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【読書】死者の奢り・飼育

著者:大江健三郎

6つの短編が集められた作品で、本のタイトルになっている”死者の奢り”と”飼育”は短編のタイトルになります。

“死者の奢り”は、医学部で使用するための死体を管理するアルバイトをしている大学生の話、”飼育”はとある集落に墜落した戦闘機に乗っていた敵兵の生き残りを捕虜として飼う村民達の話でした。

いずれの話も、特殊な環境下における”ヒト”の扱い方と、扱う者たちの日常が描かれているのですが、その様子が特別な情景もなく淡々と当たり前のように描写されており、”人”と”ヒト”の境界線について考えさせられるような作品になっていると感じました。

科学と戦争と倫理という人間社会を構成する大事な要素に対して、さまざまな立場があることを再認識した、とても重たい一冊でした。

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