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図録の蒐集家をやってます。

蔵書家のHimashunです。

自分は文盲な割に、ビジュアルの豊かな本を集めるのが好きです。

美術全集とか、展覧会図録とか、目を楽しませてくれて、読書をする必要がないものが良いと思います。

とりわけ展覧会図録はけっこう集めています。

展覧会で実際に見られた展示物の写真や付属物について紹介する図録。

必然的に国内にある美術品で固められた展覧会の方が充実します。

逆に言えば、西洋美術の展覧会図録は中々全体像を捉えるのが難しく、全集や洋書(ファイドンやプレステル)を買った方が良いでしょう。

日本美術の展覧会図録はその点最新鋭の研究成果が見られつつ、充実したビジュアルで目を喜ばせてくれます。

最近では図録にはフォントや表紙のデザイナーやイラストレーターも入ってかっこいい図録ができるようになっています。

一方で転売もここ10年で深刻化しており、古本屋を騙りながら平気で通販で購入した図録を数倍の価格で転売するケースも多くあります。 


私はこの日本美術の図録(プラス中国と朝鮮の美術図録)を5年ほど前から収集しています。

中には万単位にまで値上がりしたものを購入したことも少なからずあり、私の書斎は今ではちょっと美大教授の研究室っぽくなってます。

自分が図録を購入する目的、それは色々あります。

図録というのは最新鋭の研究成果が出るので、図録からアプローチすることで、どのジャンルがよく研究されていて、逆にどのジャンルはまだ未開発なのかがよくわかります。それを知るのに図録探しは適しています。

また最近の図録はデザイン性が高く、プリントにも優れているので、かっこいいビジュアルグッズとしても素晴らしいです。

あとは単純に集めるのが好きだからかもしれません。昔からポケモンカードなどを収集していた自分には、集めるという行為は趣味として十分に成立しうるものだったのです。

最近では「金銅仏」というジャンルの図録を集めています。

金銅仏とは、銅製の仏様に鍍金を施したもので、サイズはミニサイズから奈良の大仏様まで色々あります。

この金銅仏というジャンル、好事家からの人気が非常に高く、オークションでは何十件と入札が入ります。

その金銅仏の図録を今回は2冊手に入れることができました。


非常に巨大な図録、到着した時ビビりました。

台湾の故宮博物院が40年前に出したインド・中国・朝鮮そして日本の金銅仏を網羅した労作です。

相場は調べてもよく分かりませんでしたが、一応予算内で落とせました。

デカいので扱いにくいですが、これほど広い視野で金銅仏を特集した図録は他にないでしょう。


こちらも故宮博物院の図録。

網羅的だった先ほどの図録とは異なり、南北朝から明までの金銅仏を編年でまとめています。

珍しいのは、盛期である北魏・南朝・隋唐時代より後の金銅仏が充実している点。大理や遼といった異民族国家の金銅仏まで取り上げているのはレアですね。

こちらは他の人に気づかれる前に競らずに落札できました。


さっそく散華も描いてみました。

下二つがそうです。

金銅仏は色彩にバリエーションがないので、モノクロ図録なケースが多いですが、故宮博物院のものは全部カラーでした。

やっぱカラーの方がいいです。

ちょっとマニアックな話になってしまいました。

散華名刺は明日、奈良に呑みに行くのでそこで渡してみようかな笑

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