某”ケーキの切れない”に思うこと

 皆様は、「ケーキの切れない非行少年たち」という本を知ってるだろうか。

 本の詳しい概要は、「児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いるが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。(「BOOK」データベースより)」という内容であるが、一つ個人的に気になった点がある。

作中で、少年院にいる非行少年は「ホールケーキを3等分することができない」ほど認知機能に問題があると言われている。…はて?

いやいや、非行少年じゃなくても多分3、4割の人は「ホールケーキを三等分にしてください」と言われても、「あれ、三等分ってどんな風に分ければいいんだ…?」ってなるわ!四等分、八等分ならまだしも、「今からこのホールケーキを三等分にしてください」と急に知能テストされたら、「どうやるんだっけ」と戸惑って不正解者連発するわ!作中じゃ簡単な問題のように言っているが、どこが簡単やねん!少年院だけでなく、もっと他の所でもこの知能テストさせて来い!きっと3、4割の大人が間違えるわ。そして、今度は「五等分に切れない」と宣いやがった!これも何割かの人が混乱するわ!

日常生活で、ケーキを三等分にするなんてなかなかやらんわそんなこと!三等分や五等分なんて四等分や八等分よりキリが悪いやないか!もし3人家族の世帯がホールケーキ買ったとしても、三等分にするより八等分にカットして保存する家庭の方が多いやろ!5人家族の世帯にしても、五等分にする世帯は少ないやろ!

そして困ったことに、この本ではケーキを三等分(五等分)に出来ない奴は、非行少年になりやすいと言っている。というかこういうノリで書かれている。いや待て待て待て、非行少年の中でも、三等分(五等分)を理解してカットできる奴もいれば、東大生や京大生とかの名門大学の奴らの中に少しぐらい、ケーキを三等分(五等分)に出来ない学生も居るかもしれねぇぞ。こんな簡単なテスト1問で、”あなたは非行に走りやすい性質です”って判断できるのかいな。もっと手の凝った問題を20問、30問ぐらい用意せんかい。こんな問題で人を計るのはホント早計やわ!

まぁでも実を言うと、立ち読みしたくらいで買ってはないんですよね、この本。どうも「ケーキを三等分に切れない」が引っかかってしまって、なんやこの本なんて思いましたが…。令和のトンデモ本だとおもうけど、今度ちゃんと買って読んでみようか…。