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旅の記憶

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大学在学中に各国を巡った旅の記憶。いつかまた旅する日のための備忘録。
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1.5ドルのコーヒーとドーナツ

1.5ドルのコーヒーとドーナツ

2021年のある日、InstagramでTim Hortonの写真を見かけて、ふっと懐かしい思い出が蘇った。

大学1年生の春休み、私はカナダのバンクーバーで語学学校に通っていた。バンクーバーの中心地にある語学学校の帰り道、毎日寄っていた場所がTim Hortonだった。
Tim Hortonはカナダのコーヒーチェーン。物価の高いカナダでもお手頃価格でコーヒーとドーナツが売られていて、アメリカで言

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無愛想と微笑みのギャップ、大戦の歴史

無愛想と微笑みのギャップ、大戦の歴史

もう一度行きたい国を聞かれたら、間違いなくトップ3に入るのはポーランド。特に、趣ある町並みが心地よいクラクフ(Krakow)の街を挙げるだろう。
初めての東欧、旧社会主義国。留学していたオランダが属する北西ヨーロッパとは、国民性も文化も大きく異なる国。

振り返れば、思い通りにいかないことの多い旅行だった。オランダからの飛行機は遅延に遅延を重ね、予定より7時間遅れて到着したり、急遽予約したホステル

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誰もいないクリスマスの街、深夜のバスターミナル

誰もいないクリスマスの街、深夜のバスターミナル

2年前のクリスマスは、イギリスにいた。
クリスマス休暇を利用して、当時留学していたオランダから、イギリスで留学している友人たちを訪ねる旅を計画していた。

クリスマス・イブの24日に、マンチェスターで留学する友人Rが住む寮に到着。留学生向けの大学寮は、私の友人の他に人気がなく、しんと静まり返っていた。
欧州では、クリスマスである25日は小売店はおろか、公共交通機関も全てがストップし、「家に籠もらざ

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