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展覧会21連発

いや先生終わらないです流石に…溜めすぎましたって…駆け足で行くしかないです…

俵万智展 #たったひとつの「いいね」/角川武蔵野ミュージアム

2021年、自分を変える体験になった展覧会のひとつ。
作品は元から少し知っていたものの、あまりの表現力に圧倒され、短歌という文学の良さに完全に目覚めされられた日になった。
本棚目当てで行って思いがけず観れたという偶然生も手伝ってとても有り難い時間に感じられた。

SICF22/表参道 spiral

同年代の“若手“クリエーターの才覚に当てられて途中から自己肯定感が爆下がりした展覧会。
こういう審査されるものってどういう基準なのか分からないよなあと思いながらも、昨年の優秀作品を見るとやっぱりかなり面白く完成度が高いなとは感じて…悪い意味で引っかかる部分がないかの減点方式で見るしかないんだろうなああいうのは。
高校から友人の平井誠之さんの作品目当てだったのだけれど、工業的なニュアンスで会場も一際目立っていて、ゆらゆら遊ぶ美しい光と泡をいつまで見ていられそうだなと思った。実際には作った本人の解説も隣で聞いたり質問もできて、何たる贅沢!
他にも3Dプリンターのカラフルな花瓶とか、方程式で似顔絵を描く人とか、かと思えば全くテクノロジーとは無縁そうな肌触りのある作品とかーー色々見れて楽しかった。けども。美大の卒展とかじゃなく社会人の人もいるという点に「お前は何をしているんだ」といううちなる視線を感じてかなりヒョエ〜〜となってしまった。

藤戸竹喜/東京ステーションギャラリー

今年の中でもかなり好きだった美術展。周りにも結構推した。
現代作家の知らない作品ーーしかも一生涯が賭された技巧と迫力が凄まじいものーーを見られるという発見の喜びと、それらが自分の中にある何かーーゴールデンカムイで詳しくなったアイヌ文化とかーーとつながる嬉しさ、それらがしっかりあってとても良かった。

箱根・岡田美術館(常設展示)

日本美術、特に陶器や茶器が豊富で、とにかく物凄い物量を誇る美術館だった。横山大観が一番カッコよかったな。

箱根・彫刻の森美術館

すごく教育的に工夫されていて素晴らしかった。拍手。
「よりみち美術館」というクイズで回る小さい館が彫刻作品の自由度をわかりやすく示していて入り口からしてグー。ピカソ館の解説パネルもピンポイントで分かりやすいし、彫刻の制作工程を学べる部屋には井上涼のビデオもあって、手抜き一切無しの教育コンテンツが最高!
庭に点在する屋外作品を巡るのって、やっぱり室内の絵画を見ながら美術館を回るよりも自由というか、自分のペースで、好きにしゃべったり写真を撮ったりして良い空気があって、肩肘張らない鑑賞の形があって良いよねえ。そしてあの密度で著名な彫刻作品が存在することってあんまりないので、エンタメとして成立していてすごい。良かったです。いつまでもアプデを続けてください!

日本の風景/京都近代美術館

こじんまりしていて見やすい館だった。明治初期くらいの日本の風景を色々な切り口で見ていく展覧会。ノスタルジックな風景画とか郷愁だけでない美しさがあって良かった。

モダン建築の京都/京都京セラ美術館

京セラ美術館、改装してかなりモダンなホットスポットとなったような。そしてこれ、建築展として過去1好きだった
京都ってこんな素敵な建物がたくさんあったんだ〜という新鮮な学びと、それぞれの建築に対して付される情報の豊かさが良かった。京都のリッチな個人の邸宅とかもあると、隈研吾展とか安藤忠雄展とかでは観られない人間味溢れる豪奢なエピソードがたくさん味わえるし、図面に限らず家具や建材もあり立体的だったのも良かった。

美の境地/京都・細見美術館

こちらもかなりの和物のコレクションを誇る美術館。閉館ギリギリに駆け込み。
土地柄もあって仏教性の強いものが多く、神々しかった。ひっそりあるしほかに人もいなくてなんだか厳かな空気にビビってしまった部分もあった。良い時間だったな。

刀剣 もののふの心/サントリー美術館

刀ばかりでなく武士の暮らしと人生に寄り添うような多層的な展示。もちろん刀もたっぷり。
刀展の差別化は難しいし、もはや恒例となった刀剣乱舞コラボも安定という感じだけれど、漫画とかでしか見ない刀での戦というものが本当にこの国の歴史には息づいているんだなと、目を閉じて想いを馳せることができる静謐な展示室が好き。

Quizknock 5周年記念展/渋谷HMV

ファンサービスの極み。パネルばかりかと思いきや動画を見ていれば「あ!」となる実物のお宝もたくさん。
クイズとか寄せ書きとかフォトスポットとかしっかり充実していたけど、一番好きだったのは「年表」とそこにポストイットでついている現地限定のメンバーのコメント。仲の良さからくるツッコミが生で感じられて、ニコニコしたファンも多いのでは。やっぱりYouTubeをやろうと提案してしたふくらPってすごい。創設メンバーとしてカリスマ性と行動力を遺憾なく発揮する伊沢さん&アーティスティックな知性でその骨を支える河村神もいるし…表に出るべくして出た激アツの方々なのだなと改めて…
文部科学省と仕事したり教科書作ったりしてください!応援しています!

MAPPA 10周年記念展/渋谷アニメスクエア

最近「このアニメすっごいな」と思うと大体MAPPAなので。10年しかやってないなんて信じられないよ〜!シンプルな展示だったけどグッズのセンスがかなり良くて目を見張った。
展示に行ってから気になって「ユーリ!on ice」と「ゾンビランドサガ」を一気見しました。

和田誠展/オペラシティ

行けて良かった。祖母も行っていたから一緒に行けば良かったとか思ったり。
ほっこりしつつも、膨大な量の創作の塊に気を抜いているとふらふらにさせられる展覧会。高校の時に描いたという教師の似顔絵だけの時間割、新聞の投書で応募したカエルの絵とかで才能の特異さをすごく感じたし、順調すぎるキャリアパスと同年代との切磋琢磨が気持ちよかった。ちっちゃい常設の館作って欲しいなあ。

ゴッホ展/東京都美術館

やっぱりゴッホということで初美術館の人からマニアまでかなり客層が広い。コロナ禍では一番人が入った展覧会になるのかな?
展示はお洒落ではないけど飛び抜けて分かりやすくて、初めて展覧会に来るような人が多い展覧会としてはめちゃくちゃ安心した。はじめに「生前に売れっ子じゃなかったゴッホが有名なのはなぜか。それはゴッホを評価して集めた誰かがいたからだよね」という発起と、「この展覧会ではその人がどうやって作品を集めたていったかと実際の作品が時系列で見れます」というシンプルな道づくり。
一部屋目の収集年表と総額表示も素晴らしい!その後多少、ゴッホじゃない作品のセクションを飛ばす人がいたとしても、何を見れば良いかがはっきりわかっているからつまらなくないだろうなと。
サイバーエージェントが協賛って珍しい。これからはそうした新しいお金の人たちが日本の芸術シーンのスポンサーにどんどんなっていただけると嬉しいですね。

印象派 光の系譜/三菱一号館美術館

三菱一号館にふさわしい上品でクラシカルな素敵展示。イスラエル博物館には旅行で行ける気がしないので結構うれしかった。
自然の風景と眩い太陽光、目を細めると草原を駆け抜ける風を頬に感じるような、どこでもドア的パワーのある絵が多くて良かったな。
あと丸ごと一部屋写真撮影可能になっていて、それも人気の理由かしら。海外の美術館とかの気持ちを思い出して、撮って終わりじゃなくてちゃんと観ようと思いながら回った。

小早川秋聲展/東京ステーションギャラリー

最近実は一号館よりステーションが好きで。見た事ないものを見せてくれる静かな美術館って本当に良い。
小早川展も勉強になったし、独特な空気のある静謐な画風とじっくり対峙できた。特に戦争画のユニークさと無言のパワー。この説得の仕方は、絵画でしかできない体験だなと感じた。

庵野秀明展/国立新美術館

創作への愛に溢れていた。美術館で作者論的な展覧会ができるってすごいよね。
安野モヨコ大好き人間なので似顔絵も共作資料も見れてよかったし、庵野さんがディレクションしたシュガルンのED見て大きな感情になった(隣の女性もなってた)。
正直特撮とか怪獣とかピンとくる方ではないので初めの方は「ほえ〜」という感じも強かったけど、その文脈で創作者として語れる庵野さんってすごいなと感じさせられた。
「アオイホノオ」でも描かれていたけど、圧倒的クリエイターだったんだなあ。人間を深掘りするという意味では少し前のプロフェッショナルの放送の方がその意図が達成されていたような気もする。こちらはあくまで作者論的と言えど作品を見ていく感じだった。健やかにこれからもたくさん作品を作って欲しいです。

吾峠呼世晴展/森アーツセンターギャラリー

よもやよもや!私は猗窩座と無惨様が好きです。
真正面の原画展という感じだけれど、体験物や写真スポットもあり、変なことせずにしっかりやりきりますという気概が感じられた。
この作品はここがいいんだ!というのを重ねていく構成により伝わってくる主催側の熱量がすごい。国民全員が好きな前提くらいの圧があり、「あ、原画展って議論しにくる場所じゃないんだな」とハッとさせられた笑。
客層の幅広さもすごいというか、原画展に生息するオタクとライトなカップルに加え鬼殺隊に人格形成されているキッズもかなりおり、迂闊に二次創作の話とかできない空気。でも人気の規模のお陰でこういう立体的なコンテンツもすぐ楽しめるなんてすごく良いよね!おめでとう鬼滅キッズ!

サンリオ展 日本のカワイイ文化60年史/東京シティビューティー

改めて見るとすごいタイトルだな…サンリオ無くして可愛いはあらずという強い意志を感じますね。
西洋化や高度経済成長など社会的背景と共に勃興期が語られ、そこからどのようにキャラクターたちがこだわりを持って生み出されたのか、いちご新聞などファンとの交流で発展していく様などかなり大人向けの展覧会だった。もはや社会科見学。
でも平成入ったら急に何も考えられなくなるほど全てが懐かしくてちゃんとそういう気持ちも楽しめました。あと金魚絵師の深堀さんの作品が良かったです。

BLEACH EX./ヒカリエホール

この展覧会なのかもはっきりしないかっこよさに振り切ったタイトル、ニマニマしちゃうね。
近年森ビルでやっている造作の凝ったジャンプ系の原画展よりは少し平面的だったけど、原作コンテンツがなかなか供給されずの20周年記念だからなんかもう雨乞いのあとのスコール的なありがたみがありました。
あと映像がかっこいよかった。お洒落イラストと邦ロックとは切り離せないもんねブリーチは。アニメ新制作おめでたい。
こんなところかな。あんまり強い言葉は使わないよ。

ザ・フィンランドデザイン展/Bunkamuraザミュージアム

体系的に歴史と共に北欧のデザイン史を学べてよかった。マリメッコ展とかアルヴァ・アアルト展示とか見ていると「え、めちゃさらっといくじゃん」とも思うけど、変遷とバトンパスがあっての今なんだなあというのがわかって面白い。
ガラスの工芸が実用的なものでなく彫刻作品のように豊かな表現として並んでいたのが個人的には見応えがあった。あとデパートのレストランのテーブルクロスに100本のバラを描くというデザイン、とても画期的ながらおもてなしの心が温かくて好きだった。
世に蔓延る北欧トレンドの一歩先を行って裏話を語りたい女子、行くべしだと思います。

ハリーポッターと魔法の歴史/東京ステーションギャラリー

ロンドンで開催された時から心待ちにしてました!!涙
映画関係なく原作ベースのキュレーションで、大英図書館を中心に世界中から魔法の歴史にまつわる貴重な資料が勢揃い。かなり面白いです。
原作者は物語の緻密に練られた筋を0から作り出したところが天才だけれど、それだけでなく人間の歴史に息づく魔法の痕跡を上手に掬い上げて編み込んでいる技もかなり素晴らしい。
実在する「ドラゴンの血を保存していた瓶」とか「マンドレイクの収穫方法を示した図」とか「賢者の石の作り方」とか「茶葉占いの手引き」とか目にしてしまうとさ…私がファンタジーだと思って没頭を牽制していたものはやっぱり現実と地続きであり、この世界のどこかに魔法があると信じてよかったんだなという気持ちになるのです。
色々スケッチとか原稿もあってファン垂涎ですが、それ以外の魔法ファンタジー系創作クラスタ、古書・貴重書・書誌学クラスタも必見です。

そろそろまとめ方考えないとな〜と思いつつ駄文ばかり生成する私です。
これってインプットに対するアウトプットにはたしてなっているんだろうか…。

おしまい

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