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フェミニズムを聞きかじってる私が今の時点で考えていること


        初めてのフェミニストの友達


「私はフェミニスト。」と名乗る人を初めて一番近くで見たのは、大学1年生の時、それは韓国人の女友達だった。食堂でお昼ご飯を食べながら彼女はなんでもないようにさらっと言った。

(男に厳しめの人なのかな、いやでもパートナーはいるのか。きっと彼氏は彼女のフェミニズムを理解する、そして彼女のテストを全てパスした完璧な男なのだろうな。 )

とかなんとか思った記憶がある。いずれにせよ、自分がフェミニズムにもっと関心を持つことになるとは当時つゆほども思っていなかった。

私の一番最初のフェミニズムに対するイメージは、
「女性の権利を主張し、なんなら男性を引き摺り下ろそうとする”過激な”人たち」というものだった。
しかも当時、<✳︎すっかり世界は男女平等だ✳︎>だと思っていた私はフェミニストの主張を少し”アンバランス”なものだとさえ考えていたかもしれない.....

フェミニズムについて触れ、学べば学ぶほどそんなことはないと分かってきたし、もっと知るべきだと思うようになった。

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高校生まで、男女差別のことなんて全然考えたことなかった。というかあんまり覚えていない。通学中に痴漢にあうこともなく、出席番号は男子が先の学校で何の疑問も持たずすくすくと育った。なんなら「女の子は楽でいいな」と思っていたかもしれない。

だから、今の中高生が「男女差別なんてない、それは差別ではなく女性の努力不足によるものだ。」なんて言っていても私はそれをバカにしたり批判したりする権利はない。そうだよね、そう思うよね....ウンウン。

私だって女だからという理由でキャリアを積んでいくことを諦めたり、殺されたりした経験があるわけではない。ただ、フェミニズムに触れていくうちにあまりにも自然に自分が抑圧されていたのことを知り、とても驚いた。

例えば...すっごく身近な例から話すと

「女の子なんだから、夜道に1人で歩くのは気をつけてね!」とか。
めっちゃ言われるやつね、私も言う。

高校生くらいの私だったら、(そうだよね、変な人いるかもしれないもんね。怖い怖い...)と思っていたし基本的には今でもそう思うから危険そうな道は避けて通るけど

なんでここまで女性の自衛ありきなんですか〜〜!とも思う。なんと伝えればいいのか難しいのだけれど....でも私には、この考えがワンピース加わっただけでも、今まで見ていた世界が少しずつ崩れ始めた。

ここで、The Powerというアメリカでベストセラーとなった本の紹介文の引用をする。

現実社会では、肉体的に男性が女性を圧倒することができる。だが、この小説では、新しく得たパワーのおかげで女性が男性を肉体的に圧倒することができるようになる。
パワーのおかげで社会の男女の権限も変化する。
政情が不安定なある国で残虐な女性が政権を握り、独裁者として男性の虐待を行うようになる。
電気刺激を与えられるパワーにより、女性は男性を虐待することもできるし、殺すこともできる。性交を拒否する男性に電気刺激を与えて勃起させることができるので、レイプもできるし、性奴隷にすることもできる。男の性奴隷の命は安いので、虐待して殺しても、利用する側には罪の意識はない。男性は女性の保護者なしには外出も買い物も許されなくなる。単独で行動すると、食べることができなくなり、女性集団から襲われ、性的に陵辱されたり、殺されたりする。
「子孫を残すために男は必要だが、数が多い必要はない」と男性を間引きする案も女性から出るようになる。
読んでいると、その残酷さに目を覆いたくなるかもしれない。男性読者は嫌悪感を抱かずにはいられないだろう。だが、これらのことは、女性に対して実際に起こってきたことであり、現在でも起こっていることなのだ。
オーダーマンのThe Powerは、「女性が権力を得たら、もっと平和な世界になるのに」といった甘い理想論を語る小説ではない。
「レイプされるのは、襲われて抵抗しない女性が悪い」とか「女性が独り歩きをしていたら、襲われても当然」、「嫌だといいながら、本当は楽しんだのだろう」といった男性の言い分に対する、非常に直截的な返答だ。そういう男性に対して、「パワーが逆転したら、あなたはレイプされて殺されてもOKなのでしょうね?」と問い返している。
この小説で、パワーを持って暴走し始めた女性が行う行動は、非人道的で、残虐すぎるように思える。女性読者である私にとっても読むのがしんどい部分が多いが、男女を置き換えれば、これらは男性社会が女性に対して実際に行ってきたことなのだ。まったく誇張はない。
なぜ、男女を変えただけで、これほど残酷に感じるのだろうか? そこを読者は考えるべきなのだろう。
男性ジャーナリストのトゥンデが男性の独り歩きで恐怖を覚えるようになる心理状態や、罪のない若い男がパワーを持った残虐な女らに玩具にされて殺される描写を読んで、現実の世界で女性が体験していることを、少しでも想像してほしい。

渡辺由佳里
ベストセラーからアメリカを読む
男女の力関係が逆転したら世界はどうなるのか?


これを読んでやっぱ女って慣れてるんだよな、被害に遭うことに...って思ってしまった。誰が犠牲になっても、心は痛めるし被害者が女性だった場合の方が悲痛さは増すという人だっているだろう。でもそれとこれは別なんだ。

痴漢のことも、「ひどい」とか「きもい」とかそういう声ももちろん聞くけど、うっすら(まあ女性にはよく起こるハプニングだよね、、仕方ない、命はあるし、)みたいな諦めを感じることもある。立派な被害だし、大声で訴えて然るべきことなんだけど、女性が虐げられることに生まれた時からじんわりと慣れさせ続けられてきたというか....また声を上げることで逆恨みされてもっとひどい事件になった話もあるしね。

とまあ上げ続けたらキリがないほど、道端にころころころころこんな類の話は転がってるわけです。私も毎回敏感に察するわけでもありません、日々(あ、全然気づいてなかった、)の連続。被害者意識を募らせているってわけではないよ、勘違いのないようにね☆

ここではフェミニズムについての本もまだあ〜んまり読んだことない私が、今考えてることをメモみたいに書いていく。これからどんどん変わっていくかもしれないけど、今の記録として。

本当に聞きかじっているだけの私なので、後から読み返すと(未熟だなあ...)と苦々しい気持ちになるんでないかと今から不安だけど、成長過程としてここに記す。


男のこみたいね、が褒め言葉だった


小学生くらいの頃、(男みたいになりたい)と思っていた。

男子に混ざってサッカーして、喋って「活発だね、男の子みたい」と言われると嬉しかったし、男友達に「mimiって、他の女子と違うよな〜」と言われると誇らしかった。

女子は裏で悪口を言ったりジメジメしている、とか男子の友情は熱くて固いとか生まれてたときからずっと慣用句みたいに耳にしていた言葉。身近に例があるわけでもなかったのに、そんなもんだと思っていたな。

高校生までずっとパティシエールになりたかった。日本で活躍する菓子職人たちが載っている雑誌をひらけば、ずっと出てくるのは男性パティシエの面々。とっきどき女性菓子職人の顔がのぞくのをみて、「ああ、菓子職人の世界では男性の方が優秀な人が多いんだな」となんの疑問も抱かずに思っていた。なんの悲しみも劣等感すら抱くこともなく。


女に生まれて辛い?


ここまで書いてきたけど、いざ女に生まれてきたことを後悔しているかと聞かれたら、返事は「いいえ。」

ほら!女性が受けている差別について文句は言っても結局は女でいたいんだろう!みたいにあげ足取るのはやめてね。

女に生まれてきたから受け止めなければいけない現実や困難はもちろんあるけれど、例え私が男に生まれ変わったとしてもその問題は以前としてまだ存在し続ける。
少なくとも当事者にはならない?いいえ、フェミニズムに関しては、というか世界中に転がってる全ての問題は皆が当事者。

そして、女性として経験してきたものがあるからこそより理解できることはあるし解決できるものもあると思っている。(女性以外からの支援は必要なし!って意味ではない。)

女友達とフェミニズムの話をしているときに冗談で、
「生まれてくる性別が違ったらな〜」と言われた時はなんだか泣いてしまいそうだった。(悲しかった理由:それがなんの解決にもならないことは分かっていながら、しかし頷いてしまうほどの切実感があったから)

私が男に生まれた場合、フェミニズムに関して全く興味を持っていなかったんではないかと思うと言葉も見つからない。(自分は性犯罪も犯さないし、女性のことを悪く言ったりもしないからまあセーフだろう)くらいにしか考えていなかったんじゃないかと想像してしまう。


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男が女を守るべき、と言ってるわけではない。
女は結婚さえすれば専業主婦やって夫の収入に頼っていけるんだから楽な人生だろ、と言う人。男女での賃金の差を無くしてください。女性が妊娠、出産してもスムーズに仕事に戻れるような環境を作ってください。子育てはやっぱり女性が一番だよね〜というスタイルも終わりにしましょう。

イクメン?ただの父親じゃん。


男も辛い?んか、そうかぁ


こうしてフェミニズムの話をしていると

『女ばっかり辛い辛いと主張して!男だって〜〜なことがあって辛いんだぞ』と絡んでくる人がいる。

それを聞くたびに(そうなんだ、可哀想だな)と思って

はいなかった、笑... でもモヤモヤしていた(まあ確かに、一理あるかも?でもそれでこっちの話を遮られるのは納得いかないな)と。思考が堂々巡りして足踏みしてしまう。

だから、フェミニストの韓国人の友達に聞いてみた。彼女は百戦錬磨だからあっさり答えてくれた、

「そんなんね、無視しとけばいいの。男の辛さで、女の辛さが帳消しになるわけではないんだから。男が辛いなら、男も声をあげればいいじゃん。少なくとも彼らがmimiの邪魔をすることは許されないよ。」

スッキリした、
こうして私はどんどん私の道を進んでいける。
(フェミニズムは私が何日もかけて悩んだことを時に瞬殺する。)


フェミニズムって男性を引き摺り下ろすもの、女性優位にたとうとするものだと勘違いしている人たちが過敏に反応しているなと思うこともある。

ここで朗報!

一緒に学んでいくと分かると思うけど、いわゆる男性のつらさ(過労死や自殺率の高さなど)も解消できる可能性をフェミニズムは秘めている。これは本当。

”だったら、フェミニズムって名称が悪いのではないか、響きがあまりに女性性がある、みんなが生きやすい社会を目指しているならヒューマニズムとかでもいいんではないか” という声があがるかもしれない。

それは、またちょっと違うと私は思っている。男女差のある不平等社会のまま、『みんなのために!』をスタートしても差は埋まるばかりかきっとどんどん歪んでいくだろう。フェミニズムはまず、その差を無くしていこうとしているのでまたヒューマニズムとは違う。

Black lives matterに対して、All lives matter を唱える人もいたね。そこらへんを調べたら、フェミニズムに対して「男だって辛い!」と反論する違和感に気づくかもしれない。

人)) 男女平等を謳うなら、レディスデイを無くせ〜!

私)) いいよ〜〜


(終)

ゆるっとしか関心なかったフェミニズムを真剣に学ぼうと思ったきっかけ


私がフェミニズムについてちゃんと学ばなくてはいけないと思ったのは、医大の女子受験生一律減点の事件が明るみに出たときだった。
これは本当にショックだった...せめて学生の時は少なくとも平等だと思っていた、今の時代。学ぶ場からも排除されて、何が男女平等参画社会だ。
(しかしここで「女医としてやっていくのは厳しい(が自分はここまで成し遂げた)」と自身を誇る方向に持っていく医者も数名出てきたのはさらに根深いものを感じた。)

「女性の参政権って、男性よりも遅かったんだ〜」とか特に何か感じることもなく(そういうもの)として社会を勉強していた中学生の私....
きっと当時って(昔は女性の権利も今ほど認められていなかったけど、これまでの人たちが耕してくれた平等な社会で私は生きていける、サンキュ〜)くらいの考えだったと思う。
高校を卒業すれば、皆が平等で実力もそのまま認められる社会に足を踏み出せると思っていた。

その時の教科書で一発後ろから殴られたような気持ちだった。
あなたが生きている時代でも似たようなことは起こっているんだよ、と。


こんな社会でまだ「女性の能力は男性より劣っている」と言い続けるの?

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教えてくださいと言ってくる人たち


「これの何が男尊女卑なのか教えて欲しい」と聞いてくる人はいる、正直まず自分で調べて欲しいと思う。聞く人は、”自分は関心を持ってやっているんだから何をしても許されるだろう”と思っていないか自分に問いかけてみて。いや、純粋に知りたいんだ!ってなるなら、そうか....

じゃあ自分で調べるだけのやる気はあるよね☆

『教えてください!』って言って、教えてもらえなかった場合
相手はあなたを勉強不足だ、話し相手にならない、と思っている可能性も考えた方がいい。

(でも建設的な意見をまじわすのは好き、そして違う考えの人または性差別を実感していない人の話を聞くのもとても興味深いときもある。)

女がもし男より力を持った場合、女尊男卑の世界になるんじゃないの?って聞いてきた人がいました。そうかもね。この男優位の世界も絶対に男の方が体力があってそれによって人間の暮らしのシステムや歴史は組み立てられていって今に至ると私は思っているので。女の脳みそが男の脳みそより生まれつき特別慈悲深いとか、思いやりに溢れているとかそういうわけではないと考えている。いわゆる(女らしい)性格、(男らしい)性格なども社会によって矯正されきた面もあると思うから。(ジェンダー...)

男尊女卑に脳みそまで浸かっちゃて、女とみると暴言吐いたり軽率な行動取ってくるGさんたちのことは正直諦めちゃってるし、asapで他界なさってください〜〜って感じで、彼らに丁寧に一から教えてあげよう(上から目線ですね...)なんて優しさは残念ながら持ち合わせていない。
もちろん彼らの言動を止めたり、時には妨害するけど、『なぜダメなのか』を懇切丁寧に教える義理はこちらにはない。根本的な解決にはなっていない、と言われるかもしれないけど、彼らに死ぬまでの時間で分かってもらおうとちゃんと(男女差別の歴史!なぜさっきの言動が最低最悪のものだったか!)などの説明をするよりも
若い世代に、いかにこのこびりついたように剥がれないしつこいこのウン10年前からの価値観から自由になるか、を伝えていきたい。私もまだ自由になりきってないし、伝え方も全然わからない。今は本を読んだり、すでに活動する人たちの話を聞いて彼らの言葉を少しずつ拾っていってる状態。


ミソジニーと男性嫌悪を一緒にしないでください

これは私のただの要望です、(終)


私がフェミニズムを学ぶ理由


それは、戦う上で必要な言葉をもっと知りたいから。今まで戦ってきた人々のことをもっと知りたい。知識をさらに身につけて、自分の不用意な発言で傷つく人を減らしたいから。わかりやすい言葉で、これからの若い人たちにより広い世界を伝えていきたいから。


私たちのような若い世代には、男尊女卑の思想はないと思うひともいるかもしれないけれど残念ながら実際そうではない。むしろ私は高校を卒業してから自分自身にも染み付いたミソジニーに気付かされたし、私の周りの同年代の発言を聞いていても(ん〜....)となることが多い、なん何年も同じ価値観で生きてきた人よりは、考え方とか新しくしていきやすいのかもしれないけれど、でもだからといって若い人たちの考えが一番新しいとは限らない。


私もフェミニズムについてはたくさん勘違いしていることがあったし、今もまだ入り口にたったばかり。
フェミニストの間でも、意見の違いはあるし受け入れられないことだってあるだろう。
私はできるだけ、わかりやすく、偏りなくフェミニズムのことについて伝えていけたらと思っている、今回はまずそのために文章を書いた。


きっと最後まで読んでくれた人は、フェミニズムに興味があってちゃんと考えている人だと思うので私の文章よりも、本読んだ方がいいかなとは思うけど本当にありがとうございます。


それでは〜












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