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生物の三条件

【細胞】
 生物とは、入れ物のようなものです。それは、境界によって区別され、外界から独立しています。全ての生物を構成する最小単位は「細胞」です。その細胞は、水で溶けない脂質の分子で出来きた「細胞膜」で包まれています。細胞膜が必要なのは「情報分子」や「酵素」、取り込んだ「栄養」が外に流れ出してしまわないためです。その内側では、それらを取り込んで、さまざまな活動をしています。膜があることによって、生命を作ための材料「有機物」をまとめることが出来きました。生命の素は、一か所にまとまっている必要があります。材料が散らばった状態だと、分子同士が出会うチャンスがなく、化学反応が起きないからです。そのため、細胞は、ごく小さなものでなくてはいけませんでした。 
 
 【代謝】 
 生命活動に必要なエネルギーは「代謝」によって得られています。代謝「物質代謝」とは、体内で営まれている生きるのに必要な「化学反応」のことです。その「化学反応」する過程で、物質の原子が組み代わり、新しい物質に変化します。生命とは、さまざまな化学物質による化学反応のかたまりです。 全ての生命には、代謝によって、物質をエネルギーに変換する能力があります。ただし、代謝で利用するエネルギーは、自分で作ったものでなくてはなりません。 
 生物は、代謝によって、取り込んだ栄養素を「ATP」というエネルギーのもとに変えています。エネルギーをATPという形で貯蔵するのは、さまざまな活動「生体反応」で利用可能になるからです。ATPとは「酵素」の一種で、正式には、アデノシン三リン酸と言います。酵素とは、媒介作用によって、化学反応を促進させるもタンパク質のことです。生物の化学反応は、この酵素を中心に行われています。ちなみに酵素は、特定の働きだけしかしません。
 代謝には「同化」と「異化」があります。同化とは、取り込んだ単純な物質から複雑な物質を組み立てる合成過程のことです。その過程でエネルギーは、蓄えられます。例えば「植物の光合成」が同化です。反対に、複雑な物質を単純な物質に分解することを「異化」と言います。異化の例が「呼吸」です。生物は、呼吸による分解によって、エネルギーを取り出しています。同化や異化のエネルギーの受け渡しをするのがATPです。また、細胞内の環境というものは、一定範囲内に保たれなくてはいけません。それを「ホメオスタシス」と言います。そのホメオスタシス「恒常性」を保つために必要なのも一連の化学反応です。

 【自己複製】 
 生物は、生物からしか生まれません。そのため、生物は、自分自身のコピーを作り、増殖する能力を持っています。コピーするのに必要な設計図の役割を果たすのが「DNA」という化学物質です。生物は、DNAの設計図に従って、自分と同じものを作り出すことが出来きます。また、生物の性質を決めているものも「DNA」です。そのDNAは「塩基配列」によって書かれてます。 
 細胞が、自己増殖する方法は「細胞分裂」です。細胞分裂によって、一つの細胞が分裂し、二つの同じ細胞が出来きます。細胞分裂するためには、いろんな化学反応が必要でした。その化学反応は、酵素などのタンパク質によって進められます。タンパク質とは、化学反応を進める工場のようなものです。そのタンパク質も、DNAに従って合成されています。

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