昨日は私の癌の疑いの受診をした病院に、今日は母の診察に行った。
もちろん、昨日と同じ病院だというのに、全く違って見える。
昨日診ていただいた、可愛くて綺麗でお若い先生にたまたま出会って、ちょっとご挨拶する。きれいな髪留めをされていて、素敵だなと思う。

病院の会計で待っていたときに、後ろで、

お前は、ほんま、ぶつけるなや・・・。

という声がするので、振り返ってみると、車いすに座った旦那さんが奥さんに車いすを押されているのに、奥さんの車いすの操作に文句を言っている。
思わず揶揄いたくなって、

仲がよろしくて・・・。

とにっこり笑いかけてみた。
旦那さんに怒られるかな？と思ったけど、私の言ってみたい気持ちの方が勝ってしまった。

ほんま、操作がわかっとらんがで・・・。

とおっしゃる旦那さんの横で、奥さんは笑っている。

仲いいですねえ。お惚気ですか？

とまたまた私。懲りない奴。

その後も、奥さんが、こっちの薬局よりあっちがいい、と言えば、旦那さんは、いやちゃんと教えてくれるところでないと・・・、などと言い返しておられる。奥さんは旦那さんの性格も気持ちも呑み込んでおられる様子。

この旦那さん、奥さんに甘えておられるのだろうなと思う。

よそで奥さんを大事にしているふりをして、優しそう・・・、と言われる人の方が裏で何をやっているかわかったものではない。人前で偉そうにするくらいは可愛いものである。
まあね、男の甘えで許してあげていいレベル。
人前でぼかすか言えるなんて、このお二人は仲がよさそうで、その証拠のように、奥様も旦那様にあれこれおっしゃり、穏やかな顔をしておられた。

横暴と思われるかもしれないが、これくらい許す度量が大和撫子にはあると思う。

最近問題になっているのはこういうご夫婦ではないだろう。
おそらく。違うかな？

一見、人から聞いたら筋が通っているかに見える話をしながら、実はその内容にはとんでもない理不尽さを内包しているという在り方がモラハラだという。
以前、札幌に住んでいたときに、友人に聞かされた内容が忘れられない。

私が夜、○○時まで仕事してるんだわー。それでその次の日の朝ご飯を旦那が作ることについて、

僕は、毎週、○曜日と○曜日は朝ご飯作ってるんです。

って人に言うんだけど、それって、聞いた人からすればなんだ？って思うじゃない？事実だけど・・・。

ある弁護士さんの話からモラハラについて話を聞いたのは、内地に戻ってからのことだった。ふと、あの時の友人の言葉が浮かんだ。

まだモラハラという言葉を知らなかったときのこと。

今流行っているんです・・・。

とのこと。典型的なモラハラ例についても話しておられた。

おそらくはそういう旦那さんは、子どもたちにも巧妙に、その母親がどれほど至らなくて、どれほどひどい母親かということを吹き込むのではないだろうか？そして、妻を支配下に置くということだろう。

昔ながらの、どこか亭主関白で、奥さんがおとなしく優しい、あるいはしっかり者で切り盛りしていて、みたいな話まで私は否定しない。
でも、裏で、巧妙にというのは嫌である。

もっと単純な在り方。
それはそれで心情的に信頼し合っているのだと思う。
そういうのを一緒くたにしないで、これからの夫婦の形を、より良い方向で見つめていける社会になればいいなと思う。