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archi:建て方

交野が原の住宅
建て方を無事終えました。

木造住宅の木軸を組み上げていく一連の作業のことを
総称して建て方(たてかた)と言います。

この時は、棟梁の大工さんとは
別で応援の大工さんも大勢こられて
1〜3日かけて、ものすごい速さで一気に木軸を組み上げていきます。

杉の柱
構造材の樹種によって、この時の雰囲気が随分変わります

今はこの木の部材は、プレカットといって
工場の機械で加工されてくることが主流ですが、
昔はこの部材の長さ・形状・連結部分を
全て大工さんが考え、印をつけ、手で加工をし、組みあげていました。

まさに、巨大プラモデル。

そのプラモデルを組み立てる作業が建て方ですから、
建て方はまさに、大工さんにとって
気持ちが一番盛り上がるとともに、非常に緊張感の伴う工程なのです。

棟梁の渡辺さん。4年ぶりに担当していただきます。


それが終わった時、
大工さんの安堵と達成感、それはもう
経験した者にしかわからない計り知れない感情なのだと思います。

今でも、プレカットを使わず
手作業(手刻みといいます)でされている大工さんには、この建て方前1ヶ月はプレッシャーで眠れない夜がつづくこともあると伺っています。

そんなことを伺っているので、
今はプレカットと言えど、組み上がったそれを見れば、
見ているこちらも込み上げてくるものがあります。


私にとっても、住まい手とこれまで考えてきたものがやっと目に見える最初のかたちとして出来上がる、感慨深い瞬間でもあります。

足場がかかる前の、
構造の骨組みが見える一番美しい瞬間です。

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