10月個展作品紹介1(23年)
新作の紹介です。
ここはすべてを内包した空間かつ無の空間、後戸
混沌は形を持ち生命力を蓄えている
熟した種がはぜるように紫陽花が割れ新たな世界が芽生えた。
作品紹介
2023年10月20日からはじまる”再生 世界のみる思い出”と題した個展のメイン作品です。
最近の作品イメージはではひとつの世界の盛衰を時系列順に物語をみるような形で構想しています。
その物語の始まりが本作品です。
後戸と呼ばれる母胎や卵などに例えられる新たな生命を宿した空間が舞台です。
白黒の紫陽花が縦に割れその中から植物の芽が出て、瑞々しい新緑がむくむくと茂ってゆく様を描きました。そしてその頂点からは木が生えています。これからどんどん大きくなるであろうこの樹はこれから旅立つ世界との繋がりを示す象徴です。
新たな展開
これまでの作品では様々なモチーフを組み合わせることでイメージを構成して、意味や感情を表出させてきました。しかし、本展の作品からはモチーフそのものの構造をいじることで更に表情豊かなイメージを構成することができるようになりました。
この世に存在しない紫陽花があったらどんな性質がるのだろう?
紫陽花が入れ子状になっていたらどうだろう?
紫陽花の中にもうひとつの世界があったらそこはどんなところだろう?
せっかく絵という現実ではありえない世界を構成できる手段があるのですから、もっと想像力や妄想を膨らませて良いのだと気づきました。誰にも生み出せないとんでもない世界を生み出したい。そんな気持ちがより強くなりました。
こういう構成の仕方は端緒についたばかりです。本展のために描いた下描きは多く、より多様な可能性の詰まった作品世界をお見せしたいと考えています。私がテーマのひとつとする後戸の空間のように無限の可能性があるように思えてなりません。本当にとんでもないというよりどうしようもない作品が出てくる可能性だってあります。そんなものも含めて今後の展開も見守っていただけると嬉しいです。
いままでとはちょっと違うイメージ構成方法を取ることで作品そのものの意味合いも変わってくるのでしょう。私のような描く人間にとっては意味よりも形が優先されます。今回の個展で形が10数点出てきました。その意味を見つけるのはこれからです。本文を執筆したり他の作品も考察することで、本作はもちろんのこと次の作品への展開も見えてくるのだと思います。
本作は白と紅の対比を基調としています。お祝いのための紅白饅頭ごとく、予祝の意味合いを込めた作品です。紅白のすあまは大好物なのですが、そんな優しい色合いの美味しい世界が展開したら良いなと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
引き続き個展作品の紹介をしますので、よろしくお願いします。
【作品情報】
題名: 花の発芽 (岐 _∅_ 誕生)
大きさ:P20 号(727*530mm)
技法:パネルに油彩
価格:550,000 円(500,000 円 + 税)
【出品情報】
こちらの展示でご覧いただけます。
平林孝央個展
”再生 世界のみる思い出”
2023年10月20日(金)-29日(日)
24,25日休み
12:00-20:00
最終日は19:00まで
ギャラリーフェイストゥフェイス
〒167-0054 東京都杉並区
松庵 3-35-19 SHOEI BLDG.2 #102
(西荻窪駅南口徒歩 2 分)
03-6875-9377
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