見出し画像

近所にあったらいいなと思う本屋

旅先でも本屋さんがあるとついつい入ってしまう。
どんな本が置いてあるのか、小さい本屋さんも店主によって
違う。ネットで本も買えるけれど、やっぱり足を踏み入れて
直接パラパラとめくって買うのが好きだ。

8月の終わりに東北に出かけて、旅の最後にたどり着いたのが
青森県の八戸。事前にあまり情報を調べずに行くことが多いので
お宿についてから、付近の地図を見ていて、オッと思う本屋さんを
見つけた。

名前も八戸ブックセンター。
お宿からも近いので、歩いて行ってみると、なんと無料の本屋ツアーがある。

本屋ツアーに参加する

早速、申し込んでみると、ショートカットのメガネをかけた女性がやってきた。
オットと二人でよろしくお願いしますと、挨拶をして、ツアー開始。

八戸ブックセンターはなんと、八戸市が運営しているという。
市が運営しているなんて、珍しい。

まずは、本屋の中にあるギャラリーを見せてもらう。
ちょうど、展示の入れ替えの時期だったので、展示はしていなかったのだけれど
入り口近くにある展示スペースは程よい大きさでいい感じ。

続いて「本の塔」、一人がけの椅子の周りは本棚。ちょっと奥まっていて
すっぽりはまるので落ち着く感じ。

本の選書もユニーク。八戸ゆかりの作家さん、「知へのいざない」
「人生について」考えるコーナーが分かれている。ハンモックが
置いてあり、ゆったり選べる。

八戸市にある他の本屋さんと競合しないように、普通の本屋さんでは
いわゆる「売れない」本も置いているらしい。

さらに、市民の作家を育てる試みとして、カンヅメブースがある。
執筆する部屋として、利用可能とのことで、八戸市民でなくても
登録すれば利用できるらしい。本屋さんの奥まったスペースに
置いてあるのは、スタンドライトと机と椅子のみ。
原稿用紙か、パソコンを持ってくれば、作家気分になりそう。

本棚を囲んだ真ん中にはなんと、読書会ルームもある。
本棚の中に入った気分で楽しい。ブックセンターで企画した読書会の
他に、市民が自分たちで企画して読書会を行うことができるみたい。
読書会ってまだ参加したことがないけれど、近くにあったら是非とも
参加してみたい。

最後に、ツアーを案内してくれた女性が話してくれたのは
どうして、八戸市が本屋さんをやっているのかということ。
確かに、どうしてなんだろうと。
市がやるのは図書館が一般的だけれどと思っていたら、
やはり、よく聞かれる質問らしい。

前の市長が本好き、さらに本屋さんの文化が好きだったとのこと。
図書館で本を借りることもいいけれど、本を本屋さんで買うという
この文化をなくしたくなかったという熱い思いがあったらしい。

確かに、図書館で本を借りられるというのもいいのだけれど、
迷いに迷って、本を買うというのも、やっぱり大事な経験だと思うから。

八戸市、やるなぁと思った。

ブックツアーを出た後は横丁めぐり。
小さな飲み屋さんがたくさんある路地をめぐって
お酒を飲みながらいい町だなぁとオットと話す。

本屋さんがある町は魅力的だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?