「世界史学び直し系」の書籍で最も良かったのがこの本。「偉人」という観点で世界史を紹介したものですが、一人当たり15-25ページ程度なので当然浅いは浅いです。

ですが、①各人の象徴的なエピソード、②関連知識、③現代に繋がる学び、がギュッと凝縮されており、世界史嫌いにはちょうどいい分量と濃さです。

短編小説みたいなものなので、隙間時間の読書にも向いてます。

おわりに

私は出来る限り「周囲の人のお勧めの本を読む」ようにしています。というのも、ついつい自分で選ぶと自分の嗜好によってしまうためです。もちろん、「独学の技法」の言う通り、テーマを持って本を読んでいくことは大事だと思うのですが、それと共にセレンディピティも大事にしていきたいと思っています。

ですので、本noteを開いてくださった皆様からのご紹介も心よりお待ち申し上げております。そして、今回の中に「面白そう」とポチってもらえたものがあれば、そんなに嬉しいことはありません。それでは、また来週お会いしましょう。

次点

ここには紹介しませんでしたが、「2021年に読んだ訳じゃない」「上記のどれかと内容が類似している」「11位だった」といった理由で紹介出来なかったけれど、オススメの本を列挙します。リンクは埋め込んでありますので、タイトルで興味を持っていただいた方は是非飛んでみてください。

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書(山崎圭一)
リーダーシップの名著を読む(日本経済新聞社)
最軽量のマネジメント(サイボウズ・山田理)
失敗の本質 日本軍の組織論的研究(戸部良一、他5名)
HELLO, Design 日本人とデザイン(石川俊祐)
RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる(デイビッド・エプスタイン)
Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR(ジョン・ドーア、ラリーペイジ)
失敗を語ろう(マネーフォワード・辻庸介)
感動経営(JR九州・唐池恒三)
How Google Works(エリック・シュミット)
デジタル化する新興国(伊藤亜聖)
もし幕末に広報がいたら(鈴木正義)
スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る(遠山正道)
起業のエクイティファイナンス(磯崎哲也)
ミレニアル・スタートアップ(セルソース・褄本理人)
琉球アスティーダの奇跡(琉球アスティーダ・早川周作)
ひゃくはち(早見和真)
働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる(橘玲)
1兆ドルコーチ(エリック・シュミット、他)

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