最晩年のシロタ

最晩年のレオ・シロタの貴重な遺産が、夏目 久生 氏の主催してるサクラフォンで、連作でいよいよ販売される事になった。

どうも連作で出せる程の録音が遺されているらしい。数年前に惜しくも他界されたアービターのアラン・エヴァンス 氏の、そしてクリストファー 野沢 氏の遺志を引き継いだ形だ。

どれも見事な演奏なのだけれど、グルックやモーツァルト、シューベルトにおけるリズム処理の見事さといい唸ってしまう。ベートーヴェンの月光にしても、1楽章のみ収録されているが、他の楽章が存在するのであろうか? 非常に気になる所である。月光の第1楽章だけ入っているのだが、非常に構築的な演奏だ。

シロタというとブゾーニの高弟でバリバリ弾き倒すようなイメージがあり、このCDには入っていないが、実際、彼の十八番であったストラヴィンスキーのペトリューシュカとか、録音が悪いながらも鮮やかで活き活きとした演奏を遺している。

とはいえ、彼の非凡なヴィルトゥオーゾとしての資質は、シンプルな曲においても、より明瞭に発揮されるのではないだろうか? 

音楽においてテクニックとは何か? 速弾きが出来る事か? ミスタッチなく機械のように楽譜通りに弾くことか? そうではあるまい。この最晩年のシロタの録音は、音楽表現と技術が高次において切り離せない関係性を持っていた時代の貴重な証言である。

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右や左の旦那様、人生オワコンの中年ニートのキモいオッサンにも、お恵みを.... 愛の手を... と書いてみたけど、こんな糞ニートをサポートする奇特な方などおりますまいが、それでも人生オワコンの引きこもりの糞ニート、出来るだけ面白い記事を書くように頑張ります....