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受心した青年のこころ⑩ 理解者


わたしが『受心』していたのが、夫のアルバイト先である会社のご子息のこころだとわかった。

そんな大変なときに我が家の息子のためにお祝い金を送ってくれていたなんて…。


そしてそこから、わたしの苦悩が始まった。

お祝い金をいただいたから、「ありがとうございます」は、なにもおかしくない。

けれど、「ありがとう」を伝えるだけでわたしは号泣してしまうだろう。

かといって、こんなに気を落とされているときに、眉唾な話をもちこむなんて不謹慎だ。怒らせてしまうかもしれない。


そして、


そして。

こんなふうにも考えてしまった、わたしはゲスだ。


今まで、『受心』を伝えて、繋がってこれた人はいる?と。


ほかにも、色々な人に、思いきって受心したものを伝えて関係性が切れている。


ほんとうに家計を助けてもらっている、やとってもらっている会社と、このことで縁が切れてしまったとしたなら……


ね?ゲスでしょう?


わたしは、

「このことは夫婦のなかだけでのことにする」と言うと、


「言ったところで信じてはもらえないだろうしね」と夫は言った。


そして、


「でもわかるなぁ~、B君なら絶対に"すぐにでも生まれ変わる!"って言いそうな子だよ」


わたしは、その言葉がものすごく嬉しかった。


よき理解者がそばにいる。


しかも、わたしの、いちいちのおかしな言動をちっとも気にせずにやり過ごしてくれる。

神さまはほんとうに申し訳ないくらいわたしに合うひとと出合わせてくれたといつも思っている。

たとえ、めまいで起き上がれなくほふく前進でトイレに向かうわたしを、心配せずに平気でまたぐ夫だとしても笑


おしまい


『受心シリーズ』は、『9月の彼』ほどではありませんが一定数のかたに読んでいただけているようで、ほっとしています。もしかしたら読者のなかには理解してくれているかたもいるのでは…と。
『受心』という自分なりの答えを導きだすまでは、長年なかなか難しいものはありました。それはなぜかというと、『受心した青年のこころ』をふくむエピソード1~4のように、「この受心したこころは、○○のこころなのだ」と、ハッキリと確信できるようなことばかりではないからです。
往々にして受心は『負のこころ』も拾いやすいです。次は『負のこころ』を拾ったエピソードを語りたいと思ってます。…って、そんな話しばかりだとますます読者が離れていきそう苦笑   
でもね、ここがいちばん語りたいことなのですが、ひょっとしたら、わたし以外にも受心者はいて、そういうこたちは理由のない負のキモチに翻弄されて悩んでいるのかもって。「そのマイナスな考えかたはほんとうのあなたのキモチ?」って。わたしみたいな考え方を知ることで、もしかしたら負のスパイラルから抜け出せるひとがいるかも?って思ってる。
辛いよね、どうどうめぐりの負の感情のスパイラルは。そういうものを払拭するには薬を含めいろいろな方法があるけれど、こんな思い込み?で乗り越えた人もいるのだと知ってもらいたいなって、思っています。