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時間とは何か?

【時間】 
 
 時間は、抽象的な概念です。これまで、時間は、我々がいなくても、規則正しく、流れているものだと信じられてきました。しかし、それは、人間の頭の中だけにしかない、観念にすぎないものかもしれません。時間とは、人間が文明を維持するために、物事を計る「尺度」として発明されました。それは、自然の変化を独自の基準で計ります。時間とは、出来事を順番に一直線上に並べたものです。それには、過去から、未来へと進む一定の方向性「向き」があるとされています。人間は、宇宙で発生する出来事と基準との相関関係によって、時間を把握してきました。基準とは、例えば「時刻」や「暦」のことです。人間は「何時」「何年」「何日」というように、出来事を数字に置き換えて、世界を理解してきました。
 
【時空】
 
 時間は、相対的なものです。アインシュタインは、それまで絶対的だと思われていた時間を、相対的なものにすぎないと証明しました。例えば、時間が、観測者の置かれた状況によって変わることなどです。また、量子力学の世界には、時間というものが存在しません。
 時間は、場所のようなものです。そもそも時間と空間は、それぞれ個別には存在していません。それらは「時空」と呼ばれる一つのものだからです。時空は、4次元とも言います。4次元とは、我々の現実の世界のことです。我々は、3次元の立体空間の中に生きています。時間とは、それに次ぐ次元の一つです。
 
【瞬間】 
 
 我々は、それぞれの瞬間しか体験することが出来ません。今「瞬間」は、それぞれに存在しています。別々のものであると思われる「今」「ここ」「私」は、実は同じ一つの出来事です。今という意識は、瞬間にしかありません。それが、過去や未来にはないからです。
 動物は、その瞬間瞬間を生きています。そのため、時間という感覚がありません。しかし、人間は、時間を過去から未来へと続くものだと考えてきました。なぜなら、時間を「過去」「現在」「未来」と区切って捉えているからです。しかし、全ての時間は、同時に存在しています。過去とは、万物の配置が異なる別の「今」です。過ぎ去った時間も、消滅したわけでありません。それらは、形を変え、宇宙の一部として、今もどこかで存在しているからです。今が、成立するためには「過去」と「未来」が存在していなければなりません。時間とは、今を起点に過去と未来に広がっているとされています。
 
【脳】 
 人間の脳は、0.1秒より短い時間を認識出来きません。一度にとらえられるのは、一つの瞬間だけです。人間は、生き残るための方法として、目の前の出来事を「今」として認識する能力を発達させてきました。その今という感覚こそが、意識そのものです。人間の脳は、起きた出来事をそのままコピーするわけではありません。能動的に、その状況に最も適した物語をその都度作り出しています。人間とは、入ってきた情報を取捨選択をして、編集したものを「今」として捉えるものです。現実とは、脳によって作られたものであり、それは、脳の構造に由来しています。人間の脳が、そうなっているのは、起こったことを同時に全て再現すると、パニックになるからです

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