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神社とは何か

【神社】
 神社は、神道の信仰に基づいて作られています。神道は、日本固有の宗教です。その起源は「祖霊信仰」と「自然崇拝」とされています。祖霊信仰は、先祖を敬う気持ちから、自然発生的に生まれました。自然崇拝の方は、自然の恵みや、畏怖の念が起源とされています。山、岩、古木などを御神体とするのは、そのためです。
 神社には「産土型」と「勧請型」があります。産土型「うぶすな」とは、地元の人たちの神社です。
 その地域の守り神を「産土神」と言います。産土神は、地元の人たちを生まれる前から、死後まで守護する存在です。そのため産土型の神社は、地縁に基づいています。勧請型「かんじょう」は、権威のある神々を他の地に移して祀っている神社ことです。その時、神々を分霊します。
 神社とは、神聖さや浄の概念の具現化です。そのため、穢れたものとされる死の対極にあります。神社は、あくまで神様を祀る場所です。そのため基本的には、葬式には関わりませんでした。ただし、神式葬儀というものはあります。

【狛犬】
 神を守護するため、邪気を祓う魔除けとして、置かれるのが「狛犬」と呼ばれる架空の霊獣です。狛犬は、右が「獅子」で、左が「狛犬」と対で配置されます。対で配置されるようになったのは、平安時代からです。狭い意味では、左だけが狛犬ですが。現在では、両者を合わせて狛犬と呼ぶようになりました。
 獅子は、口を開けており、狛犬は、口を閉じています。それは、阿吽の表現です。獅子を「阿形」、狛犬を「吽形」と言います。阿吽「あうん」とは、最初と最後の音のことです。そこには、宇宙の最初と最後という意味がありました。
 神社よっては、眷属や神使が狛犬の役目を果たしていることがあります。眷属とは、親族や同族のことです。本来は、神の意思を伝える使者のことでした。通常、神と関連する動物が眷属とされています。

【鳥居】
 神社のシンボルとされるのが鳥居と呼ばれる門です。鳥居には、神域と俗世を隔て、不浄なものが入らないようにする結界の役割がありました。神社の入り口に立って、ここから先は、神様のいる神聖な場所であることを示しています。鳥居の数え方は、一基、二基です。基本的には、一社に一基とされています。名前の由来は「鳥が居やすい」や「通り入る」です。元来は、鳥を止まらせる止まり木のことでした。神話では「常世長鳴鳥」が居た木とされています。常世長鳴鳥とは、鶏のことです。
 鳥居には「神明鳥居」と「明神鳥居」があります。神明鳥居は、直線的で、両端が反っていません。素材には、自然木が使われています。伊勢神宮などが、このタイプです。明神鳥居は、両端が反っており、派手な朱色をしています。赤は、血の色です。血は、穢れを払い、力をもたらうす、生命の象徴とされています。また、赤には、魔除けの意味合いもありました。

【注連縄】
 神聖な区域とその外とを区別するための神祭具が注連縄です。注連縄「しめなわ」には、厄や禍をはらい、悪いものが入ってくるのを防ぐ、魔除けや結界の役割がありました。その語源は、占める縄です。占めるとするのは「占有」するという意味合いがあったからだとされています。
 注連縄の起源は、日本神話です。尾久米縄として、天岩戸神話に登場します。大玉命「フトタマ」という神様が、アマテラスが二度と天の岩戸に入れないように、結界として使いました。注連縄は、稲作信仰とも関連しています。そのため素材は、稲藁です。一定の間隔で、稲藁を357と垂すので、別名を七五三縄と言います。


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