最初は欲望の再構築から始めた。

今も気力がなくて廃人的に生活してますが、ひきこもりを抜け出そうと思った時は、とにかく欲望のかけらもなかった。

欲望というのも使わなければ、劣化していくのだと考えた。私はノートにやりたい事リストを書いた。

本当に考えるのが苦痛だった、何をやっても報われていなかったし、やりたい事を考えるだけで気分が悪くなる。でも、ほんのちょっとでも頭に浮かんだ事は取り敢えず書いた。

リストの中から最初にやったのが、昔バイク事故を起こした交差点を見に行く事だった。手足の骨を折る事故で、それまでも大した仕事をしていなかった私が、本格的にひきこもるキッカケになった事だ。

ご褒美には近くのコンビニで、チロルチョコを買った。その後も地道に色々続けて、ご褒美に何か自分に買ってやる事も忘れなかった。

その後にちょっとずつバイトしたり、おっかない兄さんたちに揉まれて色々教わって逃亡した後も、実行力を上げる訓練は続いた。

当時の私はとてもチキンで、1人で店に入るのが怖かった。ただ、食べるのも好きだった。バイクでいかにも一流ライダーみたいな格好して、近所のラーメン屋に食べに行った。

当時は自分に対して飴と鞭方式を取っていた。度胸は付いたが、若干偏っている。もう私は1人でフランス料理のフルコースを食べられるようになった。

バイクは社会復帰の際に父親が買ってくれた。自分はハーレーを買って、罪悪感からだったと思う。昔は私のバイクに乗りたいという願望は、ありとあらゆる手段を取って邪魔されていたので、葛藤はあったが、結局買ってもらう事にした。

バイクと兄貴と親父が、1人では遠くに行けない私の案内人になって遠くに連れて行ってくれた事、
他にもいろいろな人が一緒に走って色んな所に連れて行ってくれた事が、社会復帰や自分の社会化には大きく繋がったと思う。

とにかく経験のない人間は、場数を踏むことが一番重要。経験が乏しい間は自分で考えない方が良い。正しい答えを出す材料というのが、まさに経験だからだ。 

共依存のようになってしまうのは行けないが、自分で考えていい結果を出せるようになるには、仕事上でも同じだけど、場数を踏んで経験を積むことです。

初期の要望の再構築は、飴と鞭方式で結構上手く行ったと思う。リストも終わった物にはチェックを入れるが、達成感を感じるために消さない。

どれだけの事を積み上げたか、達成感が重要で、やはり長期ひきこもるような人間には、達成感が足りないのだから。

ただ、今の自分も目標意識がかけてしまって、何をしたら良いのか分からなくなっている。

私はもう1人でなんでもやる人間になってしまったので、飴と鞭方式はもう効かない。やるんだったら、語学とかなんだろうけど、そのやる気が湧かない。

ある程度のレベルに達して上手くいかない場合は、どうすれば良いのか。これはメンタルとかとはまた別で、ダメ人間と優秀な人を分けるふるいに掛かっているだけなのかもしれないな。
私が人間に戻れたのかも分からないけどね。

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