ブックバーひらづみ

四ツ谷荒木町にある本がコンセプトのバーです。読書好き、作家・ライター志望、出版関係の人…

ブックバーひらづみ

四ツ谷荒木町にある本がコンセプトのバーです。読書好き、作家・ライター志望、出版関係の人たちが集まります。19時~終電くらい。日曜休み。書店員、ライター、アーティスト、劇団主宰、お笑い芸人、大学生など本好きの多様なスタッフがいます。新宿ゴールデン街・プチ文壇バー月に吠えるの系列店。

最近の記事

【受賞作発表】第1回ひらづみ写真コンテスト ~お題「本のある時間」~

優秀賞佳作

    • 【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト ~お題「ぼったくり」~

      【優秀作】該当なし 【佳作】ぼったくりバーに行った話(みょめも)大学生の頃だ。 高校の頃の友人である五十嵐と久しぶりに飲むことがあった。 特に店を決めていなかった僕らは、週末の賑わいの中で客引きに誘われるがまま雑居ビルのバーに行った。 店内に入ると、落ち着いた間接照明が特徴のカウンターバーだった。 この辺りでは何度か飲んでいるが初めて入る店だ。 五十嵐は「アタリぽいな」と何を根拠に言っているのか分からないが、その店を気に入ったようだった。 僕らは近況報告をしつつ飲ん

      • 【受賞作発表】ひらづみ短歌コンテスト ~お題:読書~

        入選作サルトルを初めて読んだ夜に見た亀を助けて溺れゆく夢(岩本稔) 犯人を知ってる推理小説を読んでる気分で「好きだ」と言った(さつき) 鞄へと詰める文庫を遠足のおやつのやうに吟味してゐる(小金森まき) 次点終わらない日々に栞を挟むごとロックアイスを傾けている(中型犬) 重すぎず軽すぎなくてあの人を明るく照らす本をください(中型犬) 本棚の本が半分かぶるよな相手と出逢う夢を見ている(外山雪) いま君を笑わせるのはどこのだれ?きっと本など読まない女(As slowly

        • 【受賞作発表】第1回ひらづみ文学賞/文学部門

          ※当初、「大賞」1本、「優秀賞」3本を選出させていただく予定でしたが、審査の結果「佳作」を設けさせていただく運びとなりました 【大賞】該当作なし 【優秀賞】二十七歳の告白(五十嵐文章) 私はその日、二十七年間の決して短くも長くもない人生で初めて、「青田買い」と言う言葉を知りました。  青田買い。後で辞書を引くと、私が認識していた意味とはまったく異なる意味だと解説されていたので、きっと彼が示した用法の方が、やはり正しいのでしょう。私のほうが間違っていた。今となっては、容

        【受賞作発表】第1回ひらづみ写真コンテスト ~お題「本のある時間」~

          【受賞作発表】第1回ひらづみ文学賞/エンタメ部門

          ※当初は「大賞」1本、「優秀賞」3本を選出させていただく予定でしたが、審査の結果、急きょ「佳作」を設けさせていただいたことをご了承ください 【大賞】あいぞめ(田面類)一 「し、失礼します。ゆずです。弟子の、渡井(わたらい)ゆずです」  月に二回は来ているのに、先生のお部屋に通されるときはいつだって緊張でいっぱいです。  埃のひとつもないぴかぴか障子に手をかけて開くとき、わたしの腕には見えない力がかかります。きっとそれは、『この先生に俳句のご指導を受けること』の重さで

          【受賞作発表】第1回ひらづみ文学賞/エンタメ部門

          【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト お題「カレー」

          【優秀作】カレーの匂い(蔵)「そのときカレーの匂いがしたのね」  店の床で寝転んでいる僕の耳元で、彼女がそう呟いた。 #######  私も悪かったんだと思うの。いつもだったら、あんなに人通りがない道を歩いたりはしない。でもその友達、というか、もう少しで付き合い始めようとしていた男友達の部屋は駅から随分と遠くて、初めて部屋に行ったから、私も全然土地勘が無かった。だからどこらへんを歩けばいいのかも、全然わからなかった。 「もう夜だし、送るよ」  男友達はそう言ったけど、

          【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト お題「カレー」

          【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト お題「短歌」

          【優秀賞】俳句と短歌の決闘(若林明良)  俳句は思う。しろうとは文字数だけをみて短歌は難解、俳句は簡単と考えるが、大間違いだ。  おれたち俳句は基本十七文字しかない。このなかに季語を入れこみ、情感豊かに字を配置するのがどれだけ難しいか。もちろん無季俳句や自由律俳句もある。それでも、ただ長いだけの短歌とちがい、みな短く格好よくまとめている。スパッと切れ味するどく着地させるのが、俳句の醍醐味なのだ。  そうだ。短歌のやつらは、だらだら長いところが鼻につく。思ったことを三十一文

          【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト お題「短歌」

          【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト お題「宿酔」

          【優秀賞】飲酒運転(山崎こうせい) 俺は焦っていた。警察官がドアウィンドウ越しに顔を近づけ、怪訝そうに睨んでくるからだ。愛想笑いを浮かべると、 「一時停止、怠りましたね」  と憮然とした表情で言葉をぶつけてくる警察官。出勤で急いでいたせいか、中途半端な停止で検問にひっかかってしまった。朝の出勤時間を狙った嫌らしい検問に恨めしい気持ちが募るが、警察官に立てついても、こっちの立場が悪くなるだけだ。  ドアウィンドウを下げ、 「ちゃんと停まりましたよ」  目を逸らし、しれ

          【受賞作発表】ひらづみ短編小説コンテスト お題「宿酔」

          【作品募集】第1回ひらづみ文学賞(7月31日締め切り)開催中です!

          募集内容 「①文学部門」「②エンタメ部門」でそれぞれ小説を募集します。題材・テーマは問いません。 応募資格 不問 枚数 400字詰め原稿用紙換算50~100枚程度 賞 大賞:1本(賞金5万円) 優秀賞:3本(賞金5000円) ※「①文学部門」「②エンタメ部門」でそれぞれ上記の賞を選出します 募集期間 2023年1月19日(木)~2023年7月31日(月) 発表 2023年10月ころ、ひらづみWEBサイトにて発表および入賞者に通知 審査員 ひらづみ

          【作品募集】第1回ひらづみ文学賞(7月31日締め切り)開催中です!

          【受賞作発表】ひらづみエッセイコンテスト お題「人間仮免中」

          【優秀賞】該当なし 【佳作】好きと苦手の贈りもの(大森美徳) 好きとか苦手とかの感情はどこから生まれるのだろう。よりによって、なぜそれが好きなのか。なぜそれが苦手なのか。これは考えてみると実は不思議な問題なのだ。  たとえば僕は小説が好きである。もう何年間もずっと好きでいる。作品や作家ごとの好きや苦手はあるけれど、おしなべて小説というものそれ自体を好いている。  なぜ好きか?  物語の世界に入り込めるから。独創的で美しい文体を味わえるから。斬新な思想に触れられるから。

          【受賞作発表】ひらづみエッセイコンテスト お題「人間仮免中」

          【受賞作発表】ひらづみ短編コンテストvol,2 お題「ゾンビ」

          【優秀作】七月九日十九時五十分@池袋東口駅前ロータリー(中型犬) はいはい、この階段をね、階段を上ると、おー、皆様、すごい数の、すごい皆様、あ、これ、これ入ってますか、あーあー、あ、あはい、ありがとうございます。  池袋駅にお集まりの皆様。そして、この演説をスマホで見ている全国の皆様。  明日、歴史が変わります。  いえ、皆様が皆様の力で、ごめんなさい、声がもう、あ、ありがとうございます。  歴史を、歴史を、変えるのです。  ゾンビは、単純作業労働や疑似人体実験など

          【受賞作発表】ひらづみ短編コンテストvol,2 お題「ゾンビ」

          エッセイ募集します!お題:人間仮免中

          ひらづみが毎月開催しているミニコンテスト、今回はエッセイの募集です!お題は「人間仮免中」。漫画家・卯月妙子さんの同名作品へのオマージュとしてお題にさせていただきました。 おそらく、どなたも人間として仮免中(あるいは無免許、免停、免許失効とか)のエピソードをお持ちかと思うので、ぜひ奮ってご応募ください! 応募に関する詳細は以下からご確認ください! https://www.koubo.co.jp/contest/literature/essay/137715.html

          エッセイ募集します!お題:人間仮免中

          【受賞作発表】ひらづみ短編コンテストvol,1 お題「ひらづみ」

          【優秀作】『平積みポーカー』桃山台学「先生、大変です」  担当編集者の小曽根君が近所のカフェでくつろいでいた私のところに駆け込んできた。 「先生のストレートが敗れました」  これだけ聞くと私が野球の投手でライバルの打者に打ち込まれたのかと思うかもしれないが、そうではない。私はベストセラー作家とまではいかないが、そこそこ売れてはいる中堅のミステリー作家だ。  私の超大作『真夜中のストレート』は文庫本では5冊シリーズになった。担当の小曽根君が装丁に凝って、トランプのカード

          【受賞作発表】ひらづみ短編コンテストvol,1 お題「ひらづみ」

          掌編小説コンクール始めました!(11月27日締め切り)

          オンライン読書コミュニティ「ひらづみ(https://hiradumi.jp/)」では、ユーザー同士が交流できるだけでなく、イベントやコンクールも積極的に開催していきます。コンクールの第一弾として、掌編小説の募集を開始しました! お題は「平積み」。そう、「ひらづみ」のモチーフでもある、書店で本の表紙が見える並べ方のことです。作中に平積みが登場するか、連想させるような描写があればOK。 分量は400字詰め原稿用紙2~5枚換算と短いので、小説を書くのが初めてという方や、久しぶ

          掌編小説コンクール始めました!(11月27日締め切り)