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#6 「誰かにとっての大切な居場所を与えることを、事業を通して行いたい」 起業を目指す高校生・後藤果恋さん



高校生が人生を語れるメディア・ひまわりの種会議。6人目のインタビュイーは、高校1年生の後藤果恋さんです。

中学時代にうつ病とパニック障害を経験し、その際に支えとなった恩師の影響を受けて、誰かにとっての大切な居場所を提供することを、事業を通じて行いたいと考えている後藤果恋さん。

居場所を提供することの重要性を実感し、自分のビジョンを明確にすることができた彼女の人生をお楽しみください。







<後藤果恋さんのプロフィール>


名前:後藤果恋さん

所属:南三陸観光協会

年齢:16歳

座右の銘:諦めずに信じ続けていれば道は開ける


コメント:
私は自分の人生を伝えることで誰かを救いたいとずっと思っていたので自分の人生にフォーカスを当てている観点に惹かれて応募させていただきました。私自身似たような経験をした方の経験談を受けて救われたことがあります。自分の今まで経験してきた辛いときの状況、辛いときからどうやって回復したかの過程を私なりに言葉にして伝えることは意外と難しく上手く伝わっていないところもあると思いますが、私の紆余曲折を伝えることで誰か一人でも救わる方がいれば幸いです。ひまわりの種会議さんを通じて一人でも多くの方が救われる事を信じています。
ありがとうございました!応援しています!


果恋さんのInstagramアカウント



1. 恩師との出会い


村田
事前インタビューの印象的な出会いっていうところで中学入学と同時に出会った恩師っていうのを挙げられていたと思うんですけども、その方はどのような形で印象に残っているんでしょうか。

果恋さん
先生と印象に残った出来事は中学1年の冬にうつ病とパニック障害になった時と合致するのですが、その時の担任の先生でして。

ただ一人私のこと信じてくれてずっと学校で待っていてくれて学校行けなかった時でもほぼ毎日のように電話くれて。 電話だったり、メッセージもくれて。

すごい親身に対応してくださってくださったのが本当に今でも本当にすごい印象的っていうか本当にありがたくて。

今の活動の中でも先生が私にしてくれたことを自分の形で返したいと思っていながら活動しているので 、全ての原点なのかなって思っています。

村田
ありがとうございます。




2. 中学時代から現在に至るまでの出来事


村田
中学から高校の初期にかけて色々な出来事があったとのことですが、それらについて詳しく教えていただければなという風に思います。


果恋さん
長期休校を経て学校が始まり、学級委員長に立候補したんです。

その後学級委員長になり、「学年の初めての学級委員長ってどんな人だろう」という感じで興味を持って接してくれる、声かけてくれるような同級生がすごい多くて。もうそれが本当に嬉しくて最高に楽しかったんです。 けれども、その期間は半年で。任期が終わった瞬間に自分に興味を持って声をかけてくれた人たちがみんな本当にいなくなっていて。いつしか自分の周りは本当に1人になっていて。それが原因で人間不信になり、冬頃にかけてうつ病とパニック障害を併発してしまい、先ほどの先生だけが本当に唯一の支えという感じで過ごしていました。

けれども高校入学して少し経った頃に、校舎は同じだけれどもシステムが違かったり、中学校時代の先生と何か距離っていうか壁みたいなものを感じていて、同じ場所にいるのに違う感覚というか、すごく違和感があって、自分にとってそれが本当に辛くて。

学校に行った最後の日に、中学1年生の頃からずっと中学時代を支えてくれた先生に声かけに行って。

その時にもう癇癪を起こすくらいひどく泣きながらも先生の方に泣きついて。

なんかもう話せないくらいに泣きついてしまって、もう無理だって思い、高校入学後2週間で自主退学を決めて今の学校生活に至ります。

村田
ありがとうございます。




3. 起業体験プログラムでの出会い


村田
続いて、11月に福島県大熊町で高校生向けの起業体験プログラムに参加されたということなんですけれども、どのような内容のプログラムだったのでしょうか。


果恋さん
私が最初福島県大熊町でこのプログラムに参加しようと思ったきっかけは、帰宅困難区域に入れるというのを聞いて南三陸での経験に生かせないかなと思い、参加しました。同じ震災関係だけれども福島には、宮城にはない原子力発電所の事故もあったので。それを受けてどう南三陸に持っていくかということを、すごい念頭にもって参加しました。ですので、 最初は本当に起業体験プログラムをやることは正直わからなかったんです。行ってみて、「え、こんなことするの」と正直思ってしまって。ちゃんと募集要項見ていなかった私が悪いんですけれども、ちょっとびっくりして。

印象的な出会いの中で株式会社Oriaiの皆さんと書かせていただいたんですけれども、その運営がその起業体験プログラムのOriaiの方でして。

出会った方との出会いがすごく印象に残っています。

初めて出会った際に事前に紹介シート渡されて、担当者の軽い自己紹介が載っているページがあったのですが、その方のところに学校に行けない時期があったって書いてあったんです。

私も学校行けなかった時期あったので、話聞いてみたいなって思って声をかけて話したのが本当の最初でした。

今まで学校行けなくなった時とか学級委員長だったけれど 終わったら人がいなくなってしまって孤独で寂しくなったっていう話もなぜか初対面なのにスルスルと出てきてしまって。私はあまり初対面の人とかに詳しく自分を話すタイプではなくて、心開くのもすごい時間がかかる方でして。

でもなぜか初対面ですごいスルスルと話せてしまって。すごい自分でも話してて不思議な感覚がしたので今でも覚えています。

他にも初めて話して驚いたことが、最初に全体で自己紹介があったんですけれども、私の数秒の自己紹介だけで、私に「ストイック 系だよね」とか「自分に厳しいよよね」と。

こんな数秒自己紹介聞いただけで「なんでそんなことわかるの」って思って。

そんな自己紹介する数秒聞いただけで、その人の内面とか 内面の深いところで大体こういう感じの人なんだなっていうぼんやりとしたイメージはやっぱり第一印象みたいな感じであるとは思うんですけれどもそこまで人の内面まで見透かす人ってやっぱりいないなって思って。本当に不思議な方だなっていうのが印象に残っています。



4. 本当にやりたいことの明確化


村田
このプログラムを通して本当にやりたいことを見つけられたとのことですが、どのように自分のやりたいことを見つけるのに繋がったのかっていうところをお伺いしたいです。


果恋さん
本当にやりたいことを見つけたということに関してなんですけれども 、私は昔からぼんやりと居場所に関してずっと悩んでいたので、誰かにとっての居場所作れないかなとか大切な居場所を与えられる人になりたいなっていうのをぼんやりと考えてはいました。けれども、それをどう実現すればいいのかが手段としてはわからなくて。

この起業体験プログラムで居場所を与えられる存在になりたいっていうことを事業として形にと形に出してみたんです。
これによって、「誰かにとっての大切な居場所を与えることを事業を通して行いたい」と明確になってきました。




5. 新しいことに挑戦するにあたって


友結
新しいことに挑戦するにはすごく大きな勇気が必要なのではないかと思うのですが、どのような思いで1歩踏み出したのですか?


果恋さん
元々、私は人と一緒になにかをするっていうのがすごく苦手で、協調性もあまりなく、また企業体験プログラムに参加する直前に一緒に活動していくっていう人と一緒に活動していくことに関してトラブルに遭ってしまって、ちょっと誰かと一緒にするのって大変だなって思っていて。だったら自分でやりたいことを1人でやれた方が自由だし、楽しいよなって。そうすれば、わかってくれる人だけだけついていってくれるし、賛同してくれた人だけがついていってくれればいいし。

起業体験プログラムを通して、自分で自分のやりたいこと1から作り上げるのもすごく楽しかったので、色々1人で新しいことをやろうって思った時の不安とかは正直言ってあんまりなくて。結構、自分1人でやるからこそ、その分責任は伴ってくるけれども、自分でやりたいことは好き勝手できるし、そこがすごい楽しみだなって思って思っていました。


友結
ありがとうございます。





6. 「信じる」ということ


村田
価値観の変化というところで、諦めずに進んでいけば運は開けるという風にあったんですけれども、高校を自主退学されてからどうやって立ち直ったのかということ、そしてこの記事をみている今ちょっと落ち込んでいるような中高生の子に対して何かアドバイスとなどあればそれも合わせてお伺いしたいです。


果恋さん
私は中学でずっと入りたかった中学に合格したけれども、そこですごく辛い経験をして、本当にもう人生を諦めようとした瞬間が本当にたくさんあったけれども 、 諦めずに生きていったからこその今なので、やっぱり諦めないのはすごく大事だなって思っています。 「信じる」という言葉はすごい私が大切にしている一番大切にしている言葉で。また先生の話になってしまうんですけども、その先生のモットーが信じるということだったんですね。


先生の信じて待ってるよっていうって言葉にすごく救われたし、たった1人でもそういう人がいてくれることってすごく嬉しいことなんだなって思っていて。


私のマインドの1つに、たった1人でも自分のことを認めてくれて信じていて期待してくれたりしている人がいるなら、その一人のために頑張ろう。一人の人のために頑張ろうという事を本当に大切に思っています。


私自身、先生から信じることの大切さを教えてもらって 、誰も信じられない時期があったからこそ響くものもあったし、自分自身を信じられない時もすごくたくさんあって。全然うつ病が良くならなかったりとか症状とか悪くなって、自分のこと1ミリも信じられなくて、もう今すぐに自分の人生を諦めてもいいっていうことがたくさんあるし今もその衝動というかその言葉にとらわれて、ふとそうなそのような考えになってしまうこともあるけれども、自分の中で自分を信じようって自分に言い聞かせている部分もあるので、結構信じるをモットーでもあり、信じるは私の元でもあり目標でもあります。

辛い思いをしている人のメッセージとしては、とにかくととにかく自分自身を諦めてほしくないなって思います。確かに自分のことを信じることは すごく大変だし、私も今「信じよう、信じよう」として色々と考えたり行動している最中なので、あまりおっきなことは言えないんですけれども、もしも自分のことを信じてくれている人とかそういう言葉を、優しい言葉をかけてくれる人がいるならば、まずはその人の言葉からから少しずつ信じていてほしいなって思います。ちょっと人間不信とかいろんな理由で 自分だと他の人を信じられないことってたくさんあるかもしれないけれども、とにかく信じることを諦めないでほしいです。本当に信じてくれる人がいないのならば、私が信じます。私が苦しんでいる皆さんのこと 絶対絶対乗り越えられるって信じて願っているので。「宮城の後藤果恋って人が信じてくれてるからなんか頑張ろっかな」くらいの 「こいつのことよく知らないけどなんか信じてるって言っているから頑張ってみようかな」とか本当にそんくらいの気持ちでいいので、信じることを諦めないでほしいなって思います。


村田
ありがとうございます。本当に熱いメッセージ、ありがとうございます。




7. 将来のビジョンについて


村田
では、今現在やられていることと将来のビジョンをお伺いして締めにしたいという風に思います。


果恋さん
今現在していることとしては、居場所づくりの観点で最も重要な場所の確保のために、場所やツールなどの具体的な基盤を整える準備をしています。最終的にはやっぱり一番大きな部分では、誰かに誰かにとっての大切な居場所を与えられる人になるということということです。具体的にまずはこうやって今回のひまわりの種会議さんのインタビューを受けているように「宮城にこういう活動をしたいと思っている高校生がいるんだよ」ということをたくさんの人に知ってもらおうと、今こうやっていろんなインタビュー を受けたり、いろんなセミナーに参加したりとかをして、自分の意見をたくさん伝えて1人でも多く協力してくださる方を探すためにプレゼンとかをしています。やはり高校生一人の力ではできることもかなり限られてしまうのでしまうので 、手段は全部使おうと思い、自分に降りかかったチャンスは必ずつかむことを意識しています。


村田
ありがとうございます。






《ライターあとがき:鈴木》

「あなたが本当にやりたいことは何ですか?」という質問に対して、はっきりと答えることができる人はどれほどいるでしょうか。

この問いは最近の私の活動軸になっているのですが、多感な時期を過ごしている高校生にとって、本当にやりたいことを明確にすることは重要な役割を果たすのではないかと思います。

果恋さんのインタビューを通じて、自分自身の経験から生まれた熱意は、やりたいことを実現する際に大きな力となると感じました。

改めて、本当にありがとうございました。



今後も様々な自分語りをお届けしていく予定です。

主に高校生を対象として、ひまわりの種会議はインタビューを行います。興味のある方は是非、以下のフォームよりお申し込みください。(メールアドレスは収集されません。)


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