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瀬戸内アンパンマントロッコでいく三世代旅行

子連れ旅行、子どもの好きに寄せた結果、親が十分に楽しめなかったことはないだろうか?
私も、子どもの大好きなアンパンマンを旅の目的に選ぶまでは、「きっと子どもが楽しむのを横目に写真撮影に徹するんだろうな・・・」と軽く考えていた。
ところが結果は予想をはるかに上回ることに。
去年の秋に2歳半の子どもと私の両親と、瀬戸内アンパンマントロッコに乗った旅が、控えめに言っても最高だったので、みなさんにその魅力をお伝えできたらと思う。

アンパンマントロッコを知っていますか?

アンパンマントロッコは、JR四国が運営するアンパンマン列車の1種類である。
アンパンマン列車は、岡山と四国の各地を結んでおり、4つの路線がある。路線によって、電車の種類や色(赤、黄色、青、白)が異なる。
電車の車体や車内の至る所にアンパンマンキャラクターが散りばめられており、アンパンマン好きの子どもなら、喜ぶこと間違いなし。
電車によって注意すべきポイントが異なり、1日1往復しかなかったり、運休している季節があったりするので、ホームページを確認の上、早めの予約をおすすめする。
ちなみにネットで予約する場合、JR西日本の J-WESTネット会員登録(無料)が必要かつ、乗車1ヶ月前の10時から予約開始なので、乗り遅れないようにしたい。

きっかけは「のりものずかん」

図書館から借りてきた図鑑の中に、「アンパンマントロッコ」が載っており、図鑑を開くたびに子どもは必ずと言っていいほど「ああ!」「アンパンマン!」と喜ぶ。
何度か借りてくるうちに、「これ乗りたい」と徐々にお願いの仕方が高度になってきた。
最初は「そうだねー」「アンパンマンだねー」と話半分に返事していたが、あまりにも毎回「乗りたいね」というものだから、自然とおでかけリストの片隅にエントリーすることに。
飽きもせずに図鑑を借りに借りておよそ一年たったあたりで、子どもの夢を叶えることにした。

勝負はトロッコに乗る前から始まっている

旅を最大限に楽しむために準備したことは、アンパンマン弁当の予約。
たまたま事前にホームページを見ていたら、アンパンマン弁当なるものがあり、事前予約がベターとのこと。
お値段1600−1700円と、幼児のお弁当にしてはお高めかつ全部食べられる量ではなかったが、せっかくだからと記念に予約。
車内でも数に余裕があれば販売してくれるが、確実に手に入れたければ、事前予約したほうがよさそう。
ちなみに我が家はアンパンマンの顔の形をした「げんき100ばい!アンパンマン弁当」を購入したが、このお弁当箱が後日のピクニックにも大活躍している。
なんといっても、中心の丸いところをケチャップライス、黒豆、ウインナー、にんじん、ソースでアンパンマンにすれば、子どもは大はしゃぎ。
旅から半年経った今でも、お弁当を持参するお出かけでは「アンパンマンお弁当ね」とリクエストされるので、十分元は取れたはず。
この材料、難易度なら家庭でも再現しやすい。

アンパンマン弁当のアンパンマン部分

岡山駅から乗ると他のアンパンマン列車にも遭遇できる

偶然だが、乗車駅を岡山駅にし、だいぶ余裕をもって駅に到着したことで思わぬ幸運があった。
岡山駅には、他の駅よりも多くのアンパンマン列車(合計3つ)の始発となっているので、運が良ければ乗車予定のなかった色の電車にも遭遇できる。なんなら始発で停車時間も長いので、早く着きすぎてもゆっくりと写真撮影ができる。
アンパンマン列車に同乗してくれるガイド役のスタッフさんが、「今日はいろんな色のアンパンマン列車が止まっていますよー」と駅のホームで声掛けしてくれるので、アンパンマントロッコに乗る前の時間も楽しむことができた。

アンパンマントロッコと表示されている電光掲示板
いよいよ乗車

なんで他の列車じゃなくてアンパンマントロッコ?

数あるアンパンマン列車の中から、トロッコを選んだ理由。
それは、「トロッコ」だから。
アンパンマントロッコの車両はユニークで、2両のうち1両は室内(エアコン完備)、もう一両はトロッコで外気をふんだんに感じられる。
1席(例えばA1)を予約すると、室内車両のA1席とトロッコ車両のA1席、それぞれの席を行き来できる。
また座席の他にも記念写真撮影スペース、壁に備え付けられたおもちゃで遊ぶスペース、透明な窓から線路を覗けるスペースなど、いろんなスペースがある。
岡山から琴平までの約2時間を、室内でお弁当を食べたり、瀬戸大橋を渡るときはトロッコ車両で風を感じたり、車内のいろんなしかけスポットを巡ったり、思い思いに過ごせる。
しかも乗車しているのは、2両編成に対して1両分の人数(確か20−30人)が定員なので、2時間あれば大して順番待ちなどせず、至る所を楽しめるようになっている。

また、9月下旬というシーズンもよく、実際瀬戸大橋を渡って四国に入るあたりでトロッコ車両に出ると、海風が心地よく、子どものはしゃぐ様子を見つつ、私も両親も車窓からののんびりとした景色を楽しめた。

記念撮影ブース
室内車両の様子
車両と床の窓
トロッコ車両からの景色

アンパンマントロッコが生み出す出会いと別れ

トロッコなので、電車の通過を待つ間の停車時間も長い。
例えばジーンズで有名な児島駅。ガイドのスタッフさんが「次の停車時間は15分ですよー、改札階に大きなデニムの顔はめパネルがありますよー、ぜひ降りて写真撮ってきてくださーい」などと案内してくれるので、短時間ながら一時下車を楽しめる。
確かに、駅の掲示板、改札に向かう階段、至る所にデニム色が溢れている。こんな機会がないと出会えないであろう、小さいけれど特色のある町に出会えることも、また、旅の醍醐味。JR四国もうまく考えているなーと思いながら、トロッコに戻る。

児島駅の撮影パネル

我が家は、始発から終点の片道アンパンマン列車旅だったが、乗り放題などきっぷを使いこなせば、また旅程に余裕があれば、岡山と四国をいろんな色のアンパンマン列車で巡ることもできる。
ちょうど我が家が乗った時期はスタンプラリーを開催しており、主要な駅ではスタンプを集められることから、途中乗車、途中下車するご家族も少なくなかった。
同じトロッコで旅をしたもの同士、途中下車をしたご家族には「バイバーイ」を手を振る。向こうのご家族も、トロッコを見送ってくれる。心があたたまるお別れの時間。

子どもに劣らず満喫する大人たち

カメラが趣味の私の父は、孫を一通り撮影した後は、四国ののんびりとした風景を撮影していた。「風が気持ちええなあ。」最後にはトロッコの座席で風に吹かれながら、うたた寝。
ミーハーで好奇心旺盛な私の母は、押さえるべきスポットは写真に収め、孫といろんな仕掛けスポットを巡ってワイワイしていた。
私自身も、子どもの喜ぶ姿を嬉しく思いながら、なかなか乗る機会のないトロッコの雰囲気や、初めて見る風景をぼんやりと眺めていると、一瞬で時間が過ぎた。
子どもありきで楽しむだけでなく、大人も各々満喫できるのが、アンパンマントロッコの良いところだと思う。

トロッコから臨む海

もう一度行きたい!アンパンマン列車旅

子どもがアンパンマン好きなうちに、もう一回行きたいなと思うくらい、よかった。正直この感想に至った自分に驚いている。
私は特にアンパンマンが大好きというほどではないし、なんならアンパンマンミュージアムには、私の外出中にパパと子どもで行ってきて、というくらいのアンパンマン熱なのだが、この旅はまた行きたい、と思えるくらい良かった。
次に行くなら、片道だけなくて、数日かけて、いろんなアンパンマン列車に乗りながら、四国のいろんな駅に立ち寄って、美味しいご飯や、地元の宿でのんびりと過ごしたい。
春休み、夏休み、GWのおでかけのチャンスにぜひ。

アンパンマントロッコ終点
おまけ 「ことでん」こと琴平線


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