見出し画像

「もっと頑張ろう」の危うさ

何かに失敗したとき、予定よりもうまくいかないとき、無意識に「もっと頑張ろう」「もっと頑張らなきゃ」と思う人が多い。

「もっと頑張ろう」はもっぱらポジティブで前向きな言葉ですが、これには見落としがちな危うさがあると思います。まず前提として、成果というのは次のように表されることを確認しておきます。

成果=努力量×その努力の効果×能力

頭のいい人なら体に染み込んでいるプロセスだと思いますが、失敗した時にまずすべき事とは

「失敗した過程を分析し、何が失敗の原因で何をどう改善すればいいのか検討する」

という事です。つまり、上に書いた式の中で足りなかった因数は努力量なのか、その努力の効果なのか、それとも能力なのかを分析する、という事です。

分析の結果、努力量が足りなかったのなら「もっと頑張らなきゃ」が正しいリアクションだと思います。

しかし、分析の結果足りなかったのは努力の効果や能力だったとなれば話は別です。

努力の効果はその努力のやり方や方向性、周りの環境や使っている道具などさまざまなものに左右されますから、足りないのが努力の効果だと判明したのなら更なる分析が必要になります。能力が足りないのなら諦めるなり能力を伸ばすため自分に投資するなり、他の行動が適切です。

「やってもやっても努力が実を結ばない」という人はそもそも成果が冒頭の式のように表されることを理解していなかったり、分析のプロセスを飛ばしていたりします。

「もっと頑張ろう」という言葉は自分を鼓舞し、前向きな気持ちにしてくれる言葉でありながら、無意識に失敗の責任を努力量だけに押し付けて分析を避けさせる言葉でもあります。これが「もっと頑張ろう」の危うさです。

あなたの「もっと頑張ろう」が「しっかりと分析して次回はより良い結果を出そう」という意味なのか、「もっと努力しよう」という意味なのか。

一度それを確かめてみると良いかもしれません。




サポートよろしくお願いします! いただいたお金は、本かご飯に使わさせていただきます!