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「相談してね」で機会を奪う先輩

こんにちは。
社会福祉士、精神保健福祉士のぽこです。


◇雑談
私は昨年の7月から、近所にオープンしたジムに通っています。
一応全国にもありますが、5箇所程度しかありません。
そのため、ジム側としても手探りの経営のようで、毎月のように新しい取り組みが始まります。
新しいクラスのレッスンやハーブティーの提供、マルシェの開催やホームページの改良・・・
日々変化する様子を見ていると、お客さんのニーズをうまく掴んでいるなと思います。
それもそのはず、そのジムの店長さんは利用するお客様とよく雑談をしているのです。
雑談の中でニーズを拾い上げたり、新しいサービスへの評価をもらっているのだと思います。
周りのジムよりも少し価格が張るのですが、この空間を残しておいて欲しい!と思うと気持ちよく会費を支払えます。
今まで通っていたジムに対しては、週に何回行けるか、1回あたりいくらで使えるのかなど、自分の損得感情で考えてきました。
しかし今のジムにしてから、そのジムには長く続いてほしい!という思いです。
続いて欲しいものに対して継続してお金を払う=投資している気分です。

◇相手の思考機会を奪っていないか?

さて、今日は”相手が考える機会を奪っていないか?”という視点です。
昨日、後輩に引き継ぎ指導をしました。
来週から、今の私のポストに入ってくる後輩。
大学の後輩でもあり、非常に連携しやすい立場にいます。
そんな彼女に対して、私は去り際に「いつでも相談していいからね!」と伝えました。
しかし帰宅してからふと、自分で考える力を奪ってしまっていないか?と思い直したのです。

・いつでも相談”してね”

今の私の上司、つまり後輩の上司になる予定の職員たちの間では、暗黙のルールが蔓延っています。
事業所で起きていることは全て把握し、全てに関わっていたい所長。
手間をかけてでも利用者支援を優先したいベテラン相談員さん。
逆に、なるべく時短で効率的に進めたいママ相談員さん。
私は今の事務所に勤めてから3年間で上司たちの性格をなんとなく感じとり、それぞれに工夫して接してきたつもりです。
それに対し、年下の後輩はギャル気質です。
既に事務所の中で「あの子で大丈夫かな・・・」などと囁かれてしまっている現状が気がかりで、「いつでもなんでも相談してね」という言葉が出ました。

しかし、私なりの”うまくやるコツ”を伝えることが彼女にとっていいことなのか?と疑問が残りました。
私なりの上司との付き合い方は、あくまでも私というフィルターを通した工夫です。
彼女には、彼女なりの見え方があります。
その見え方に対して彼女自身が工夫をするのもまた、人生において必要なことなのではないかと思うのです。
彼女が上司たちと接しながら「うまくいかない」と困るタイミングがあるはずです。
そんな時に私が事前知識を入れすぎると、彼女が上司との関わりで困った時に頭をよぎる思考が偏るかもしれません。
「なんで上司は怒っているんだろう?」という思考ではなく、「先輩が言っていたから○○で怒っているんだろう」という安直な想像に偏ってしまう可能性があるのです。
”困って考えるチャンス”を、私の「困ったら相談してね」の一言が奪ってしまうのではないか?と思いました。

・なぜ相談して欲しいのか

彼女が心配だから、という理由で相談しやすい環境を整えようとしましたが、その理由だけじゃない気がしました。
そしてよく考えてみると、”彼女が心配=彼女の生き抜く力を信じていない”という不信感に繋がっていました。
彼女の生き抜く力というのは、彼女が彼女なりのやり方でうまくやっていく力のことです。
そこに、”今の私のやり方でうまくやっていく”ことは必要ありません。
しかし私は彼女に相談を促すことで、「私のやり方を教えてあげよう」と思っていました。
結局、彼女なりのやり方で業務が進むことが不安だったのです。

・理想の後輩指導とは

とはいえ、後輩に何でもかんでも託すのは無責任です。
では、何を教え、どこから託すのが良いのか。
教えるべきこととして、客観的な事実と主観的な話に分けることができます。
○客観的事実
・分かりきっているタスクや業務の存在
・その業務の基本的なやり方や流れ
・その業務の明確なルール
・暗黙のルール
○主観的なこと
・上司の性格と、気をつけたほうがいいこと
(報告をするならこの人を先に、この人にお願いするときはこのくらい前になど)
・私なりの業務の進め方

こんなふうに、基本的には変えられない部分と、彼女の裁量で変えても構わないことについて分けて伝えるのがいいのではないかと今更ながらに思います。
今後後輩指導する時に、後輩の考える機会を奪うことをしていないか?と配慮しようと思いました。

ということで、この時期らしい異動と引き継ぎについて考えてみました。
では、また💐

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