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ツキノワグマと出会わないために

【出会わないために】 
 ツキノワグマに襲われないためには、出会わないのが一番です。普通に生活をしていれば、出会うことは、ほぼありません。本来、ツキノワグマは、人間と出会いたくない動物だからです。開けた場所で遭遇した場合は、たいていツキノワグマの方が先に逃げてくれます。そのため、遠くにいる場合なら、それほど心配はいりません。人間の方が気をつけていれば、ほとんどの事故は防げます。本来なら、ツキノワグマと人間が出会うことは、双方にとってデメリットです。ただし、餌があれば、ツキノワグマは、人里に来てしまいます。しかし、人間の都合をツキノワグマに、教えることは出来ないので、人間の方が、対応するしかありません。

 【テリトリーに入らない】 
 ツキノワグマの出没情報があるエリアには、近づかない方が賢明です。出来ることなら、ツキノワグマ出没のため、入山が規制されている山へは行くべきではないと思います。それでも行く場合は、注意が必要かもしれません。たいていの人は、自分だけは遭遇しないと思っています。しかし、万が一があるので、油断してはいけません。山菜やタケノコ採りは、ツキノワグマのテリトリーに入って、その食べ物を持ってくる行為です。そのため、ツキノワグマと遭遇してしまう危険性があります。それまでにない強烈な獣臭がしたり、新しい糞や足跡を発見したら、すぐに引き返した方が良いかもしれません。

 【入山の注意】 
 山菜採りでは、こっそり他人に知られないように、視界の悪い場所に入り込みます。そういう場所が、たいてい山菜の穴場だからです。もし、そこにクマが隠れていたら、危険な遭遇となります。突然鉢合わせると、驚いて攻撃してくることがあるからです。また、山菜が生息する笹原は、視界が良くないので、ツキノワグマが隠れていても、気がつかないもしれません。
 タケノコ採りは、ちょうど梅雨の時期です。降雨や流水の音で、ツキノワグマの接近に気づかないこともあります。また、梅雨は、ツキノワグマの繁殖期です。オスの気が立っており、人間に異常な興味を示すことがあります。そのため、ツキノワグマに襲われる危険性が高い時期です。この時期のツキノワグマは、同一地域に集まり、タケノコばかりを食べています。そればかり食べるのは、ツキノワグマが、同じものを大量に食べる「単一食」だからです。
 秋の栗拾いは、しゃがんで視線を落とすので、周囲への注意が疎かになり、ツキノワグマの接近に気付くのが遅れることがあります。また栗は、ツキノワグマの餌です。同じ場所に長く停滞すると、複数のツキノワグマが集まってきてしまうことがあります。そのため、ツキノワグマの餌がある場所には、長く留まるべきではありません。

 【誘引物の除去】 
 ツキノワグマは、ガソリンやペンキなどの「有機溶剤」や「化粧品」の匂いを好みます。そうした誘引物を取り除き、ツキノワグマを呼び寄せないことも対策の一つです。ツキノワグマは、とても臭いに敏感な動物なので、それらに強く引きつけられます。また、クマは、学習能力が高い動物です。一度味を覚えると、また食べようとします。そのため、ツキノワグマの餌となりうる残飯やゴミは放置してはいけません。秋は、冬眠に控え、特に食欲が旺盛になります。集落の柿や栗を食べにくるので、それらは摘んでおいた方が良いかもしれません。

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