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熱海旅行:無駄話をする余裕を失っていませんか?

こんにちは。社会福祉士、精神保健福祉士のHinaです。先週末、父と母と3人で旅行に行きました。行き先は熱海。新幹線を使えて非常に便が良く、海産物がとても美味しくて大満足の旅でした。
今日はそんな熱海旅行が、実はすごく退屈で、退屈ゆえに幸せだった、というお話です。熱海旅行のお話も含めて、記事にしてみます。


◇日本一短いロープウェイと割高のビール

熱海駅に着いたのが10時過ぎ。そこからタクシーでロープウェイ乗り場に行きました。
→タクシーを使いましたが、熱海は基本的にどこでも歩ける距離にあります。坂道で少ししんどいこともありますが、足腰に痛みがなければ一泊二日くらいは歩いて移動することも可能です。

道中、廃墟となったホテルがいくつかありました。タクシーの運転手さんが教えてくれましたが、廃墟のホテルたちの間には、かなり急で長い階段があります。かつて国道までの近道として使っていた階段のようです。見つけた方はぜひその驚きの傾斜を直接ご確認ください。

ロープウェイ(往復¥700)

平日ということもあり、ロープウェイ乗り場の人は少なめでした。しかしながら春休み中の大学生と、春節中の中国人観光客がちらほらいました。ちなみにこのロープウェイ、日本で一番短いそうです。片道3分でした。

ロープウェイを登ったら、熱海を一望できるスカイデッキで休憩。
「コンビニでビール買ってこれば良かったー」と言う父に対し、「このデッキでビールを購入することがこのデッキを保つ財源になるんだよ!!」と力説する娘。
「観光地のビールはぼったくりだ」と言う母に対し、「物の価値は材料費だけじゃなくてその土地で働く人の希少性にも影響を受けるんだよ!!」と力説する娘。
観光地で気持ちよくお金を払える人を増やしたいな・・・と思いました。

◇インスタ映えを目指した商店街

商店街は昔より華やかになっていましたが、老舗のお店やお茶屋さん、干物屋さんが立ち並びホッとしました。しかし行列になっているお店は干物や温泉まんじゅうではなくクレープやパフェ。昔からやっているであろうお団子屋さんでも、インスタ映えを目指したであろう見た目の商品が並び、私たち若者がそういったものを選んでしまったせいで、味で勝負してきた売り手を変えてしまったのかな・・・と罪悪感が芽生えました。映えでもなんでもない、シンプルなお団子をいただきました。
売れるかどうかを気にして商品を変えていただくのはいいことですが、その風習が強まり過ぎて売り手の気持ちを削いでしまわないかが心配です。
改めて、見た目云々ではなく価値あるものかどうかにフォーカスを戻してお金を払いたいなと感じました。

◇暇になってしまった午後3時

ということで、商店街を含めある程度行きたかったスポットは制覇し、15時。やることがなくなり、早めにチェックインしました。今回泊まったのは「リゾーピア熱海」さん。海の目の前にあるホテルで、景色がとても良い。波打つ熱海の海を見つめてゆったりできるお宿でした。

「さて、この後どうしようか」
ということで、温泉で温まったりホテルの中をうろうろしたりしましたが、17時前にはやることがなくなってしまった私たち。「夕食の時間までまだしばらくあるけど、寝るにはもったいないよね・・・」

実は熱海旅行中、このような「ちょっと退屈な時間」が結構ありました。新幹線の道中やタクシーの中、スカイデッキでのゆったりタイム、商店街を歩いている時など、なんでもない時間が多かったような印象です。
家族で横浜に行ったときや、大阪に行った時などは、次々と現れる新しい建物やお店を見るのにとても忙しかったのです。「次はあのお店に行こう」「もう行かないと次に間に合わないよ!」と、「この後どうする?」なんて言っている余裕はありませんでした。
しかし熱海は新しく珍しいものを楽しむというより、のんびりする土地です。さらに初めて尋ねる土地ではないということもあり、「この後どうする?」というなんでもない時間がとても多かったのです。
実は、今回の旅行で一番幸せだったのはこの「なんでもない時間」でした。

◇「何をするでもない」幸福

新幹線の中、歩いている道中、スカイデッキで海を眺めてのんびり、温泉でダラダラ・・・
一見「省いたほうが効率良さそう」と言われてしまいそうな無名の時間。本当にしょうもない会話がダラダラと流れていました。しかしその中で、ふとした瞬間に本音がポロッと出たりするのです。
普段であれば、実家で家族と話す時間はあっても、用が済めば帰宅します。電話をしていても同じです。しかし、旅行中は用事がなくても話します。そこでポロッと、最近あった嬉しかったこととか、逆に不安なこととか、つい言葉に出てしまうものなのだと思います。
そして、そういったポロッと出たなんでもない本音のやりとりができると、私は「こんなくだらないやり取りができる関係性っていいな」と幸せで安心した気持ちになるのです。

普段、家族や職場の同僚とは、意味のあることしかやり取りしない普段の忙しない日常を送りがちだと思います。早い話私は、私にも相手にも「無駄話をする余裕」を感じられない日々を過ごしているのです。
相手にとって有益なことを話そうとか、無駄な発言は控えようとか、そのようなことばかり考えていると、人との関わりがあるのになぜか孤独感を感じます。
旅行中のなんでもない時間に、その孤独感とは反対の幸福を感じました。

ということで、今回は熱海旅行のレビュー(?)と、のんびり旅行のメリットについてお話ししてみました。
なんでもない時間に救われた週末でした。

では、また💐

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