[EPSON]R-D1

2004年に発売されたデジタルカメラで、レンジファインダータイプのカメラとしては世界で初めてデジタル化されたモデルです。レンジファインダーデジタルカメラといえばライカですが、それよりも早く製造されました。

・レンジファインダーカメラのデジタル化
光学式ファインダーを備えながらも、デジタルセンサーを搭載しています。従来のアナログレンジファインダーカメラの操作感や外観を守りつつ、デジタルの利便性があります。

1.イメージセンサー
APS-CサイズのCCDセンサーを搭載。有効610万画素。最大ISOは1600。

2.マウント
ライカM互換のVMマウントを採用(当時EPSONはEMマウントと言った)。
マウント部から20.5mm以上深く入るレンズは装着できない。沈胴式レンズを使用する際は、沈胴厳禁。ライカMマウントを使用できるのも魅力。EPSONはコシナ・フォクトレンダーのレンズを推奨している。

3.液晶ディスプレイ
2.0インチの23.5万画素低解像度液晶モニターを背面に装備。現在のものと比べると描写は甘くフォーカスが合っているかの確認も危うい。レトロ感もあるのでファインダーで合わせるのが無難。

4.ファインダー
等倍の光学式ファインダーを採用し、28mm,35mm,50mmのブライトフレームが表示できる。切り替えは手動。パララックス自動補正機能搭載。

5.メディア
SDメモリーカードを使用し、RAWやJPEG形式での画像保存が可能。2GBまでのSDカードしか使えないので注意。

6.露出
絞り優先AEのみ。

7.バッテリー
EPSON製EPALB1を使用。だが純正品を新品で手に入れるのは難しく、互換品で対応する。
*互換型番*
FUJIFILM
NP-80

KODAK
KLIC-3000

RICOH
DB-20
DB-20L

TOSHIBA
PDR-BT1
PDR-BT2

京セラ
BP-1100R


・デジタル?フィルム?
R-D1は正真正銘デジタルカメラながら、様々なフィルムカメラ要素を残している。コシナ・フォクトレンダーのベッサR2をモデルとし外見はかなり似ている。軍艦部にはダイヤルと、針による指標計がありデジタルとしては異様な設計。左側のリワインドダイヤルに似せたダイヤルは、設定変更などに使用する。巻き上げレバーのようなレバーがあるが、当然巻き上げレバーではない。これはシャッターチャージレバーとなっておりチャージしないとシャッターが切れない仕様である。

1.針による指標計
左からホワイトバランス、中央撮影可能枚数(周りのダイヤルに描かれている数字と対応する)、右画質、下バッテリー残量となる。

・マイナーチェンジ
「R-D1s」「R-D1xG」とマイナーチェンジをしているが性能はほとんど変わらない。R-D1、R-D1sはディスプレイがバリアングルではないが反転できる。R-D1xGは唯一、背面液晶が固定で2.5型に。SDHCカード(32GB)まで対応した。
ただし作りは「R-D1」と「R-D1s」「R-D1xG」で違うようで、R-D1はメーターの調整をセルフでできるが(推奨していない)「R-D1s」「R-D1xG」のふたつは作りが複雑化されセルフ調整すると合わなくなることがある。


当時としては賛否両論のカメラであったが現在では、M型の先駆け、またフジフイルムX100シリーズの人気もあり一部では人気のあるカメラである。操作性においては、最新型と比べると不満点は出るものの写真は悪くない。CCDセンサーやEPSONとしての色つくりによりレトロ感のある、濃いめ味のある写りになる。

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