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珠洲を想う


はじめに

令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた珠洲市は母の実家や先祖代々のお墓がある場所で、さまざまな思い出もあります。子どもの頃は同じ県内にあるのにやたら遠くて車で4、5時間かかってやっと辿り着く場所でした。のと里山海道が開通してからはだいぶ体感的に近くなりましたが、今回の地震でまた遠い場所になってしまいました。石川みち情報ネットによれば七尾以北ののと里山街道は今日現在通行止め、金沢から珠洲に向かう高速バスも再開の見込みは立っていません。

地震による被害状況

北國新聞によると今回の地震による珠洲市の死者は1月11日今日現在98人、行方不明者は3人です。令和5年版の珠洲市の資料によると令和4年の珠洲市の人口は12,947人ですから、市の約0.75%の人が亡くなったことになります。

一方、住宅被害については今年1月2日に珠洲市の泉谷市長が

市内の6000世帯のうち9割が全壊またはほぼ全壊だ

毎日新聞1/2(火)

と語っていますが、まだ全容はわかっていないようです。ちなみに母の実家とその向いにある叔母の家も全壊しましたが、幸い叔母夫婦はデイサービスに行っていて命拾いしたそうです。もう一人の叔母の家はなんと壊れずに住める状態だそうで、まだ家で生活し、食事だけ避難所にもらいに行っているそうです。

石川県危機管理室の資料によると、1月9日の時点で珠洲市には67の避難所が開設され、5,892人、つまり全人口の45%の人が避難しています。また孤立・要支援集落は6地区360人です。

また珠洲市では災害救助法による住宅の応急制度の受付も始まっています。と言っても全壊していても応急的修理の費用として補助されるのは最大706,000円。胸が痛みます。

インフラ状況

電気

北陸電力の停電情報によると今日現在、珠洲市の4700戸で停電が発生していているとなっていますが、先ほどの市長の発言と合わせるとこれは全壊した家の数と考えて良いのかもしれません。

水については珠洲市の防災情報のページで給水所や入浴サービスが紹介されています。つまり家の水道は使えないところが多いけれど、給水所や入浴サービス提供場所に行けば飲料水も入浴もできるということでしょうか。

ゴミ収集

同じ防災情報のページに燃やすゴミに限って収集再開となったとありました。

通信

通信についてはこちらの日経ビジネスの記事によると、1月9日の午前の時点では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルで合計400局以上が停波しているそうです。しかし例えばNTTドコモの復旧エリアマップを見てみると、かなりの数の移動基地局を使って通信を復旧させ、さらには無料充電サービスも提供しています。避難所にいる人が多いと考えるとこの方法でもかなりの人が通信を使えているのかもしれません。

救援物資

珠洲の避難所で支援活動を始めている今村さんの1月7日の記事には

一昨日、昨日、珠洲市にも多数の物資が届き、急遽、物資はかなり充実しました。たくさんの方々の想いが元気玉となってここに届いたおかげだと思います。

物品支援をご検討の方に知っていただきたいこと(石川県珠洲市の現場から)

と書いてあります。また地域のスーパーも時間限定で再開したそうです。

自治体の対口支援

石川県危機管理室の資料によると、総務省の応急対策職員派遣制度に基づいて浜松市、福井県、千葉県、山梨県、兵庫県、千葉市、神戸市、熊本市が対口支援チームをつくって珠洲市に派遣し、避難所の運営などをサポートしているそうです。現在107人が派遣されています。兵庫県や神戸市、熊本市など大きな災害を経験した自治体からの派遣はとても心強いはずです。

対口避難については神戸市がnoteで詳しく説明しています。

2次避難

石川県危機管理室の資料には、2次避難のことも記されています。

これまでは、孤立集落の早期解消に向け、各市町や、避難所、地元NPOなど民間の方からの個々の情報を元に、県災害対策本部において、自衛隊と連携の上、被災者の小松基地への輸送や民間バスによる金沢市への移送を実施。

石川県危機対策課

なんだかちょっと変な文章ですが、とにかく大規模移送が想定されているようです。避難所の生活は不便でしょうが、揺れが小さめの金沢以南に行ったほうが今は安全です。

まとめ

以上、今の珠洲市はどうなってるんだろう?という疑問に対し、一つ一つ調べて書いてみました。ざっくり書くと、いまだ交通は分断され、ほとんどの人が家を失い、水に不自由し、自治体は大規模な2次避難を考えている、という状況です。

被災された皆様、復興には時間がかかるかもしれませんが、今はどうか安全にお過ごしください。一日も早く平穏な日々が戻るよう祈っています。



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