震災クロニクル11/16~12/31(54)

冬の到来は突然。
急激に寒くなり、朝焼けの街にはうっすらと霜が毛布のようにかかった。山から吹き下ろす木枯らしは恐らく放射性物質を巻き上げ、せっかくの除染をまた一からに戻してしまう。毎朝、原発と規制がかかった区域へと向かう車の群れはこの街の日常となった。暗いうちから颯爽と作業車両が飛び出していく。

ホテルから、仮宿舎から、旅館から、アパートから。

市のホームページを見ると、住人の数が毎日アップデ

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セキをしても……

おそらく人生で一番と思われる、ひどい風邪をひいてしまている。
1ヶ月以上セキが止まらず、とうとう肋骨付近に痛みが出るようになってしまった。
病院に行き検査をしてもらったところ、「咳喘息」と診断され、肋骨の痛みは肺に水が溜まっているからだそう。

セキがひどすぎて喘息って!
セキをしすぎて肺に水が貯まるって!
そんなことがあるのだなぁ、と変に感心をしてしまう。

もらった薬を飲み、ステロイと吸入をし

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「やってみないとわからないことが多い。だからこそやってみる」その結果・・・

移籍者たちの挑戦」シリーズでは、大企業で働く社員が「レンタル移籍(※1)」を通じてベンチャー企業で学び、奮闘し、そして挑戦した日々の出来事をストーリーでお届けしています。
今回の主人公は、アステラス製薬株式会社から、無人コンビニ「600」を製造・販売しているベンチャー企業、600株式会社に移籍した神田直幸(かんだなおゆき)さん。神田さんは2018年10月から移籍を開始し、6ヶ月間の移籍を終えて、2

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「自分がこの会社に貢献できることは何か?」 視野を広げたら、できることはまだまだあった!

移籍者たちの挑戦」シリーズでは、大企業で働く社員が「レンタル移籍(※1)」を通じてベンチャー企業で学び、奮闘し、そして挑戦した日々の出来事をストーリーでお届けしています。
今回の主人公は、アステラス製薬株式会社から、無人コンビニ「600」を製造・販売しているベンチャー企業、600株式会社に移籍した神田直幸(かんだなおゆき)さん。神田さんは2018年10月から移籍を開始し、6ヶ月間の移籍を終えて、2

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【ひとかけらの絆もない奇妙な食卓】

卵焼きの作り方を教わったのは大学3年の時だった。我ながら遅すぎると思う。

私の育った環境は「食べ物は買う物」という意識が根付きすぎていた。母は料理が得意ではなかったし、なにかにつけて外食が多かった。中学も高校もお金を貰って自分で買いに行くことが多かった。

わたしは大学時代にスナックでバイトをしていた時期があった。なぜ働いていたかを語ると話が長くなるんだけど、だいぶ端折るとハタチになる前に恋愛で

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「当たり障りのないコメントはもうやめた」ベンチャーの現場で学んだ、新規事業のプロジェクトマネージャーとして大切なこと

「移籍者たちの挑戦」シリーズでは、大企業で働く社員が「レンタル移籍(※1)」を通じてベンチャー企業で学び、奮闘し、そして挑戦した日々の出来事をストーリーでお届けしています。
今回の主人公は、アステラス製薬株式会社から、無人コンビニ「600」を製造・販売しているベンチャー企業、600株式会社に移籍した神田直幸(かんだなおゆき)さん。神田さんは2018年10月から移籍を開始し、6ヶ月間の移籍を終えて、

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おやちにて

まずはコンビニエンスストアに入って、求人雑誌と遅めの昼食を買う。
北の大地で一か月間、仕事をしながら生きていこうとした1日目は、もうすでに3分の2の時間が経とうとしていた。

まだ雪深かった札幌。どこで食べてよいか分からず、通路の端っこで食事をした。寒さの違いに驚き、それに慣れている人々に驚いていた。

「どうする?」

「1日目だから観光でもしようか?」

「泊まるところは?仕事は?」

「まあ

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【人生を変えた出会いは、数学専門塾にあった】

高2の3月、私は悩んでいた。全身全霊をかけて愛していた彼氏にフラれたのだ。人生の初めての失恋だった。

みなさん初めての失恋を思い出してみてほしい。めちゃくちゃつらくないだろうか?心と体が暴走するよね?夜中に相手の家まで飛んで行ったの思い出して恥ずかしくて死にたいよ。

私はぐるぐると考えた。どうすれば彼のことが好きじゃない自分になれるか。そして、フラれたことを第三者に知られても恥をかかないで済む

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綿(わた)   #8月31日の夜に

女の社会の最大のタブーは、友達の男と寝ること。二番目のタブーは、それを親友に話すことだ。

そんなことが現実に起ころうものなら、たちまち女は群れを成し、徒党を組んで被害者を守る。
「最低だよね」「クズじゃん」「普通じゃない」、声として耳に入ってくることもあれば文字として目に飛び込んでくることもある。

だから夏休みで良かった。教室の四方の壁を反響板のようにして煩い笑い声が響く、あの場所にふさがれて

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戦略的モラトリアム【大学生活編④】

日付 6月某日 梅雨はどこへ?

常夏の楽園ベイベー

東北では感じたことのないような暑さが僕を襲った。ジリジリと照りつける太陽とネトッと絡み付く湿気。そして、時折やって来るゲリラ豪雨。

大学の初体験の他にもこんなにも未体験があったとは……。それはそれで楽しいことなのだが。ごった返すような大人数の講義、教室移動で軽い運動と、耳にはお気に入りの音楽で毎日を埋めていった。そして、こんな社会不適

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