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その時あなたは何してた?: 2016年 ケンブリッジ・アナリティカ事件

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いよいよ今週でこの企画もお終いかと思うと何か寂しい感じがしますが、1985年から1年ずつ振返ってきて、残すは5回分。楽しんでもらえるように残りを頑張ります!

2016年、ついこの間のようですが、もう5年も前のことなんですね。あの人がまさか大統領選挙に勝つなんてことが起こったのは⁉

この年の新語流行語大賞は「神ってる」受賞者は、緒方孝市(広島東洋カープ監督)、鈴木誠也(広島東洋カープ外野しゅ)でした。

主な出来事は、伊勢志摩サミット開催、米大統領選でトランプ氏が勝利、英国がEU離脱決定、「山の日」制定、Bリーグが開幕、白鵬が通算1000勝達成、天皇陛下退位のご意向、オバマ大統領歴史的な広島訪問、日銀マイナス金利導入などでした。

2016年「ケンブリッジアナリティカ事件」

ケンブリッジアナリティカは、会社の名前です。

ケンブリッジは、イギリスの名門大学ケンブリッジ大学を指していて、アナリティクス(統計)を連想させるアナリティカを加えた社名で、選挙コンサルティングを生業としていました。

ケンブリッジアナリティカでは、長ったらしいので「CA」と書きましょう。さて、CA事件が判明するのは、2018年にクリストファーワイリーの内部告発によってでした。

告発の内容は、Facebookの個人情報を不正に入手して2016年のブレグジット国民投票と米国大統領選挙でCAが、マイクロターゲティングに活用していたことが判明したことから、事件として表にでてきました。

CAは、本当に人々の投票行動をコントロールしたのか?少しむずかしい用語が出てきますが、一緒にみていきましょう。

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人々の投票行動をコントロール⁉

2013年3月11日、ケンブリッジ大学の研究者らは、Facebook上5万8000人のユーザーの「いいね」を調査することでユーザーのIQや性別、性的指向、政治的信念、宗教的信条、さらには薬物使用までを80%以上の精度で特定できたと発表しました。

恐ろしいことに50個の「いいね」を分析すれば、性別は75%が判明し、年齢までもが65%的中するというものでした。「いいね」の分析数が増えれば、的中率はますます上がり、250個の「いいね」を分析すれば、性別なら90%が的中したそうです。

この研究成果を基に2013年、イギリスロンドンに本社を置くCAが誕生しました。

イギリスの実業家アレクサンダーニックスによって設立されたこの会社は、「データマイニング」「サイコグラフィック」によるデータ分析に基づく「マイクロターゲティング」を行う選挙コンサルティング会社でした。

トランプ大統領の選挙最高責任者、スティーブバノンは、CAの役員でもありました。

CAは、2016年6月に行われたブレグジット選挙(イギリスがEUから離脱すべきか、その是非を問う国民投票)において、賛成派の選挙コンサルタントに起用されました。

ブレグジット選挙の結果に影響

それまでの世論調査を覆す離脱賛成となりました。

Facebookの開発者用ツールを活用して、不正に集めた個人情報を基に反対者の中で、説得可能な個人を特定して、離脱賛成投票に結び付く誘導広告・政治広告を打ち続けた結果だったことが、2年後に明らかになりました。

トランプ大統領の目利き力

トランプさんの凄いところは、ビジネスマンとしての損得勘定の目利き力の凄さです。

大統領選挙に立候補するまで、トランプさんは、個人的にパソコンが嫌いでモバイルデバイスでSNSを使うことはなかったそうです。

しかし、SNSが選挙を勝ち抜くための有力な武器になると腹落ちした瞬間からツイッターのヘビーユーザーに変身したそうです。

そしてCAのマイクロターゲティングを選挙戦に最大限活用しました。

マイクロターゲティングとは、例えば、潜在的に投票場に行く可能性はあるが、投票行動が揺れている層を特定して、次のようにアプローチします。

「銃は危険だ」というニュースに影響され不安を感じやすい性格の人には、銃は、「護身に役立つ」というメッセージが入った政治広告をフェイスブックで届けます。

一方、他人への同調性が強い人には「銃所持は、アメリカ合衆国憲法修正第2条で認めてきた人々の権利であり、他の人もそう思っている」と別の情報を届けます。

また、脅しに弱いタイプの人には「あなたが銃規制を支持するクリントンに投票すれば善良な人々から銃を奪うだけでなく、ギャングが得をする。あなたの街を危険にするのはあなただ。」と対象に応じて異なったメッセージを伝えて、投票を誘導する手法です。

有名な“Build the Wall”(壁を作れ)というメッセージもCAがテストしたフレーズで人々の間に心理的な「壁」(分断)を作る効果を狙ったものでした。
まさに、民主主義の危機です。

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もちろん多様な意見があって、CAの手法は大したことはない、誇大広告だとの見解もあります。

しかし、バノンが去り、ワイリーの内部告発でFacebookの個人情報を選挙に悪用したことがばれ、2020年の大統領選挙ではSNSは自主規制をしました。

これによってSNSによるデマ拡散をある程度防ぐことができました。

2020年の選挙戦の結果を見れば、CAのマイクロターゲティングは恐ろしいものだったと思うのですが、皆さんはどんな風に感じますか?

個人情報の電子データというものは、選挙結果を左右できる武器になりました。

SNSというものは、正しく使わないと、暴力以上に人を攻撃する武器にもなりました。

だからこそ、SNSはデマを拡散させる道具に使われてしまうという可能性があることを各自が自覚していないといけないと思うのです。

恐ろしい世の中になりました。こんな複雑な世の中は、絶対に若い人に任せるに限ると思うのです。

頑張れZ世代!

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後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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