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【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト お題「宿酔」

【優秀賞】飲酒運転(山崎こうせい)

 俺は焦っていた。警察官がドアウィンドウ越しに顔を近づけ、怪訝そうに睨んでくるからだ。愛想笑いを浮かべると、

「一時停止、怠りましたね」

 と憮然とした表情で言葉をぶつけてくる警察官。出勤で急いでいたせいか、中途半端な停止で検問にひっかかってしまった。朝の出勤時間を狙った嫌らしい検問に恨めしい気持ちが募るが、警察官に立てついても、こっちの立場が悪くなるだけだ。

 ドアウィンドウを下げ、

「ちゃんと停まりましたよ」

 目を逸らし、しれっと呟くように言って警察官に目を戻すと、奴の顔が厳しさを増している。俺はこの検問から逃げ出したくて、

「では、会社に急ぎますので」

 と言ってドアウィンドウを上げ始めると、

「話は終わっていないっ」

 と野太い声が響く。

 しらを切ろうとする俺のあざとい対応に、奴の顔がますます強張っていく。もう、逃げられないのか。ああ、暗黒の雨雲が、昇り照る太陽を覆っていく。

 この際、一時停止違反の罰金ぐらいは覚悟しよう。でも、飲酒運転が会社にばれたら、大変なことになる。俺の勤務する会社は福祉関係の用具を扱っており、コンプライアンスが厳しく、社会規範や公序良俗に反する行為には、容赦のない懲戒処分が下される。
 会社の上司や同僚で、セクハラやパワハラで降級や減給になった者は何人もいる。人身事故に至ってはクビになった者もおり、ついこの間、飲酒運転をやらかした女性上司は降級のうえ、三か月の自宅謹慎及び減給をくらっていた。

 昨晩、俺は待ちに待った係長の昇進に浮かれ、羽目を外して呑み騒ぎ、三次会のスナックではママとヘベレケになるまで呑んで歌って踊りまくってしまった。おかげでその後の記憶がなく、目覚めればアパートのベッドで朝の八時、顔も洗わずひげも剃らずに車に乗り込み、会社に向かっている途中だったのだ。
 飲酒運転が分かれば、せっかくの昇進も取り消しになりかねない。いや、なるだろう。同僚に遅れること三年、やっと係長の地位を掴んだというのに、こんなことで不意にしたくない。

 俺はドアウィンドウを再び全開にすると、手で口元を押さえ、アルコールの匂いが漏れないようにしたが、それが却ってあからさま過ぎたようだ。

「アルコール検査、やってみますか」

 とにやつく警察官。

「いやー、ちょっと気持ち悪いだけで、別に、そのー」

 しどろもどろの返答に、奴のにやつく顔が険しく変貌していく。

 一瞬、このまま逃げようとさえ思ったが、アメリカ映画じゃあるまいし、とても逃げ切れるものじゃない。罪に罪を重ねるだけだ。そうなれば、昇進取り消し程度の話では済まなく、クビを覚悟しなければならない。追い詰められた俺は全てを観念し、この状況に身を任せることにした。いや、それしか選択肢がなかったのだ。

 されるがままに検査を受けると、

「問題ありませんね」

 と意外な答えが返ってきた。警察官の顔が苦笑いに歪む。

 昨晩遅くまで、あれだけ呑み尽くしたというのに、数時間後の検査で、基準値以上のアルコール成分が検出されなかったというのか? 昇進に喜び勇む俺の能動的な精神が、ハチャメチャに張り切り、数時間でアルコール成分を分解したとでもいうのだろうか? ともあれ、これは超ラッキー以外の何物でもない。これで俺の係長の地位は安泰だ! 太陽を覆った暗黒の雨雲は消え去り、明るい陽射しが俺の全身を包み輝かす。心の中の高笑いが止まらなかった。

 一時停止違反の手続きをさらりと済ませ、少年のような笑顔を作って警察官に敬礼をすると、浮かれ気分で車を走らせ、意気揚々と会社に向かった。
 でも会社の社員用の駐車場はガラガラで、不審に思いながらエントランスの前に立つと、ドアには施錠がかけられている。人気もなく、会社は休みの様相を呈していた。

 頭が混乱し、しばし呆然と立ち尽くしたが、そういえば、吞み過ぎの翌日の朝にしては頭痛もひどくないし、胃のむかつきも吐き気もない。もしやと思い、スマホで日時を確認すると、画面は土曜日を表示していた。
 そうか、呑み騒いだのは木曜日の夜、だから今日は金曜日の朝だとばかり思っていたが、俺は一晩通り越して寝過ごしていたのか。

 昨日の金曜日の無断欠勤の言い訳を考えながら、休日のドライブを思い切り楽しもうと軽やかにハンドルを握り、心地よくアクセルを踏み込んだ。


【佳作】二日酔いダイエット(渋河ゆう)

  許容範囲を超えるほどたっぷりとお酒を飲んだ翌日は、何もかもが楽しく思える。朝食を食べる気力がないことも、少し屈むだけで吐き気が込み上げてくることも、前触れもなく吐くことも、異様に水を欲することも嬉しかった。
 通常、これらのことは好ましくないことである。それでも私にとっては、嬉しくてしょうがない出来事であった。
 何故なら私は、万年ダイエッターであったからだ。

「万年」と修飾語がついてしまっていることから察されたと思うが、私はダイエットに成功したことがない。人並み以上の食欲に加えて、ブラックホールと呼ばれる胃袋の持ち主な挙句、油物も甘味もいくらでも受け付けられる体質だからだ。「満腹中枢が狂っている」と愛想を尽かした彼氏にフラれた時ですら爆食したものだ。
 おかげさまで、身体は肉の鎧を纏っている。ちょっと人にぶつかられたぐらいでは、よろめかないだろう。何なら、そこらのか弱い男性よりも力持ちである自信がある。
 要するに、ダイエットに向いていないのだ。

 唯一、そんな私が減量に成功する時がある。それが、二日酔いをした日であった。これでもかというぐらい浴びるほど呑んだお酒が、私の狂った満腹中枢を正してくれる。皮肉なものであるが、二日酔いをしている時の私は真っ当な人間であった。

 だから二日酔いすることが大好きだった。趣味と言っても過言ではなかった。二日酔いを愛していたのだ。

 それなのに、突如としてそれは私に現実を突きつけてきた。

「禁酒、ですか?」

「ええ。毎年挙げている事項はおいといて、昨年と比べて肝機能の数値がひどくなっているのが気掛かりです。投薬治療をなさいますか?」

「嫌です」とも「します」とも言えなかった。
 私がだんまりを決め込んだことで、健康診断の結果を告げてくれた医者は気遣ってくれたようだ。名の知れた病院への紹介状を手渡してきたが、すぐにカバンの奥底にそれを仕舞った。二度と日の目を見ないであろう紹介状を入れたまま、行きつけの居酒屋の暖簾をくぐる。

 飲み屋の大将は私を一瞥すると、すぐにボトルキープをしているお酒を用意してくれる。自白しない限り、常連客の肝機能の数値が昨年と比べて大幅に悪化していようが、大将には知る由もない。
 それに、大将は冷たいのだ。でっぷりとしたお腹を隠すことなく、低い位置に結ばれたエプロンの紐が固結びされているのを横目にメニューを見ながらおつまみを挙げていく。
 いくらか言ったところで、大将が首を振る。

「そんなに多く覚えられねぇよ」

「あっ、そうですよね。ごめんなさい」

「自由に出させてくれや」

「では、おまかせでお願いします」

「あいよ」

 常連になったせいで、大将の私への対応はおざなりになった。それでも懲りずに呑みに来るのだから、楽な客であろう。
 洗剤のにおいがするおしぼりで手を清めていると、目の前に続々と料理が並べられる。
 串刺しにされた豚バラ肉にかぶりつくと、油があふれた。それをお酒で流し込むのがたまらなく好きな瞬間だ。おつまみとお酒を交互に胃袋へ入れていく。ブラックホールと呼ばれたそこは、溜まることなくどこかへ消えていくようである。けれども、一部が脂肪になっているのは間違いない。

 前後不覚になるほど酩酊したまま、なんとか家に帰り着いた。すぐさまトイレに駆け込み、嘔吐する。
 あふれた涙を拭いながら便器の中を見て、興奮で血が湧き上がるのを感じた。レバーに伸ばした手先が熱くなる。
 吐瀉物は、真っ赤だったのだ。
 何を食べたか考えを巡らせようにも、こめかみがズキズキと痛み、再び吐き気に襲われる。自分では抑えようのない吐き気に、胸が踊る。
 再びブラックホールから異物を吐き出しながらも、笑みがこぼれる。

「これでまた、痩せられるね」

 嬉しくて、嬉しくて、口の端を拭った指に目を落とす。細く、青白い。骨かと見間違うほどだ。これだから酔っ払うのは止められない。自分が痩せて見えるのだ。

 明日また、私は二日酔いになるだろう。その時も楽しく二日酔いダイエットに励むはずだ。あの紹介状が示す痩せすぎの文字も、私の目に留まることはない。万年ダイエッター故に早すぎる生涯を閉じてしまうことも知らないまま、趣味の二日酔いに生きるだろう。それが二日酔いダイエッターの生き様なのだから、仕方がない。医者も、神様も、お酒ですら止められない私の生き方を誰が正せる。
 下ろした便器の蓋の上に顔を乗せると、ひんやりとしている。火照った頬を冷やすように、ぴったりと顔をくっつける。

 明日の私は、自分が醜く見えながらも二日酔いに酔いしれることだろう。趣味に生きる私を止められるのは、趣味である二日酔いダイエットだけだ。
「毎日、二日酔いになれたらいいのに……」
 叶わない夢を思い描きながら、私はまぶたを閉ざすのだった。



【佳作】彼女はシリウス星人(茉亜)

 昨日は会社の飲み会だった。令和にあるまじき上司の暴挙により四次会まで付き合わされた。そして、今朝。俺はぐわんぐわんと痛む頭と、こみ上げる吐き気をこらえながらベットの上で考える。

 この子はだれだ?

 俺の足下にうずくまるようにして眠る、黒髪ショートカットの小柄な女。一応服は着ているが、下着みたいな白のキャミソールワンピースという格好で、何かあった後だとしても違和感はない。うぅ…頭いてぇ…
 水を飲もうと、ベットから起き上がる。その拍子に掛け布団がずり落ちて、一緒に女もベットから落ちた。

「…ん」

 あ、やば…とにかく水でも飲んで心を落ち着かせてから、どう対処するか考えるつもりだったのに…。女は目を覚ます。大きな瞳、頬とぷっくりとした唇はほのかに赤みがあってあどけない。…中学生じゃないよね?俺、過ちを犯してないよね?

「…」

 とりあえず、彼女の様子を伺う。きょとんとした顔で周囲を伺い、俺と目が合うとはっとして居住まいを正した。

「私はシリウス星からやってきた宇宙人です。貴方は宇宙開発局の方ですか?」

 ん?んんん??

「…いえ、ただの会社員です」

「なるほど…」

 可愛い子だなぁ…
 人間、あまりにも思いの寄らないことが起こると、とっさに別のことに思考が切り替わるのだと知る。いや、頭の中でうごめく鈍痛によって、脳が深く考えることを拒絶しているのかもしれない。

「会社員さん」

「はい」

「お手洗いを借りてもいいですか?」

「あ、はい…どうぞ、あっちです」

 シリウス星人もトイレ行くんだ。いや、何を真に受けているんだ。戻ってきた彼女は同じ 場所に同じように正座して座った。彼女の前に自分も正座する。

「俺は貴方に何かしましたか?」

 俺は単刀直入にまずそれを聞いた。とにかくこの状況を早く終わらせ、薬を飲んで横になりたかった。聞きにくいことを、こうしてすぐに聞くことができたのはこのひどい二日酔いのおかげだ。

「私はシリウス星から監視されています。私に何かあれば貴方は死んでいます。だから、なにもありません」

「そうですか」

「はい」

「じゃあ、そろそろ帰っていただけますでしょうか?」

 俺はぐわんぐわんと頭が揺れるような気分で、そう絞り出した。

「はい」

 彼女は素直に頷いた。

 数日後

「いらっしゃいませ。ご注文はおきま…」

「あ、シリウス星人…」

「あ!…お客様、本日のおすすめは季節の桜と抹茶のまろやかミルクましましフラペチーノになりますがそちらでよろしいでしょうか?690円になります!オーダー入りました!!桜抹茶まろましフラペラージ1つ!!」

「頼んでません」

「ランプの下までお進みください!!いらっしゃいませー!!次の方どうぞ!!」

 押し売りのように買わされたなんとかフラペチーノを持って、シリウス星人を横目に見ながらカウンターに座りその甘たるそうな飲み物に口を付ける。…いや、意外と悪くない…

「あれー?君、シリウス星人じゃん」

 若い男3人が大声で話しながら注文カウンターを囲んだ。
「駅で酔っ払って「私はシリウス星からきました」って騒いでたでしょ?動画拡散されてたよー」無遠慮に彼女にスマホを向ける男が笑いながら言う。

「お客様、ご注文は何になさいますか?」

 若い男達は俺の時のようにはいかないようだ。男の1人が、彼女が駅で騒いでいたという動画を大音量で再生しはじめた。

「お客様、ご注文を…」

「「わわわ私はシリウス星人」」

 カフェ店員の彼女と、スマホから聞こえる彼女の同じ声が交錯する。男の1人が彼女にスマホを向けて動画を撮り始めた。さすがにやり過ぎだ。俺がそいつらを追い払おうと席を立った、その時だった。窓の外に稲妻が走り、どでかい音とともに駅ビルが少し揺れた。

「え?」「なになに?」「雷落ちた?」

 ざわめく人々。突然の豪雨。

「私に何かあれば、貴方たちは死にます」

 女がぼそりと言った。
 えー…まじか…
 若い男3人は注文もせずに、そそくさとカフェを出て行った。俺はフラペチーノの最後を吸いきり、もう一度彼女の前に並んだ。

「同じ物をもう一つください。それから…」

 頭はすっきりとクリアで、先日の二日酔いが嘘のようだ。だから、少しだけ、言葉に言い淀む。

「君をご飯に誘ったら、俺にも雷が落ちますか?」

 彼女の営業スマイルが崩れて驚いたように目を見開く。

「そんなことはありません…私は…」

 彼女は恥じ入るように目を伏せた。

「シリウス星人なんかじゃありません…酔うと、いつもそうなっちゃうんです…あなたのおうちでも、私は二日酔いでした…いえ、まさか、男性の家で目が覚めるなんて思わなくて…混乱してシリウス星人になってしまったというか…」

 それは、なんとも奇妙な二日酔いだ。
 俺たちは電話番号を交換した。店を出ると、さっきの落雷豪雨が嘘のような晴天で、ビルの間を渡るように虹がかかっていた。 


【佳作】死の四月(結城熊雄)

〈4月8日 午前9時〉
 美咲が面会に来た。俺と目が合うと彼女は寂しそうに微笑んだ。

 

〈4月4日 午前11時〉
「それで、酒の勢いでやってしまったというわけか」

「はい、そうです」

 俺は俯いた。たとえ酩酊状態だったとしても、殺人は絶対にしてはいけないことだ。罪は償わなければならない。

 

〈4月4日 午前9時〉
 携帯が鳴った。どくんと心臓が弾けるように動き、我に返る。着信は安藤からだった。倒れている杉本をちらりと見る。こいつが何か知っているかもしれない。俺は恐る恐る電話に出た。

「もしもし」

「清水、いまどこにいる?」

「自分の部屋。さっき起きたところだ。ところで昨日の夜、いったい何があったんだ?」

「……覚えてないのか?」

「飲み過ぎで記憶が飛んでいるみたいなんだ」

「昨夜、俺と清水と杉本の三人で飲んでいた。十二時くらいだったかな、杉本の携帯に美咲からメッセージが来た。テーブルに置いてあったから見えちゃったんだよ。それで二人の関係に気づいた君は杉本と喧嘩になった。俺は止めようとしたんだけど君たちに部屋を追い出されてしまって。でも気になってずっとドアの前で聞き耳を立ててた。そしたら……」

「そしたら?」

「君の『ぶっ殺してやる!』って声が聞こえて、その後に人が倒れたみたいな大きい音がした。そして、静かになった」

「やっぱり俺が杉本を……」

 確かに浮気を知ったときの強い怒りの感情を覚えていた。

「悪い、止められなかった。それどころか怖くなって逃げ出したんだよ」

「なんで通報しなかったんだ」

「それは……こんな気遣いいらないかもしれないけど、自首した方が刑が軽くなると思ったんだ」

 

〈4月4日 午前8時〉
 頭が痛い。顔を上げるとテーブルにはビールの空き瓶やチューハイの缶が散乱していた。何も思い出せない。完全に二日酔いだった。
 杉本が床にうつ伏せで寝ている。昨夜はこいつと飲んだんだっけ。あ、そうだ。安藤に誘われて三人で宅飲みすることになったんだ。それで……そのとき俺は唐突に美咲が杉本と浮気していた事実を思い出した。怒りが込み上げてくる。

「おい、起きろよ」

 杉本の体に触れたとき、その異様な冷たさに違和感を覚える。さあっと血の気が引いた。杉本は死んでいた。

 

〈4月4日 午前0時〉
 杉本の頭目掛けてビール瓶を思い切り振り下ろす。ゴッという鈍い衝撃があり、杉本は倒れた。念には念を入れ、さらに何度か頭部を殴る。ふうと一息つき、脈を確認する。よし、事切れたようだ。

 後ろを振り返ると睡眠薬を飲ませた清水がテーブルに突っ伏して寝ていた。彼の頭も死なない程度に手加減して殴っておく。

 清水が目を覚ましたとき、部屋には大量の酒の空き瓶と空き缶があり、記憶がなく頭痛がするという状況のはず。どう考えても二日酔いの症状だ。次に死んだ杉本に気が付くだろう。そこで俺が電話をかける。ドアの向こうで犯行の一部始終を聞いていたと言えば、清水は自分が酔った勢いで殺してしまったと思い込むに違いない。杉本は死に、清水は刑務所行き。これで美咲は俺のものだ。

 

〈4月1日 午前0時〉
 浩太のやつ、浮気してたのね。私が部屋に監視カメラをセットしているとも知らず、好き勝手やってくれるじゃない。どんな復讐をしてやろうか。そうだ、殺人容疑で捕まってもらいましょう。殺されるのは杉本がちょうどいいわ。あいつ誘いがしつこくて面倒なのよ。協力者は安藤ね。あいつはずっと前から私に気がある。杉本と浩太にしつこく付きまとわれていて、二人がいなくなればあなたと一緒になれるとでも言えばやってくれるでしょう。

 数日したら捕まった浩太のところへ面会に行って最後のチャンスを与えてあげるの。彼が私に永遠の愛を誓ってくれるなら、安藤の犯行の様子が映った監視カメラのデータを警察に渡す。誓わなければ浩太とはお別れ。そのデータをネタに安藤を脅し、下僕として一生こき使ってやる。どちらの未来が訪れるかしら。ふふ、楽しい死月の始まりだわ。

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