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【時効】学校でヤバい落書きをした話

どうも、ひらおです。

皆さんはこれまでに、何か罪を犯したことがあるだろうか。

まぁ、法に触れるようなことでなくとも、「いけないこと」をした経験は誰しもあるのではないかと思う。

そういうとき、謝ったり、怒られたり、あるいは償ったりすれば、心が軽くなることもあるだろう。

だがひたすら隠し続けると、小さな罪の意識でも意外に長い間、心に残るものだ。

俺はひとつ、小学生時代から言えずにいる隠し事がある。
(本当はひとつどころじゃないけどな!ガチで言えないエピソードもあるな…)

迷宮入りしたあの事件の犯人は俺だったのだ。
今明かされる真相をご覧いただきたい…。

「恐怖!視聴覚室に棲む化け猫
ーープロジェクター落書き事件ーー」

あれは小学5年生のときだ。

修学旅行先を新しく開拓するにあたり、
各クラス2名ほどの代表が集まって学習を進めるプロジェクトが発足した。
当時優等生ポジションにいた俺もメンバーに入っていた。

場所は大抵、視聴覚室。
時には放課後や休日に集まって学習することもあったが、
メンバー同士皆仲が良く、楽しい時間だった。

学年の選抜メンバーなので小学生にしてはメリハリが利いており、
休み時間にはしゃいでいても、先生たちも大目に見てくれていた。

そんなある日。

活動の休み時間に、誰かが正面のホワイトボードに絵を描き出した。

先生たちも黙認してくれていたので、皆それぞれ自由に絵を描いた。

俺も描こうと思ったのだが、少し狭かったので、
移動して別のホワイトボードに猫の絵を描いた。

休み時間の終わりには、皆描いた絵を消して学習に戻った。
俺ももちろん消そうとした。

消えない。

一生懸命こすっても俺の絵だけ消えない。
薄くはなるのだがはっきりと跡が残っている。

そのときは、(おかしいなー、また後で消すか)くらいに思っていたのだが。
帰るとき、俺はとんでもないことに気付いた。

視聴覚室にホワイトボードはひとつしかないのだ。

皆がホワイトボードに描いていたとしたら、俺は何に描いたんだ?
そういえば感触が少し柔らかかった気がする。
まさか…。

そう、俺は映像を映すときに使う、
プロジェクターに落書きをしてしまったのだ。

幸い周りにはバレていなかったので、
俺はプロジェクターの向きを微妙に見えづらくしてその場をやり過ごした。

翌日、俺は不安な心持ちで登校し、こっそり視聴覚室に忍び込んだ。

もう消えてるかな?と淡い期待を抱いてプロジェクターを見るが、
暗い室内ではむしろ昨日よりはっきり猫が見えた。

ところで俺の絵といえば。
前回記事↓を読んだ方はご存知だろうが、

まさかの2週連続登場

こんなのである。
もう、これ。まんまこれ。

この絵が、障子の裏から照らしたかのごとくボーッと浮かび上がって見えるのである。

自分で描いておいてなんだが、その姿は化け猫そのものであった。

バレたら絶対、超怒られる!
その前にどうにか消さなくては…。

俺はそれから、掃除の時間に隙を見ては雑巾を持って視聴覚室に潜入し、
何度も化け物退治を試みた。

犯人は現場に戻る、というのは本当である。

しかしあの猫は強力な魔力を持っており、どうしても消えてくれなかった。

奇跡的に、その後プロジェクターを用いた授業が行われることはなかった。

だが生徒たちの間では時折、謎の落書きについて噂が飛び交った。
鬼のN先生が絵を見てブチギレたという話も聞いた。

誰が怪しい、という話になったりもしたが、決まって
「いや、あいつの絵はもう少しうまい」
「それもそうか…」

という展開になり犯人は見つからなかった。

俺は当然、卒業するまでクラスメートの前で絵は描かなかった。

おしまい

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