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10月個展作品紹介11(23年)

新作の紹介です。

思い出に花を供する (岐 _a_ えにし)

 その瞳は過去を見つめている

ありがとうとさようならが込められた花

ふたたび目覚める日まで寂しくないように

想いに囲われてひとつになる日 (岐 _a_ えにし)

その瞳は未来を見ている

いままで結ばれてきた繋がりの衣をまとって

そして気づく、独りではないのだと

作品紹介

 今回の個展作品の最後の紹介です。

 普段描いている作品の少女は小さいのでたまにこぶし大くらいのサイズの少女が描きたくなります。普段描かないと新鮮で楽しく描けます。もちろん普段の作品も描いていて楽しいです。いきなり脱線してしまいますが、絵を描くのは好きではなかったです。結構最近までは、それがここ1,2年くらは楽しいのです。描くべきものを描いている感じです。目的がきちんと定まった上で描いています。もちろん楽しければ名作が生まれるわけでもないですし、苦しんで描いたからこそ生み出される力強い作品もあります。ただ描き続けるという観点に立つと快適に制作することが何よりも優先されます。普段の生活も制作優先です。人とはなるべく会わないようにしています。特に人との食事などはストレスになることが多いので、安心できる方とだけ行くようにしています。外出といえば体作りのためのジョギングと食料、画材の買い出しくらいです。なので、外に出る時は徒歩よりも走っている時間のほうが長いです(画材や食料の時も基本的に行きは走ります)。

 さて本題ですが、この2点のテーマは葬送です。このひとつ前の記事で少女/世界の再生をテーマにしていましたが、その少女のが滅んだ世界で眠りにつく場面です。
 あくまでテーマなのでこの少女が遺体ということでは決してありません。長い眠り、冷凍保存、人形(アンドロイド)のような存在で、人類の希望を託されています。実際にこの後の展開としては復活し世界の再生を担うわけです。
 私の描く少女は一貫して現実のというよりは人形のように中身のない、見る者のスクリーンとしての役割があります。表情は感情があまりなく、それがどことなくさみしげに見えてしまうこともありますが、受け身の存在なのです。
 葬送というテーマですが、お葬式という場はその人が生前に関わった人々の集まる場です。そこで改めて故人の存在が残された人々の中で確かなものとなります。ここで人間の存在というのは個で成立するものではなく周囲(人々や環境)などとの関わりの中で出来上がっているのだと気づきます。
 今回の作品の世界では世界がループして円環を描いていますが、これは人間の関係にも当てはめられるのです。大きな輪の中で人は個としてではなく全体の一部として生きており、個が死を迎えてなお繋がっていることを示しています。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 また今回の個展の記事をお読みいただきありがとうございました。
 拙い文章表現ではありましたが、作品を鑑賞する際の一助となることを願いまして、今回の個展の締めとさせていただきます。

【作品情報】

題名:思い出に花を供する (岐 _a_ えにし)
大きさ:P3 号(273*190mm)
技法:パネルに油彩
価格:115,500 円(105,000 + 税)

【作品情報】

題名:想いに囲われてひとつになる日 (岐 _a_ えにし)
大きさ:P3 号(273*190mm)
技法:パネルに油彩
価格:115,500 円(105,000 + 税)

【出品情報】

こちらの展示でご覧いただけます。

平林孝央個展
”再生 世界のみる思い出”

2023年10月20日(金)-29日(日)
24,25日休み
12:00-20:00
最終日は19:00まで

ギャラリーフェイストゥフェイス
〒167-0054 東京都杉並区
松庵 3-35-19 SHOEI BLDG.2 #102
(西荻窪駅南口徒歩 2 分)
03-6875-9377

https://www.facetoface2000.com/

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