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ムーランルージュがやばいって言う感想〜その2~

ムーランルージュで前回書けなかった感想の続きです。
CRAZY ROLLINGの部分が一番好き。
しかし、同じくらい好きなのが1幕ラストのELEPHANT LOVE MEDLEY

大体のミュージカルって一幕のラストは大盛り上がりで幕が下りるんですよ。
ここが面白くないと、最後まで面白くない。
最後だけ盛り上がっても、ラストしか面白くなかったなぁって思って不満が残る。
ラストは面白くないのに、一幕ラストは最高って舞台はかなり多い。
アナ雪とかもそうじゃないかな。
あれも一番盛り上がって面白いのは一幕ラストのLet It goで、ニ幕はそんなに盛り上がる部分がないような……(個人の感想です)

そんなわけで、大好きELEPHANT LOVE MEDLEY。

歌に入る前にサティーンとクリスチャンのセリフでのやり取りがある。

愛はいらない、と歌うサティーン。
そこにバルコニーから登場するクリスチャン。
「君は僕を思っている 目を見ればわかる」とサティーンを説得しようとするクリスチャン。

「クリスチャン、私を見て ちゃんと見て」

このサティーンのセリフのところに対するクリスチャンの反応が好き。
芳雄クリスチャンだと、ちゃんと見て、の後で少しでも理解しようとしている気がする。
でも、甲斐クリスチャンだと私を見て、の後すんごくニコニコしてて多分何もわかっちゃいない。
サティーン可愛いなーくらいのことしか思ってなさそう。
ちゃんと見て、って言われた後も見てるけど、何を言ってるんだろう?って疑問に思ってそう。
この、ちょっとアホっぽい……感じがする甲斐クリスチャンが好きすぎる。
芳雄クリスチャンだと必死さがあると言うか、なんとなく未来のことも感じ取っていそう。
甲斐クリスチャンは今が楽しい、好きという感情しかないように私は感じる。

だから、このELMのあたりの場面は甲斐クリスチャンが好きで(めちゃ幸せそう)、平原サティーンが好き。

この後、クリスチャンがさらにサティーンに恋人になろうと口説く。
ここも、芳雄クリスチャンだと、どうやったらサティーンは自分に振り向いてくれるのかな、と考えながら頑張る感じ。
甲斐クリスチャンはただ自分の頭ではもう理想があって、頭の中がお花畑なんだよね。
特に何も考えず、思いついたまま口に出す感じ。

「じゃぁ、僕と星を旅しよう!」
「ばかなの?」

ここのやり取りも好き。
平原サティーンだと何もわかってないクリスチャンに対してツッコミを入れるような感じ。
それがまたコメディって感じがして可愛いし、面白くて好き。
望海サティーンだと笑いながらバカなの?って言う。
口では拒否してても仕方ないわねって感じなのかな。

とにかく平原さんがぷんぷんしてて可愛い。

この夜を僕にくれないか
貧乏人に用はない

ELEPHANT LOVE MEDLEYの歌が始まる。
「強がらないで、恋はゲーム」と歌いながら、ぐいぐい距離を詰めてやや強引にサティーンに迫る甲斐クリスチャン好き。
手をぎゅっと握るの良いんだよね。
芳雄クリスチャンの方はぎゅっと握るというより、そっと手をつなぐような、力は甲斐クリスチャンほど入ってないように見える。

芳雄クリスチャンの時にかわいいなと思ったのは、平原サティーンの人差し指をぎゅって握るとこ。
それをちょっとぷんぷんしながら下に引き抜く平原サティーンも可愛すぎた。
ここも毎回こうではなく、他のパターンもあったとは思うが、これが可愛すぎたので、私の記憶はこれ。

やめて もう全部お見通し
安い企み もう聞きたくない

ここは平原サティーンだと、アドリブで色々やってくれる。
芳雄クリスチャンの鼻つまんで、ほっぺツンツンとか可愛かった。

しかし、平原サティーンが本領発揮するのは甲斐クリスチャンに対してなんだわ。
甲斐クリスチャンに、ぴょんぴょん飛び跳ねて頭をぽんぽんする平原サティーン。最高。
すごく可愛かった……
他のパターンで、平原サティーンが背伸びをすると、甲斐クリスチャンも背伸びをして二人で背伸び対決みたいになってる時もあったり……
ぴょんぴょんしたり、背伸びしたり可愛すぎる平原サティーン。
しかも、ぷんぷんしながらやってるんだよ。好きなくせに。

望海サティーンだと、クリスチャンの鼻をつんと触る感じだったかな。
そんなに日替わりアドリブみたいなのはなかった印象。
平原さんが自由すぎるのかもしれないw

上手側の椅子に座ったクリスチャンの膝の上に、一瞬だけサティーンが座るところも好き。

愛が何なの 何なの ねぇ?

ここは望海甲斐組が好き!
甲斐クリスチャンが後ろに手を組んで、望海サティーンに右胸あたりを押されて、下手側に下がっていく。
ここ、平原さんだとそんなに胸部分押さないんだよね。
押した後、すぐ離れちゃう。
望海さんだと数歩普通に歩いて、手で押して甲斐クリスチャンを下がらせる。

でもね、ここかなり萌えポイントなんですわ。
望海さんてめちゃ細いじゃん。
押したところで絶対相手を動かすなんて無理。
つまり、甲斐クリスチャンがわざと下がってるわけ。
そんな細腕で押しても無駄なのに可愛いなとでも思ってそう……めっちゃニコニコしてる甲斐クリスチャン。ここ本当に好き。
この場面は私の妄想が爆発して、私の心が壊れそうだった。
やばい。

傷つくと分かっててなぜ
君は 僕の心を打ち砕く
愛は信じないの

ここは上手側、サティーンが握りこぶしを両手に作って、ぶりっこポーズで椅子に座ってテーブルに肘をつく。
この後、サティーンの動きをマネするクリスチャン。
ここすごく好き!

ここを見て、クリスチャンてバカではないんだなって思った。

好きな相手の相手の行動をマネしてしまうミラーリングと見せかけているが違う。
好きになってもらいたい相手の真似をすることで、ミラーリング効果を狙ってる。
人って、相手が自分と同じしぐさや動作をすると、その相手に対して好感を持つんだよね。
サティーンに自分をもっと好きになってほしくてわざとやってるんじゃないかな、と思ってしまった。
クリスチャンあざといw

でもさ、これ、サティーンも完全に気づいてるからそんなに意味ないんだよね。
つまり、ただのいちゃついてるだけのバカップル
サティーンはミラーリング効果について知らないかもしれない。
それでもクリスチャンが真似をしてることは気づいて、可愛く思うはず。
おそらく、そこまで計算してるんだクリスチャンは!!!(違う)

ここでよくあった通常パターンは、足を組んで髪の毛をかきあげたりするやつかな?
芳雄クリスチャンだと、サティーンと左右対称になるように真似をしていた。

芳雄さんの千秋楽の、平原芳雄の時は、平原サティーンがハートを指で描いて投げキスをしていた!
もちろん、芳雄クリスチャンもハートと投げキス!

平原サティーンが芳雄クリスチャンに頭を下げさせて、平原サティーンが頭ポンポンした時もあった。
平原サティーンが頭ポンポンした後、芳雄クリスチャンも平原サティーンのポンポンしていた。

あとは甲斐クリスチャンとの時、ハートを指で作った後に、指で×を作りながら愛は信じないのと歌ってる時もあった。

千秋楽の平原甲斐の時は、投げキスをしたらしい。
いいなぁ。

ここは千秋楽近くに色んなパターンをぶっこんできた平原さん。
ご褒美タイムでした!!

この場面の後、エッフェル塔が出てきて、傘を持ったクリスチャンがエッフェル塔の上に、サティーンもエッフェル塔の上に。
くるくる回ったりして盛り上がり。
「今 永遠の愛を」と歌ってキス
そして一幕が終わる。
ここのキスシーンの角度も良い。
宝塚のデュエダンのラストみたいだなとか思ってた。

盛り上がった一幕が終わり、二幕。


「思い出して欲しい 初めて恋に溺れた時のことを どうだった?」

と、クリスチャンが観客に呼びかけるところから始まる。
この呼びかけるときの、初恋シート(甲斐さん命名)の場所も、芳雄さんと甲斐さんでは場所が違う。
甲斐さんだと少し後ろ、そして2か所くらいあるが、芳雄さんだとかなり手前の席に向かってこのセリフを言う。

そういえば、最初のジドラーが客席に問いかけるところも、松村さんと橋本さんで位置が違う。
松村ジドラーだと、前方のセンターブロックが上流階級の皆様の席。
橋本ジドラーだと前方の下手サブセンが上流階級の皆様の席になる。

二幕、クリスチャンが幕を上げるとサンティアゴの歌が始まる。
BAD ROMANCEの最初の部分のサンティアゴとニニのダンス好き。
ニニがかっこいい!
藤森ニニはもうさ、体型がすごい。体幹もすごい。
脚も腕も長いし、スタイル抜群。
クールな印象。かっこいい理想の女性。
そりゃサンティアゴも惚れるわよ。
少しワイルドな感じもするニニなんだよね、藤森さんのニニ。
一幕最初にジドラーが客席に呼び掛けているときに、下手側のボックス席で藤森ニニは足を顔につけるくらい高く上げてたりするので、ジドラー見るよりそっち見ちゃう。
そこだけは見ちゃう。
見るよそりゃ。

椅子の上に足を置いたり、座ってそのまま床に頭をつけるようなところがあるけれど、藤森ニニは頭が床につきそう!
起き上がるときはサンティアゴの両肩を手でつかんで起き上がる。
ここ、加賀ニニだとサンティアゴの首の後ろに両手を組んで起き上がる。

加賀ニニはかっこいいだけじゃなくて、可愛さがある。
ツンデレ系妹キャラっぽいというか。
サンティアゴに抱き着くときのサイズ感も良い。
藤森ニニが綺麗なお姉さんでかっこいい系だとすると、加賀ニニがかわいい妹系なんだよね。
サンティアゴに飛びついて抱き着くところ、最初のころは足がちょっと曲がってる?気がしたんだけど、途中から真っすぐ綺麗に綺麗に決まるようになってた。
初めての帝劇ミュージカルでここまでダンスができる元アイドルってすごいなって思う。
お芝居の方も上手いし。活舌が良い。
加賀ニニもスタイル良い。足が綺麗。

どちらのニニもすごく堪能できる二幕、楽しい。
サンティアゴとニニの色気たっぷりのダンスと歌が終わると、5! 6! 7! 8!のサンティアゴの掛け声とともにカンパニーのダンスが始まる。
私はどの楽曲が使われてるかすら知らず、ムーランルージュに行った。
だから余計に、レディーガガの曲でかっこいい振付のダンスシーンはかなり感動した。

なお、二幕は遅刻するとこのダンスシーンは見れないw
ダンスナンバーが続くんだけど、このあたりの激しいダンスのシーンが全部終わるまで客席内に入れてくれない。
ある回の時、隣の人が遅れちゃったみたいで、楽しいダンスナンバーのところが全部終わってから入ってきた。
ここが見れないとかなり損をしてしまうので、絶対に遅れないようにしたい。

途中でクリスチャンとサティーンの密会シーンが。

「お願い、来て 君に会えないと死んじゃう」
「大丈夫、死なない」
「今日すごくきれいだ 決めた、今キスする」
「悪い子」

ここのやり取りがすごく良い。
セリフの言い方は芳雄クリスチャンが好き。
芳雄クリスチャンの方がサティーンに対して甘えてるように見えるので、このセリフぴったりなんだわ。
甲斐クリスチャンも可愛いので好きなんだけどね。
芳雄クリスチャンのあざとさがたまらないw
芳雄さん44歳ってことを忘れる……

平原サティーンだとクリスチャンとの距離が近くてキスしそうなくらい近い。
でもキスしてくれなくて「悪い子」ってあしらうのが最高だ!!!
じらしプレイもお手の物な平原サティーン。
平原サティーンだと駆け引きのよう。

望海サティーンだと待てを覚えさせるドッグトレーナーのようなw
甲斐クリスチャンと望海サティーンだと大型犬しつけてる感じがしちゃうのかわいい。
芳雄クリスチャンと平原サティーンだと、甘えてくる恋人に駆け引きでじらしているように見えるかな。
他の人はどう見ているのか気になる。

WANT YOUR BAD ROMANCE!

と、全員が歌って最後に決めポーズするときは、クリスチャンが中央で舞台の方見て寝そべって上半身だけ起こした感じ。
ここ、甲斐クリスチャンだとスライディングしてくるのでさらに格好よく決まる。
カンパニーの皆様のポーズがきつそうだけど、ロートレックのセリフがあるまで動けない。
「いくつか修正がある」と言われるまで体勢キープ。

そのあとは劇中劇。
クリスチャンが最初にマリーというところ、甲斐クリスチャンだと座った体制で始まる。
大きいからかな?
一幕の尻を出せって言われて、上着まくってお尻を客席に向けるところも、座っていたところから立ち上がってやっていたし。
甲斐クリスチャンはニコニコして劇中劇をやっていて印象的。
サティーンがそばにいるから楽しいのか、夜のことを考えているのか……

この後ロートレックとデュークが言い合いに。

「サティーンは生きるために極悪人のギャングに体を売ってるんです  死にかけの娼婦なんです  他にどんな衣装が?」

このセリフを言うときのロートレックに合わせて、望海サティーンは細かいお芝居をしている。
具合の悪そうな振りをして、そうなのよ、死にかけの娼婦の役なのよとデュークに教えるようにやるところが上手い。
前方席だとよくわかるんだけど、望海さんは他の人がセリフを言ってる時も、それに合わせて細かいお芝居してるので、見てると面白い。

険悪な雰囲気になる舞台……
クリスチャンはデュークとサティーンがべたべたしてるのを見て怒って楽譜投げ捨て下手に。

「愛してる」
「当然でしょ、ばーか」

ここのニニとサンティアゴのキスシーン好き。
キスした後思いっきり手で押して、早く行けとばかりにサンティアゴを突き放すニニ。
ここのカップルだけは幸せになってもらいたいわ……

藤森ニニだとキスの後に唇を拭うんだけど、それも好き。

ニニとサティーンふたりきりになって、サティーンはニニに「サティーン、あいつは危険よ(あいつは危険なの)」と忠告される。
藤森ニニだとセリフが「あいつは危険なの」となって、よりデュークのことを知ってるように思える。

ニニから過去に、デュークを裏切った女の、相手の男はのどを切り裂かれてセーヌ川で発見され、女は顔に酸をかけられたという事実を知る。
裏切った女は画家たちのモデルをしていた美しい子。
画家

……画家……???

ロートレックも知ってた!?

デュークにプレゼンした時の即興劇で「セーヌ川にぷかぷか浮かぶ 昨日刺された水死体」って出てくるのはもしかして……?
劇中劇でアンリが「さもなくば、お前の美しい顔に俺の剃刀をお見舞いするぞ」っていうのももしかして
デューク!?
ロートレック怖いもの知らずすぎでは……
デュークに喧嘩売ってるようなものよね。

「自分を大切にして あなたの行く道はいばらの道よ」

と言って去っていくニニ。
ここも加賀ニニと藤森ニニは結構違う。
加賀ニニは、サティーンと向かい合って手を握って言う。
藤森ニニは去っていく途中で振り返ってこのセリフ。
どちらもサティーンが心配というのがわかって良い。

この後はロートレックの部屋に場面が切り替わり。
クリスチャンに会いに来るサティーン。
この場面のロートレックとサティーンかなり距離が近くない?
浮気疑われそう。

サティーンとクリスチャンがキスした後、サティーンとアイコンタクトをして去っていくロートレック……切ない……

「あぁ、受け入れてる」
「そうかしら」
「なんで、受け入れてる」

ケンカっぽくなる二人。
芳雄クリスチャン全然受け入れてないし、駄々をこねているように感じる。
ここは平原甲斐だとリアルなカップルのケンカのように見えるんだよね。

「一瞬でいい、ハッピーエンドを信じてみて」

ここが、甲斐クリスチャンだと本当に幸せなハッピーエンドしか考えてない。
すごく幸せそうに見える。
芳雄クリスチャンだと、何かを察している気がして、せつない気持ちになるのよな……
幸せにならないというフラグが見えている気がしちゃう……
特に望海芳雄の組み合わせは、幸せな二人の未来が見えない……
しんみりとしてしまうし、治らない病気の人にきっと治るよって励ますのに似ているような。
幸せな二人の未来を思い描くけど、それが来ない可能性を知っている二人のように見えてしまう。
なんでだろうね。望海さんが悲劇俳優だからか!?
そして、芳雄さんもそれに合わせるから余計悲劇的に見えてしまう?

平原甲斐組だと、だたのいちゃついてる幸せカップルなんだよ。
私にはそうとしか見えなかった。
本当にこのシーン、組み合わせによって感じるものが違いすぎる。

「口づけに溶けたい 君をただ愛したい」

歌いながら、芳雄クリスチャンはサティーンの左手の甲にキス。
手を握ってサティーンを椅子から立ち上がらせる。
ここがとても好き!
甲斐クリスチャンだと、サティーンの右頬を左手でなでるようにして、顔と顔が近づく。
甘い!
ここはどの組み合わせも甘い気がするな。

愛してるという歌詞が多いのが気になる。何回言ってる?

上手側の長椅子の上でふたりがおでこをこつん、としてライトが消え、上手にセットごとはける。

そのあと、「命が果てる日まで」とロートレックが屋根の上で歌うのよ。

追い出されたロートレックそこにいたの!?って思っちゃって、かわいそうになっちゃった……ロートレックも幸せになってほしい……

幕がばっと下りて影絵が映る。
幕が上がるとドレスを着た上流階級の皆様が。

デュークも登場し、ちらっと懐中時計で時間を確認。
そこへ「遅れてごめんなさい」と上手から赤いドレスで登場するサティーン。
このドレスもとてもきれいで似合っている。

「カルティエで腕時計を買ってあげなければ」

このデュークのセリフ、最初聞いたときに意味がよくわからなかった。
貴族的に、遠回しに嫌味を言っているのか?って思った。
遅刻するなよ?を婉曲的に、かつ貴族的に言うとそうなるのかなと。
正解がわからないけど、後の方で聞いたときは、軽いジョークのつもりかなと考えが変わった。
ジョークのつもりでも、カルティエで本当に時計買ってくれちゃいそうなのよな。
私も遅刻してカルティエの腕時計買ってもらいたい。
一番安い価格帯でも50万はしそうだよね。
持ってないけど数百万しそうなイメージしかない。

デュークにエスコートされて歩こうとするとき、サティーンの気がそれて、「ショーのことを考えてて」と言い訳する。
ここのサティーンが平原さんは真顔っぽいけど、望海さんは幸せそうな顔をしてた。
望海サティーンだとクリスチャンのことを考えてそう。
最初のころは望海サティーンも幸せそうな顔ではなかった気がする。

心が欲しいとか言い出すデュークに、「あげられるものは全てあげているわ、アンドレ」とサティーン。
ここで初めて公爵の名前がアンドレだとわかる。
デュークっていうのは公爵を英語で言うとデュークになるので、名前じゃないのよね。

そして邸宅を見せて、それが馬車付き、メイドも使用人も込みでサティーンのものになると教える。
デューク太っ腹すぎる。
私も家をぽんとプレゼントされたいわ。
伊礼デュークが格好良すぎて、私だったらデュークを取ってしまいそうだ。

ONLY GIRLの歌を歌いだすデューク。
愛して欲しい 私だけをと。
伊礼デュークだとこの歌の時に、首筋にキスをするんだわ。
リップ音付きで!!
後ろからちょっと首を傾けて。
サティーンの左の首に。

で、kデュークだと後ろからサティーンの左耳にささやく。
これはこれで良き!

基本的に伊礼デュークの方がサティーンに対しての密着度が高いかな。
サティーンの手を取って自分の右頬にすりすりしたりするしね……

サティーンを変身させてやろうと、高価なドレスに着替えさせるデューク。

そう だから 輝き続けるしかない

と、歌うサティーン。
平原サティーンのある回で、本当はこんなの嫌なのにと言うのが伝わって、悲痛な魂の叫びが聞こえるかのように感じたときがあった。
かわいそうに思ってしまったな……
泣いてるように見えたんだよね。

このお着換えタイムで、伊礼デュークだとアドリブでなにやら小芝居をしていてそれも気になる。
下手の長椅子に座ってるのだが、下手の袖の見えない部分に人がいるかのように、話しかけて何やら支持を出してるようにも見える。
ドレスの店のスタッフと雑談でもしてるのかなぁ。

この後の劇のリハーサルで、豪華な衣装で登場するサティーンとデューク。

「何て格好なんだ」

サティーンの出で立ちに、思わず声が出てしまうクリスチャン。

「女王様、最高 うっとりしちゃう」とベイビードールはサティーンをほめながら帽子と毛皮を受け取る。

劇を始めるといちいちデュークから重い、やりすぎだと茶々が入る。
イラつくロートレック。
しかし、もっとイラついてる人物がいた。
それはもちろんクリスチャン。

舞台上でケンカになるクリスチャンとサティーン。

「何考えてるんだ!」
「やめて」

このシーンで、芳雄さんの千秋楽が近かったソワレの公演時、すごく低音ボイスで怖い声色の時があった。
とても良かったが、この低音の怖すぎる芳雄クリスチャンが聞けたのは、この公演だけだった。
芳雄クリスチャン19回も見たのに!
その日のCRAZY ROOLINGは怒りがものすごかったのは言うまでもない。

このケンカで、甲斐クリスチャンだとサティーンのドレスを少しつまんで引っ張る。
こんな服着て、と批判する感じで。

「あいつが選んだばかげた服を着た君 着飾った忌々しいペットのように!」

さらにヒートアップして即興も始めるクリスチャン。

ここの芳雄クリスチャンは迫力がある。
怒ってるだけじゃないのよね、芳雄クリスチャンの場合。
サティーンに対して腹は立っていると思うが、それよりもなんで自分の気持ちが伝わらないんだ、こんなに愛しているのにと言い聞かせているようにも感じた。
ひたすらサティーンに対して言っているように見える。
わかってくれないサティーンに対しての怒りを感じると言うか。

甲斐クリスチャンの場合は、サティーンは自分のものなのに許せないという、独占欲と嫉妬から来る怒りのように感じる。
デュークの買った服を着るサティーンにむかついてしょうがなくて、その怒りをサティーンにぶつけているかのよう。
自分の感情をそのままぶつける感じ。
だからか、甲斐クリスチャンは即興部分のテンポがものすごく速い
自分の感情をぶつけるだけだから、相手の言い分とか聞いちゃいない。
望海サティーンと甲斐クリスチャンのほぼ間がないセリフの応酬にはびっくりした。

※解釈については人それぞれ感じることは違うので、私の解釈はこうっていうだけです。

これを踏まえて芳雄クリスチャンは愛が重い甲斐クリスチャンは嫉妬と独占欲って思ってる。

あとこの時の劇中劇だったかな。
最後の劇中劇に使われる幕の絵を、下手奥で描いてる人がいる。
この特徴的な顔の絵はロートレックのムーランルージュにてという作品の一部。

ヒートアップして、とうとうクリスチャンは「なぜ彼女はギャングを選ばない!」と言うデュークに

「彼女はあなたを愛していないからだ!」

と言ってしまう。

シーン……

静まり返る舞台、と客席。
やっちまったクリスチャン。
それは言ったらあかんやつ……

「彼を……彼を……彼女は彼を愛していない」

いやいや、そんな言い訳して取り繕っても遅いよクリスチャン!!!!
この後、橋本ジドラーだと笑いが起きる。
橋本ジドラーの頷き方が特徴的で、顔も面白いっていうか。

「この皮肉がわかるか 意識を変える必要がある!」

とめちゃ怒るデューク。

皮肉っていうか劇中劇の中身、どう見ても公爵がやってることだもんね!
みんな知ってるよ!

生まれる前から知ってた!
逆によく今まで怒らなかったよね!?

伊礼デュークだと意識を変える必要があると言いながら、片手の手のひらに、もう片方の手の甲をバチンバチンと当てて大きな音を出すので、より怒ってるのが伝わる。

デュークが怒って帰ってしまい、下手側で「定かではないが 演劇が誕生した古代ギリシャ以来、 最もひどいリハーサルだったかもしれないな」などと言いながら、仕込み杖をぱかっと開けて、お酒を飲むジドラー。

そういえば、史実のロートレックはお酒が大好きで、このジドラーと同じように仕込み杖にアブサンを入れて持ち歩いてたらしい。
史実のロートレックはアブサンのカクテルも考案していたとか。
「トランブルマン・ドゥ・テール」、フランス語で「地震」という意味でアブサンとコニャックを同量で割ったカクテル。
アブサンもコニャックも度数が強いからやばそう。
誰が飲むんだ……?

話を戻す。

「クリスチャンとはもう離れろ」
「出来ない…私はクリスチャンを愛している」

ジドラーに言われても拒否するサティーン。
望海サティーンだとかなりきっぱりと、きつめにできない、と言ってたように思う。
覚悟を決めた女って印象。
この後ジドラーに責められて色々言われちゃうサティーン。
ニニが、そしてほかの仲間がかばう。
ここが本当に可哀そうで泣きそうになってしまった時もあった。

大体さ、ジドラーもみんなもサティーンに頼りすぎじゃない?
サティーンがいなかったらデュークの支援もなく、もっと早くにつぶれてたんでしょ?
もっと優しくしてあげてよ。
責めるべきはあんな失敗やらかしたクリスチャンだろうが!?
サティーンはなぁ、お前らのことを唯一の家族と言って大事に思ってるんだぞ……

結核のことも皆にばれてしまうサティーン。
それでもデュークの元へ行く準備をする姿に心を打たれたのか、クリスチャンのことは俺に任せろと言うジドラー。

場面が変わる。
落ち込むクリスチャンと仲間たちのところに、パリ中の最低品質のシャンパンをかき集めたジドラー登場。
「絶対にショーの幕は上がる!」と言いながらシャンパンを開けるジドラー。

「夜、目を閉じれば彼女がそこにいる 朝、目覚めてもそこにいる 取りつかれているんだ……頭の中も生活も全部……」

寝ても覚めてもサティーンのことばかり考えてるクリスチャン。
彼女を忘れる方法として、緑の妖精、アブサンというお酒を勧められるクリスチャン。

アブサンに含まれるニガヨモギに幻覚作用があるとかで、過去に販売禁止になったこともあるお酒らしい。
でも、アブサンの幻覚症状の作用は、そこまで強くないことが現在では科学的に証明されてるらしい(夢がない)。
私もどんなもんかアブサンを買ってきて飲んでみたけど、水割り、ソーダ割、ジンジャーエール割などで試した結果、ジンジャーエールで割るのが一番おいしいのでおすすめ!
かなり香りがよく、ハーブというかスパイスの香りがダメな人はダメかも。
アニス(八角)の香りがダメだと無理かもしれないな。
色は薄い緑色で、舞台上のアブサンほど緑じゃないw
ちなみに売っている場所だが、ビックカメラが品ぞろえ豊富。
有楽町の2Fの酒売り場は数種類のアブサンが置いてあった。
成城石井とかにも置いてあったけど、1種類とか……

下の写真はミニサイズのアブサン。

1, 2, 3, 1, 2, 3 さぁ!

歌いながらジドラーがアブサンをクリスチャンのグラスに注ぐ。
アブサンが緑色に光っていて、注いだ時も相手のグラスが緑色に光るのが面白い。
アブサンを飲み干した時の効果音も鳴る。
結局合計5杯のアブサンを煽るクリスチャン。
あれだけ度数が高い酒を、ロックであんなに一気に飲んだら、そりゃ幻覚も見るよね!

何もかも見たくない

緑の妖精に扮したサティーン登場。
このアブサンの場面は、クリスチャンは舞台上いろいろ動き回る。
最後の方は下手の梯子の裏で、レザーのコートを着せてもらって、梯子にかかっていた布をカーテンのようにさっと開いて出てくる。
ここはちょっと上手の席だとコート着せてもらうクリスチャンが見えるw
結局忘れるどころか緑の妖精もサティーンだったので、忘れることできないじゃん!?
ここの場面の芳雄クリスチャンのお芝居すごいんだけど、表情とか動きとか、すごいんだけど言語化難しすぎて割愛。
みんな再演を見よう!

そしてこの後はロクサーヌへつながる。
そのあとの感想はその1で書いたので割愛。

そしてCRAZY ROLLINGへと続くが、前回書いてないことを書こうと思う。

ムーランルージュで何回か舞台機構トラブルがあった。
その中で、一番大きな舞台機構トラブルではと思われるのが、この私の大好きなCRAZY ROLLINGの前でのトラブルによる中断。

この時は、セットが動かず、場面切り替わらないからおかしいぞと思っていたら幕が下りてアナウンスが入って一時中断に。
待ってもなかなか幕が上がらず、アナウンスで休憩に入るとのこと。
席に立つ客もかなり多く。
再開時間はわからぬまま。

2分前に再開するってアナウンスが入り、 みんな急いで座席戻って直前までザワザワしてる状態。
幕が上がって拍手。
そして再開。再開まで25分くらいかかった。

幕が上がって右奥に座っている芳雄クリスチャン。

覚えてる  覚えてる  すべて失った日   そこはもう天国のようで

凄く集中力がある芳雄。
もうさ、芳雄クリスチャンが歌った瞬間に空気が変わる。
あんなにざわついてた客席が一瞬で、幕が上がったら静かになり、芳雄クリスチャンの歌に引き込まれる。

ついに君は暴かれた 裏切るならば裏切ればいい

凄く怒りを感じるクリスチャンだった。

しかし、少し残念だったのが、「お前の魂 空に放ち その運命に 感謝すればいい」とクリスチャンとサティーンが歌うところ。
カンパニーのみんなが後ろ向きで舞台奥に並んでいて、ダンダンダンダンとドラムの音に合わせて歌うところ。
ここのオケと歌の音が1拍くらいズレていた……
めちゃ冷や冷やした。
でもその場面、ずれたまま歌い切ったのすごい……

途中で合わせるのは無理なんだろね……

もうやめて  もうやめて  もうやめて  これ以上

最後に絵の描かれた幕が上がる。
この幕が見れるの一瞬なんだけど、ロートレックの絵なんだよね。
しかも、一枚の絵ではなく、何枚かのロートレックの絵を切り貼りした大作。
もう少し長い時間見せてほしい。
最初見たときはてっきり「ムーランルージュにて」という絵だと思っていた。
右下の顔の絵が特徴的過ぎて。
よく見ると踊り子いっぱい描かれてて違うじゃん!って気づいたという……
何枚の絵が使われているんだろう。
ロートレックに詳しくないのでわからないが。

この舞台機構トラブルのあった日、最後に電源をジドラーが落とす前に深々と松村ジドラーがお辞儀なさってました。

本当に無事に最後までできてよかった。

この日の観劇はひとりじゃなかったので耐えられた気がする。
ひとりだったら待ち時間辛かったな……

一時中断トラブルがあったものの、一回も休演することなく、この長期公演を千秋楽まで完走できたのは本当にすごいことだと思う。
素敵な舞台を見れて幸せな夏でした。
結局なんでこんなに通うことになったかはわからない。
ただなにも考えず楽しめて、しかも泣ける、曲も振付も大好きだったからかな。

再演も楽しみにしてます。

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